これがデザインの力だ
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共につくる


水のキャンプファイア


 

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 阪神大震災後10年のメモリアル・プロジェクトとして『神戸カエルキャラバン2005』が、六甲道南公園において2005年9月17日、開催された。そこで、なくなってしまってはじめてその大切さに気づく「水」と「電気」をテーマにした光のモニュメントを、ボランティアの学生や子供達の協力を得て制作した。

 震災の恐ろしい記憶と犠牲者への追悼、そして穏やかな日常生活への感謝の気持ちを再度読み込む「祈りの場」を、6433個の光輝く小さな水の塊によって創出した。

 この「水のキャンプファイア」は、震災時に屋外でテント生活を余儀なくされた経験を教訓として、その時に芽生えた絆、家族や地域のつながりを再認識する活動の一環として提案したものである。そこでは、家族が協力し合ってテントを製作して公園で一夜を共にするのである。建築家が新しく提案する独創的なテントを公園一帯に立ち上げていく姿は壮観であった。お父さんが奮闘している姿を子供達が見つめているのも記憶に残る。

 一泊する人達全員が集まり、「水のキャンプファイア」を囲んで追悼と合唱の時間を共有した。改めてコミュニティの大切さを認識すると共に、活動を積み重ねていくという空間デザインが生み出す風景に、日ごろ見慣れた公園、屋外環境の可能性に触れた気がした。

E-DESIGN 忽那裕樹
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