ニュータウンを超えて
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はじめに

 上野でございます。

 今日は「UNBUILD UENODESIGN」という、 実にわがままなセミナーをやらせていただくことになりました。 このようなセミナーを開催できたのは、 セミナー委員長の鳴海先生をはじめ、 委員の中村さん、 そして今日来てくださった皆様のご支援があったからこそです。

 今日申し上げるメッセージはただ一つです。 それは「都市環境再生」についてみんなで考えていこう、 そしてそれを社会に発信していこうという事です。

 そこでまず、 私がこれまで色々関わって来た仕事を通じての個人的な体験の中から、 都市環境再生にどのような方向性を見出してきたかを、 スライドを中心にお話していきます。 スライドの説明を通じて、 私の言いたい事を受けとっていただけたらと思います。

 今年7月の朝日新聞(7月13日 朝刊)で、 松葉一清さんが「ヨーロッパでもアジア でも、 明確な21世紀都市の指標を見出せていない」と書いておられました。 実は私も、 日頃現在の日本における都市や建築の状況を見て、 これからこういう都市を創っていくのだという明確なメッセージが見えてこないと感じていました。

 このような状況は今、 あるいはこれからの都市に求められている問題について、 建築や都市デザインが、正面から答えるようなトライアルを行っていないからではないでしょう
か。

 そうした状況を踏まえて、 私の個人的な体験から、これからの都市のあり方についての
一つの考え方をお話したいと思います。

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