市町での景観施策について 兵庫県調べ(2004年7月)


 

 

 

 

 

市町名

施策等の内容

実施主体

実施場所

成果

神戸市

景観形成重要建築物等指定制度
歴史的な建築物や地域のシンボルとなっている建築物など景観上重要な建築物等について,「景観形成重要建築物等」の指定を行い,所有者に適正な管理をお願いするとともに,維持や修理に対して技術的な助言や経費の一部助成を行う制度を設けている。平成12年3月,震災で残った建築物のうち11棟を景観形成重要建物等に指定している。

 

 

名称/旧用途/所在地
・王子市民ギャラリー(関西学院チャペル)灘区王子町3−1−2
・神戸市文書館(池長美術館)中央区熊内町1−8−21
・ホワイトハウス(アメリカ領事館官舎)中央区北野町2−9−6
・神戸市立博物館(横浜正金銀行)中央区京町24
・旧居留地38番館(ナショナルシティ銀行神戸支店)中央区明石町38−1
・海岸ビル(三井物産神戸支店)中央区海岸通3
・海岸ビルヂング(日豪会館)中央区海岸通3−1−5
・兵庫県公館(兵庫県南庁舎)中央区下山手通4−4
・ファミリアホール(三菱銀行神戸支店)中央

景観形成市民協定の認定
一定の区域内の市民相互による身近な都市景観の形成を目的とした協定について,「景観形成市民協定」として認定し,技術的支援や活動費の助成を行っている。震災後、各地域で景観形成の取り組みが行われ,平成16年5月現在,8地区の市民協定を認定している。

 

 

地区名/締結年月日/認定年月日/地区面積
・トアロード地区 H9.4.28/10.10.1/約 15ha
・新長田駅北地区東部 H10.7.6/約 21ha
・栄町通地区 H10.7.10/約  8ha
・魚崎郷地区 H10.7.13/約 31ha
・新長田駅北・西地区 H11.10.22/H12.2.14/約 13ha
・三宮中央通り H14.9.27/H15.9.12/約 5ha
・神戸元町商店街 H15.6.6/約 7ha
・有馬地区 H15.12.17/H16.3.26/約 12ha

地区計画等                                都心の三宮5地区において、震災後地区計画を定め、都市景観形成地域指定(旧居留地、税関線沿道)による景観形成と連携し、安全で魅力ある都心地域の形成を図っている。

 

 

地区名/面積/決定年月日                                      旧居留地地区 22.1ha/H7.4.28                                   三宮駅南地区 18.5ha/H7.4.28                                  税関線沿道南地区 11.2ha/H7.4.28                                    三宮西地区 7.3ha/H7.4.28                

尼崎市

都市美形成条例に基づく助成制度の震災復興版(平成7〜9年度限定)による助成
都市美形成建築物 20件、都市美形成地域内建築物 22件、修復保全

尼崎市

尼崎市築地中通ほか14箇所及び寺町地域

修復工事に対する助成により、本市の貴重な都市美形成建築物の保存・継承及び寺町都市美形成地域の景観を維持、保全することができた。

歴史的建造物等修理費助成事業(復興基金事業)による助成
都市美形成建築物 15件、都市美形成地域内建築物 11件

兵庫県

尼崎市築地中通ほか14箇所及び寺町地域

修復工事に対する助成により、本市の貴重な都市美形成建築物の保存・継承及び寺町都市美形成地域の景観を維持、保全することができた。

文化財振興財団の震災復興の支援
如来院(鐘楼、山門)、甘露寺(薬師堂)及び善通寺(本堂、山門)の修復

兵庫県及び文化財振興財団

尼崎市寺町

寺町都市美形成地域の核となっている11か寺のうち3か寺を緊急に修復保存することが出来た。

築地地区震災復興事業
歴史を伝える文化的まちづくりとして、改良住宅、橋、保育所を修景した。

尼崎市

尼崎市築地

震災復興にあたって、景観形成の先導的役割を果たした。

明石市

歴史的建造物修理費助成事業(復興基金事業)による助成
・原邸、卜部邸、尾上邸、中山邸、小山邸の修復保全

兵庫県

明石市内全域

修復工事に対する助成制度の活用により、歴史的価値の高い建築物を修復保全し、良好なまちなみ景観を継承することが出来た。

都市景観条例に基づく都市景観形成重要建築物等の指定
 震災により歴史的建築物が倒壊したり、取り壊されていく中で、できるだけすみやかに歴史的に価値のある建築物を重点的に指定していく取り組みを行ってきた。

明石市

明石市内全域

5件(復興基金を利用した物件)を都市景観形成重要建築物等に指定し、保全計画に沿った維持・補修が行われている。
原邸、卜部邸、尾上邸、中山邸、小山邸の修復保全

西宮市

西宮市都市景観助成要綱事業による景観形成建築物の修復に対する助成
・聖和大学セミナーハウス(旧宣教師館)の修復

西宮市

西宮市岡田山7番54号(聖和大学構内)

修復工事に対する助成により、市内でも貴重な景観形成建築物を保存、継承することが出来た。

歴史的建造物修理費助成事業(復興基金事業)による助成
・松本邸(旧ナショナル・シティ銀行社宅)の修復保全
・倉戸邸の修復保全
・倉敷邸の修復保全
・浄橋寺庫裏、書院の修復保全
・辰馬本家酒造竃{蔵の構造修復
・西宮神社六英堂の修復保全

