「共振」という言葉を手がかりに、都市環境デザインの有り様を次のように考えてみた。
このようなデザインは、自然から都市、構想から施工にわたり様々な規模と場面で生まれている。そのような事例を集めてみた。
・風景と共振する
・場所と共振する
・人と共振する
共振し生き続けるデザイン
1。自然や社会の固有振動数と響きあい「生命」を引き出すデザイン、つまり(それ自体に力があるというよりも)対象の持つエネルギーを増幅するデザイン
・・・・である。
2。ジャンルを超えて、形(ハード)と出来事(ソフト)を包括するデザイン
3。視覚のみに依拠するのではなく、諸感覚を刺激するデザイン
・自然と共振する
広大な自然景観を「スケール」「風水」「見立て」などのコンセプトでデザインする事例。自然をいかに意味づけ、大地のエネルギーをいかに「人間化」するか。自然という概念自体をデザインするところから始めなくてはならない。
地域の植生・歴史・記憶と響きあいながら、シンプルでありながら「そこならでは」の風景を生み出す事例。デザインは、風景が私たちに語りかけるための静かな「言葉」となるのだろうか。
風や光・生物・自然素材の組合せが感性を刺激し、時にはなごみ、場所に生命を与えている事例。選りすぐった素材、あるいはその土地ならではの素材の多様性や、偶然の出来事が私たちの日常を豊かにする。
社会に対する素直な欲求や思い入れを、受け止めるような都市空間を生み出した事例。寝ころぶ、お弁当を食べる、土で遊ぶ、外とつながる・・・・様々な人々の動きと共振する「器」としての空間。人と人とが共振する器。中村伸之
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