関西を代表する団地の聖地、千里ニュータウン。山を真平らにして標準設計の建物を南向きに機械的に並べただけ……と思ったら大間違い。目を凝らせば、そこここに快適な住空間への工夫と努力が読み取れます。本書 『団地図解』でも多くのページを割きました。それは地形から造成、配置・ランドスケープ、住棟、間取りまで連続した設計思考の様々なパターンが、千里ニュータウンには存在するからです。本イベントではこれら千里ニュータウンの団地の設計思考を紹介するとともに、UR都市機構にて団地の設計に携わった武田重昭氏をゲストにお迎えし、“聖地”をさらに深く読み解いていきます。なかなかお目にかかれない建設当時の工事映像も上映しながら、千里ニュータウンはどのようにつくられたのか、設計・工事両面から明らかにしていきます。
武田重昭(たけだ・しげあき)
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科助教。1975年神戸市生まれ。2001〜09年までUR都市機構にて屋外空間の計画・設計や都市再生における景観・環境施策のプロデュースに携わる。公団・公営・民間の計7団地に居住。
篠沢健太(しのざわ・けんた)
工学院大学建築学部まちづくり学科教授。東京大学農学部、工学部、関西大学環境都市工学部非常勤講師。1967年生まれ。1995年東京大学大学院農学系研究科農業生物専攻博士課程修了。A.U.R.建築都市研究コンサルタント非常勤研究員、大阪芸術大学芸術学部環境デザイン学科准教授を経て現職。
吉永健一(よしなが・けんいち)
吉永建築デザインスタジオ、団地不動産代表。1967年生まれ。1993年東京工業大学大学院建築学専攻修士課程修了。長谷川逸子・建築計画工房勤務などを経て吉永建築デザインスタジオ一級建築士事務所設立。団地の不動産仲介や団地の魅力を伝える活動も行う。団地専門不動産『団地不動産』、UR都市機構チャンネル『団地ぶらぶら』企画出演ほか。