兵庫県

西宮市雲井町ほか5箇所

修復工事に対する助成制度の活用により、歴史的価値の高い建築物を修復保全し、良好な町並み景観を継承することが出来た。

地区計画の策定
(震災後21地区決定。うち震災復興区画整理の区域内の地区計画は2地区)
○南部市街地(震災復興区画整理事業区域内) 
 森具地区、西宮北口駅北東地区
○南部市街地(その他) 仁川五ヶ山地区、安井地区、若江・神園地区
 大畑地区、甲子園三保地区、夙川駅北東地区、夙川霞・松園地区
 甲子園一番地区、甲子園浜田地区、甲子園洲鳥地区、里中地区
 甲子園二・三番地区、甲陽園目神山地区、浜甲子園団地地区
 上鳴尾地区、甲子園五番・花園地区
○北部ニュータウン 名塩平成台地区、西宮名塩さくら台地区

各地区まちづくり協議会、西宮市

左記のとおり

もともと住環境保全を目的としているが、下記の制限内容は景観形成面でも一定の成果を上げている。
・建築物等の高さの制限          20地区で制定
・建築物の壁面の位置の制限         9地区 〃
・形態・意匠、広告物の制限          9地区 〃
・垣・さくの構造の制限(道路際の緑化推進) 7地区 〃  

西宮浜地区景観形成計画の検討と具体化
 復興住宅建設のため、当初流通業務等の事業所中心であった西宮浜の一部を住宅地として開発するにあたり、良好な住宅地景観の形成を目的として、兵庫県、兵庫県住宅供給公社、西宮市、西宮マリナシティ開発梶A住宅・都市整備公団、積水ハウスといった事業者で「西宮浜地区事業者連絡調整会」を結成し、特に景観形成の骨格となる街路及び街路部分の緑化計画についての景観形成計画を作成、実践している。

左記のとおり

西宮浜地区

街路、公園、緑地が竣工してからまる6年経ち、街路樹と民地側壁面後退の緑化により、緑豊な歩行者空間が形成されている。            また、民間開発部では管理組合による緑化活動が活発に行われており、平成10年度には関西まちづくり賞、平成12年度には西宮市都市景観賞を受賞している。

芦屋市

歴史的建造物修理費助成事業(復興基金事業)による助成
・如来寺十三重石塔の修復工事
・芦屋神社本殿屋根の修復保全
・芦屋神社坪殿の壁の修復工事
・八幡神社鳥居の修復工事
・林邸の修復保全
・松橋邸の修復保全
・中山邸の修復保全
・勝田邸の修復保全

兵庫県

芦屋市川西町
ほか7箇所

修復工事に対する助成制度の活用により,歴史的価値の高い建築物を修復保全し,良好な街並み景観を継承することができた。

 

国重要文化財淀川製鋼所迎賓館事業へ国等の助成
・淀川製鋼所迎賓館の基礎・内外装・屋根の修復工事

国・県・市・復興基金・所有者

芦屋市山手町

同上

伊丹市

歴史的建造物修理費助成による助成
・坂上邸の修復保全
・入江邸の修復保全
・荒木邸の修復保全
・谷垣邸の修復保全
・芝田邸の修復保全
・箟源一の修復保全
・箟惣一の修復保全

兵庫県

伊丹市北伊丹ほか
6箇所

修復工事に対する助成制度の活用により、伊丹市都市景観形成建築物
を保存・継承ができた。

地区計画の策定
(震災後11地区決定。 うち密集住宅市街地整備促進事業による
震災復興まちづくりの地区計画は4地区)
・荒牧地区、鴻池地区、西野地区、池尻地区

各地区まちづくり
協議会、伊丹市

左記のとおり

・用途の制限            4地区で制定
・建築物の高さの制限        4地区で制定
・建築物の壁面位置の制限      3地区で制定
・形態・意匠の制限         4地区で制定
・垣・柵の制限           2地区で制定

宝塚市

居住環境維持のための地区計画の導入
 被災した建物の再建に際し、建物の用途変更や宅地の細分化による建て詰まり等居住環境の悪化が懸念された地区に対して、用途や制定敷地面積を制限した地区計画を導入。

宝塚市

宝塚市逆瀬台地区

 開発当初からの緑に囲まれた良好な居住環境が維持されている。
 また、地区計画の導入活動を契機として、公園や街路樹の管理等地区内の緑化を初めとする自主活動が盛り上がるなど、まちづくりに対する意識が向上した。

一宮町

復興施策として密集住宅市街地整備促進事業を採択し、アドバイザー(コンサルタント)、及び地区住民で形成された震災復興まちづくり委員会の意見を取り入れ、コミュニティ住宅の建設、公園整備、道路整備を進めている。また、商店街活性化先導モデル事業を取り入れ、街の緑化にも努めている。

郡家地区 震災復興まちづくり委員会

郡家地区

街路灯(防犯灯)を景観に配慮したデザインに統一して設置した。

地区玄関口に花壇を設置したり、街の道路沿いにプランター(700基)を設置するなど、街の緑化が進められている。

東浦町

壁画コンクール
震災後の景観美化や震災復興を島内外にアピールしようと開催され、「ゆめ」をテーマに全国から応募者を募った。

東浦町

 

北は埼玉県から南は高知県まで36点の応募があった。町では当初工事終了後、壁面を取り壊す予定だったが、壁画を東浦サンパーク児童公園へ移設することになり現在も飾られている。

伝承文化事業
震災直後、東浦町老人クラブ連合会ではみんな命のあったことを喜び合い、改めて命の貴さを感じ、この時期自分たちが後世になにかできることはないかと考えその結果、東浦町の昔について本を出版することとした。

老人クラブ

 

伝承文化活動委員会を結成し、原稿収集にあたり、校正・編集・出版と2年余りの月日を要した。2冊目は1冊目の好評を得て「続ひがしうらむかしばなし」を出版し、町の文化功労賞を受賞した。2冊目を出版後、生活復興県民メットのまちの再発見運動補助金を申請し、「伝承文化ガイド標識づくり事業」として、11箇所に案内板を設置した。