都市環境デザイン会議関西ブロック

 

2015年度第4回都市環境デザインセミナーご案内

災害の記憶と都市環境デザイン

石原凌河/15.06.25/大阪(終了しました)

陸前高田市のベルトコンベアによる嵩上げの様子 保存が検討されている南三陸町防災対策庁舎

趣旨

 東日本大震災の教訓として、震災の記憶を後世へ伝えることの重要性が言われています。こうしたなか中、東日本大震災の被災地の多くは、震災の記憶を継承するために、震災祈念公園の整備や震災遺構の保存が検討されています。
 しかしながら、被災者、来訪者、行政関係者等の人々の置かれる立場によって震災遺構や祈念公園に対する意識が異なることや、保存や整備に関する制度的枠組みが存在しないために、合意形成の過程で関係者間での対立を招くことや、震災遺構が消滅してしまうといった事例も見受けられるなど、多くの課題を抱えています。
 そのため、災害の記憶を継承するために都市環境デザインが果たす役割は極めて大きいと考えられます。
 このような問題意識の下、JUDIでは有志で「災害の記憶研究会」を新たに立ち上げ、4月末に東北の被災地を訪問し、保存が検討されている震災遺構や整備が計画されている震災メモリアルパーク予定地を視察しました。
 本セミナーでは、視察で訪問した震災遺構や震災メモリアルパークの保存・整備の意義や計画上の課題について、研究代表者である石原凌河さんから報告していただくとともに、他の被災地での事例と東日本大震災の被災地の現況とを比較しながら、災害の記憶を継承するための都市環境デザインの可能性について考えてみたいと思います。なお、セミナー冒頭に鳴海が視察の概要について、震災直後の状況も参照しつつ、動画を用いて紹介します。
セミナー委員長  鳴海 邦碩

日時・場所

日時:2015年6月25日(木)
   18時開場、18時半スタート
場所:大阪ガス エネルギー・文化研究所
主催:都市環境デザイン会議関西ブロック

報告書(PDF)

このセミナーはJUDI有志による「災害の記憶研究会」の東北の被災地を訪問を踏まえたものです。下記はその研究会の視察報告書です。

・角野さん:何を伝えなければならないのか
・山室さん:集う場所・追悼し伝えるの融合デザイン
・松山さん:災害の記憶を風化させず後世に伝える
・石原さん:災害遺構の保存に関する論点−記号論の視点から−
・中村さん:祈りと伝承の風景について考える
・中野さん:南三陸防災対策庁舎・震災遺構保存計画に思う
・畑 さん:災害遺構と復興まちづくりデザイン
・山本さん:災害伝承を自分事にする方法〜「被災物」のモノ語り
・鳴海先生:災害の記憶・祈念場所のデザインについて


『いま、都市をつくる仕事―未来を拓くもうひとつの関わり方』

講師プロフィール

石原凌河さん
(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構 人と防災未来センター研究員
1987年京都府生まれ。2010年関西学院大学総合政策学部卒業、2012年大阪大学大学院工学研究科ビジネスエンジニアリング専攻博士前期課程修了、2014年同博士後期課程修了。専門は都市・地域再生、災害の記憶継承。人と防災未来センター震災資料専門員、大阪府立大学地域連携研究機構特認助教を経て2015年4月より現職。2015年5月日本都市計画学会論文奨励賞を受賞。共著書に『いま、都市をつくる仕事−未来を拓くもうひとつの関わり方−』(2011年、学芸出版社)。


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