穏田商店街の路地



穏田商店街の路地
 原宿駅から表参道を歩くと、右手に銭湯の高い煙突が見える。この煙突の下に拡がっているのが穏田商店街である。穏田商店街は、戦前からの商店街であり、地元に根付いた商店街である。各地の近隣商店街から、八百屋、肉屋、魚屋という生鮮三品の店が姿を消しつつあるが、ここでは全て健在である。それだけに、地元に住む高齢化した人々にとっても欠かせない商店街となっている。
 しかし、昔からの近隣商店街も変わりつつある。この商店街もまた、後継者不足の問題を抱え、今までの店が閉じられ、新しい店が商店街に進出してきている。今では、表参道や、キャットストリート等から、多くの若い人達が、この商店街に流れ込んできている。
 八百屋や、魚屋等が立ち並ぶ路地の一画は、近隣商店街の親しみやすい雰囲気をいまだに保っているが、その裏では、住宅に混じって、今風のファッション店が、鮮やかな色彩を見せている。また、表参道から一歩入った路地では、オープンカフェが路上の光景を一変させ、路地際にテーブルや椅子を持ち出しているエスニック料理店は、周囲に猥雑な活気をふりまいている。この界隈への出店は、しもた屋にまで及んでいる。室内が改装され、ファッション店へと様変わりしてしまった古い木造の民家もある。昔風の店構えと、ファッション商品の取り合わせが、別の新鮮さを生み出している。
 この商店街が、これから、ファッションのひと色で塗りつぶされていくと、原宿の街も多様性を、ひとつ、失うことになる。