趣旨
『〈改訂版〉まちづくりのための交通戦略』を出版してから1年半がたち、新しい話題も出てきています。
そこで本書の内容を補足し深めるためのアフターパブセミナーを開きます。
第1回は低炭素化、省エネ等でますます注目の集まる自転車を取り上げ、自転車を重視した交通戦略の建て方、その課題を、世界の事例も交え解説します。
本を読まれた方、これからの方、どんな本かを知らない方、それぞれにお役にたつかと思います。
なお秋には第2回として、小谷通泰さんに「公共交通を軸としたまちづくり(フランスのLRTを中心に、BHLS(フランス版BRT)も含めて)」または「物流とまちづくり (都市内物流の効率化、関係者のパートナーシップ)」について話題提供いただく予定です。
(徳島大学大学院教授) 山中英夫
アフターパブ(PublishingとPub)は出版からしばらくたった本について、その内容をより新しく、豊にするために、その後の動きや新しい観点などを著者に報告いただき、会場の皆様にも参加いただき議論するものです。
そのため、本セミナーの記録は学芸まちづくり新書(電子版)等に収録する場合もございます。その際、皆さまのご質問、ご意見も掲載させていただく可能性がございますので、予めご承知おきください。
参加者のご感想
Fさん(NPO):
山中先生の講演に関心があります。
学芸出版として一般市民向けを意識した出版物を期待します。Sさん(民間企業):
大変興味深く聞かせていただきました。
鉄道の駅からの二次交通について研究しています。
民間ですから事業性の有無が問題になるのですが、新田先生のホーム「堺」や、山中先生の「徳島」は、弊社の事業エリアですので、頑張ります。Kさん(民間団体):
自転車用レーンについて大変参考になるデータを提示していただきました。
勉強になりました。Sさん(大学院生):
さまざまな自治体の例をあげて、よい点、悪い点を示してもらったので、イメージがしやすかった。Iさん(大学院生):
トリップ長が伸びると安全になるというのが直感的には理解しやすかったが、面白いと感じた。自転車の逆走の問題は、あまり意識していないユーザーが多いのではないかと思った。レンタサイクル、コミュニティサイクルについての個々の事例についての問題などをもう少し聞きたかった。Oさん(大学院生):
自転車に関する問題として最近ではマナーの問題も多く出てきていることを知りました。実際に国道など大きな道では、車道ではなく歩道を走る人が多いが、逆送を意識していない人も多いのではないかと思いました。
自転車交通の戦略として大きく、自転車道であったり、自転車レーンをつくること、駐輪スペースの確保や放置自転車対策を行うことが挙げられていましたが、どちらの場合も、まず教育を進めること(小学校での指導)が大事であると思いました。Kさん(大学生):
卒業論文で自転車とまちづくりについて書こうかと思っていますので、今回のものも活用させていただきます。Oさん(大学):
自転車専用道が整備されるとよいなあと考えていましたが、さまざまな形態があること、交差点などの扱いが難しいことなどを知り、とても勉強になりました。
また、京都以外の都市のお話しも聞くことができ、より京都のまちについて考えるきっかけになりました。Sさん(財団法人):
興味深い視点で、しかも複数の視点ということで、いろいろ考えさせられました。
少し時間が足りなかったのが残念です。Iさん(民間企業):
たいへん興味深かった。
自転車素人ですが、勉強になりました。
尼崎在住ですが、自転車ポテンシャルの高い町だと気がつきました。
尼崎式自転車まちづくりを考えてみたいと思いました。
私は自転車がマナーが悪くて自転車がもっと遠慮すべきだと思ったが、シェアードレーンの話を聞いていると、もっと堂々と車道を走らないといけないのか・・と思った。
□主要プログラム
○報告:自転車による交通戦略とその課題
報 告
山中 英生(徳島大学大学院教授)
自転車ガラパゴス日本、観光まちづくりと自転車活用
郊外NTでのモビリティ確保、中速グリーンモード、超高齢化の中での健康まちづくり、等コメント&追加的な話題提供
小谷 通泰(神戸大学大学院海事科学研究科教授)
新田 保次(大阪大学大学院教授)
○議論:
山中 英生、小谷 通泰、新田 保次
& 会場の皆様□日時/場所/会費
11年7月8日(金曜日)18時開場、18時30分〜20時30分頃まで
京 都/学芸出版社3階
会 費/1000円、定員60名(先着順)
○略 歴
山中 英生(やまなか ひでお)
1982年京都大学大学院工学研究科交通土木工学専攻修士課程修了。工学博士。現在、徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部教授。主な著書:『歩車共存道路の計画・手法』(都市文化社、共著)、『人と車・おりあいの道づくり』(鹿島出版会、分担)、『都市の交通を考える』(技報堂出版、分担)、『都市・公共土木のCGプレゼンテーション』『LRTと持続可能なまちづくり』(学芸出版社、共著)『参加型社会の決め方』(近代科学社、分担)など。小谷 通泰(おだに みちやす)
1977年京都大学大学院工学研究科交通土木工学専攻修士課程修了。工学博士。現在、神戸大学大学院海事科学研究科教授。主な著書:『歩車共存道路の計画・手法』(都市文化社、共著)、『人と車・おりあいの道づくり』(鹿島出版会、分担)、『都市の交通を考える』(技報堂出版、分担)、『クルマ依存社会』(実教出版、分担)、『都市・公共土木のCGプレゼンテーション』『LRTと持続可能なまちづくり』(学芸出版社、共著)など。新田 保次(にった やすつぐ)
1975年大阪大学大学院工学研究科 地球総合工学専攻修士課程修了。工学博士。現在、大阪大学大学院工学研究科地球総合工学専攻社会基盤工学部門交通システム学領域教授。主な著書:『クルマ依存社会』(実教出版、分担)、『地方自治体21世紀への提言』(公職研、共著)、『都市と地域の交通問題―その現状と政策課題』(自治体研究社、共著)、『講座、高齢社会の技術6―移動と交通』(日本評論社、分担)など。
<改訂版> まちづくりのための交通戦略
パッケージ・アプローチのすすめ
山中 英生 著 小谷 通泰 著 新田 保次 著
装丁 前田 俊平
B5変判・192頁・定価3990円(本体3800円)
ISBN978-4-7615-3184-3
2010-02-10 初版発行
■■内容紹介■■
低炭素化、高齢社会への対応のため、歩いて暮らせるまち、人と環境に優しい交通への転換が始まった。成功のためには、明確な目的とビジョンをもった「戦略」が必要であり、目的達成の決め手は様々な手法を絡めるパッケージ・アプローチによる自治体の取り組みにある。世界で急展開する交通施策の理論・手法と先進事例を紹介。
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