期待と発見のシークエンス
ヴィーナスフォート



ヴィーナスフォートの位置

 東京の海は、埋め立てられて次々と新しい土地を産み出してきたが、お台場は、そんな埋め立ての最前線である。臨海副都心としてショップ、オフィス、展示場、ホテル、集合住宅、海浜公園等が次々に建設され海辺の光景を変貌させてきた。海浜公園の傍らには、ニューヨークにある「自由の女神像」のレプリカ(写し)まで建立され、ウィンドサーフィンが出来るスポットもできている。お台場は、レインボーブリッジの夜景を背景とした、新しいデートスポットとしても人気がある。
 ヴィーナスフォート(1999年オープン)は、お台場の新交通システム(ゆりかもめ)の青海駅を下車すると目の前にある。「空のフロア」、「小路のフロア」の2フロアによって構成され(延床面積44,000u)、約160店のショップやレストラン等がある。ヴィーナスフォートのキャッチフレーズは、「女性のためのテーマパーク」である。女性をターゲットにして、夢の楽園をイメージした様々な環境演出を行っている。
 施設内に足を踏み入れると、17、8世紀の(ここでも古き時代が顔を覗かせている)ヨーロッパの街並みが再現されている。ヴィーナスフォートは、非日常的な空間の面白さを演出しようと、異国の街並みの再現ばかりでなく、照明装置等にも大掛かりな工夫がされている。メインプロムナードと5つの広場の天空(天井)は、青空、夕焼け、星空へと照明装置によって刻々と変化する。この照明演出は屋内空間の閉塞感を消し去り、天空を見上げる楽しさを与えている。
 道(通路)は、2フロアーにわたり、まっすぐな道、曲線を描く道、不規則に曲がる道、大通りや小径等、総延長は約1.5kmにも及ぶ。施設内をただ歩いるだけでも楽しめるように、立体的なラビリンス(迷宮)感覚を楽しめるように道が構成されている。たしかに、どこを歩いているのか案内板を見ていても解りにくい。ショーウィンドーを眺め天空を見上げたりしながら、施設内をぶらつくことになる。