都市緑化の可能性
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目標像を達成するために

改行マーク当たり前の話ですが、 一応自然林というものをイメージしていますが、 実際に自然に生育したものではありませんから、 自然ふうなものであって、 自然ではありません。 ですから、 ここに生育している生物の種類数は制約されています。 あとからやってきた植物や、 鳥、 昆虫は、 遠くまで飛ぶ能力があるものか、 もしくは、 この近所にいるものがやってきて、 定着しているというような感じです。

改行マーク実際に、 ここで緑地を観察している感じとしては、 それでよかったのではないかと思っています。 というのは、 本当の雑木林をここに持ってくれば、 それこそ住んでいる生物の数が、 一桁、 二桁違いますので、 見た目の好ましい生物もいれば、 好ましくない生物もいます。 そのあたりを自然林の場合にはコントロールできませんが、 こうした緑地ですと、 好ましくない生物はあまり増えないような、 好ましい生物が目に付くようにというようなコントロールがある程度可能です。

改行マークそういったコントロールは、 都市の中で緑地を作っていく上では、 必要だろうと思います。 都市は、 そこから自然を排除して作られているというような発想が、 たぶんあるんじゃないかと思うのですが、 そういうところに緑地を入れていくことは、 現状では無理なところもあるかと思います。 ただ、 緑地を作ることで、 人間の側にも、 生物の側にも、 それぞれ新しいチャンスが芽生えてくるかと思います。

改行マーク例えば、 昔は自然の力が非常に強く、 人間がその自然を排除するのに大変な力が必要でした。 今、 特に身近な自然は、 例えば、 小川のメダカであるとか、 草花であるとかそういう身近な自然というものがどんどん減っています。 ほっておけば、 どんどんなくなってしまうというのが現状であると思います。 そういう中で、 都市の中に自然な生物が住めるような緑地を作っていくということは、 新しいチャンスを生物の側にも与える可能性があると思います。

改行マーク例えば、 昔は原っぱがたくさんあって、 その原っぱには特に昆虫がたくさんいました。 それが今、 絶滅の危機にあります。 NEXT21のような環境を都市の中につくることで、 そういった生物を絶滅の危機から救うことができるかもしれません。

改行マークただ、 本当に雑木林を都市の中にそのまま持ってきてうまくいくのかというと、 そうは思えません。 環境も違いますし、 やはり基本的には人間のニーズに合わせていかなければならないということがあります。

改行マークですから、 生物だけのスペースと、 人間のスペースと、 両者が共存するスペースをどううまく作っていくのか。 そして新しい都市らしい自然生態系がこれから作られていけば、 人間の側にも、 生物の側にもいい都市環境が生まれるのではないかと思います。

改行マーク本当に、 この屋上は、 おもしろい環境になっていますので、 是非一度見ていただき、 都市の中の自然を実感していただけたらと思います。

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