空の下とガード下


アメ屋横丁の位置

 御徒町駅を下車し、春日通りを渡るとアメ横がはじまる。この御徒町駅から次の駅である上野駅迄の、約400mの鉄道高架下(ガード下)と線路沿いのアメ横通り等におよそ500余りの店舗が、密集している。地下鉄駅では、最近(平成12年12月)、御徒町駅近くに開設された都営大江戸線の上野御徒町駅の他、上野駅近くには、営団銀座線、日比谷線の上野駅がある。
 アメ横の始まりは、終戦直後の闇市であり、ガード下は、当時の国鉄からの借地である。アメ横の名前の由来は、当初、飴の問屋が多かったからとか、アメリカ進駐軍の放出物が流れ込んできたからである等と言われている。


アメ屋横丁の路地

 空の下の線路沿いにあるアメ横通りとガード下からなるアメ横の業種構成は、驚くほど多彩である。
 食料品、衣料品、装飾品(宝石・貴金属)、靴、かばん、時計、化粧品、医薬品、スポーツ用品、文具、玩具、喫煙具等、飲食店、パチンコ店もある。アメ横通りは、鮮魚や乾物等の食料品店が多く、威勢の良い掛け声が飛び交っているが、ガード下の方は装飾品、衣料品を始めとして、業種構成はより多彩であり、商店街の色合いは異なっている。
 アメ横通りの道路幅員は、8mから10m程あるのだが、そんなに広くは感じない。なにしろ、路上まで商品がはみ出して来ているのである。人込みや店の呼び込み、流れてくる演歌とあいまって、雑沓感に満ち溢れている。アメ横名物の一つが、カットフルーツ(果物の切り売り)であるそうだが、なるほど、おばあちゃんが路上で口にしている光景が見られる。喧騒の中で、少しばかり、静粛感のある場所もある。アメ横通りを少し横に入った所にある大徳寺の境内である。
 この寺の1階部分は店舗であるが、石段を上がった2階部分に狭いながらも境内があり、路上の賑わいを離れて、一息入れることも出来る。
 一方のガード下は、鉄道高架支柱の間隔が店の大きさの基準となり、間口1.5間、奥行き2間程の、簡単な間仕切りによる仮設的な店が多い。更に細分化している店もあり、通路の両側にびっしりと並んでいる。通路は、幅1間ばかりでもって、おおむね格子状に構成されているが、行き止まりの通路や細かく入り組んだ通路もあって、思いのほか解りにくい。蛍光灯で明るく照らされている通路もあれば、薄暗い通路もある。洞窟の中に入り込んだよう様に思えてくる怪しげな空間もある。空の下のアメ横通りとは異なり、通路が狭いせいか、店先の店員さんの視線も近くに感じる。