不思議空間の魅力とまちづくり
―東京の路地―

舘野 允彦








はじめに

 路地をたどっていくといつのまにか見知らぬところに出たり、行き止まりにぶつかり引き返そうとして方向性を見失ったりすることがある。
 路地に一歩、足を踏み入れると、タイムスリップしたかのようなときめきや、なつかしさや温かみを感じることがある。
 路地は、様々な不思議な魅力を持っているようだ。
 このような路地を東京のまちなかに探し出し、その魅力ある空間構成と、路地をとりまく、まちづくりの動きを追ってみたい。
 路地や、建物等によって醸し出される佇まい、歩く人の目線で連続して展開される景観(シークエンス)等の魅力が紹介できればと思う。
 都市の更新過程のなかで繰り広げられている、路地をこわす動き、まもる動き、つくる動き等のまちづくりの動きも伝えたいと思う。
 路地には、独特の魅力と同時に防災をはじめとする問題点もあり、また背景には、土地の収益性を高めようとする経済的ニーズもある。
 路地の魅力とまちづくりの動きを追う中から、路地の将来への手がかりを掴めるかも知れない。
 以上のような主旨のもとに、東京都内の路地めぐりを回毎に順をおって辿っていくこととしたい。



  対象とする路地(予定)

   全6回(隔月/1年間)
    第1回 石畳の路地―神楽坂
    第2回 通り抜けの路地―麻布
    第3回 スリットの路地―北品川
    第4回 ファッションの路地―原宿
    第5回 にぎわい横丁の路地―アメ屋横丁/新宿・思い出横丁等
    第6回 新しい路地的空間の試み―イクスピアリ/ヴィーナスフォート等



  著者略歴

    舘野 允彦(たてのみつひこ)
 1944年生まれ。1967年中央大学理工学部土木工学科卒業。1967年〜77年日本技術開発株式会社総合計画部。1977年〜95年国土建設学院建設学部助教授を経て教授。1980年〜1987年株式会社トーク研究所代表取締役。1995年〜1997年三洋テクノマリン株式会社コンサルタント部部長代理。1997年〜都市プランナー。



2001年5月

第1回 石畳の路地―神楽坂
2001年7月

第2回 通り抜けの路地―麻布
2001年9月

第3回 スリットの路地―北品川
2001年11月

第4回 ファッションの路地―原宿    
2002年1月

第5回 にぎわい横丁の路地
―アメ屋横丁、新宿・思い出横丁等
   
2002年3月

第6回 新しい路地的空間の試み
―イクスピアリ、ヴィーナスフォート等
   



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