路地の整備 |
神楽坂南側の路地のほとんどが公道であるのに対し、神楽坂北側の格子状街区のなかに張り巡らされているほとんどの路地は、私道である。
幅員4m未満の狭い公道に対しては区の「細街路拡幅整備事業」が適用され、沿道の地権者に対して、拡幅整備に伴う区からの助成措置がある。
しかし、神楽坂の公道の路地でこの事業が適用されている箇所はほとんどない。
私道に対して適用される区の制度としては「私道整備助成制度」があり、幅員1.5m以上の私道の舗装、照明灯、排水設備に対して、区から助成措置がとられる。
神楽坂北側の私道路地の舗装は古くから石畳が多く、神楽坂の情緒を演出してきたが、この舗装は上記の「私道整備助成制度」において補助対象となる標準的な舗装水準を越えるものである。
したがって、石畳の舗装改修を行おうとすれば、地権者が、自ら超過負担をせねばならない。
先に紹介した新宿区景観まちづくり賞を受賞した路地は、沿道の地権者が、自前で超過分を負担し、伝統的な石畳舗装の改修工事を行っている。
一方で、芸者新道の舗装は、石畳より安価なタイル舗装の改修工事が行われている。
このような様子から見ると、これからは、伝統的な石畳舗装も、まだら模様となるかも知れない。
尚、私道の路地には、幅員2〜3mのものが多いが、セットバック(沿道建築物の壁面後退)による路地の拡幅は、まだ、一部に見られる程度である。