第5号2000年10月15日 |
住民が主体となってタウンモビリティを導入した地区もある。 広島市の中心部から西に10kmほどの楽々園地区(広島市佐伯区)は、 約30年前に分譲された住宅地であり、 高齢化が進んでいる。 このため、 高齢者が安心してまちに出かけることができるよう、 住民が中心となり、 町内会や商店街の協力を得ながら、 1999年10月からタウンモビリティが本格的に導入されている。 1回の利用時間は2時間程度、 希望者にはボランティアが付き添う。 運営は市民グループが担っており、 1日平均5人程度が買い物や通院などに利用している。 (以上原文のまま)
写真も入れるとページのほぼ半分というスペース、 囲みつきですからぐんと目立ちます。 なお場所は駅前商店街を通ってきて真正面、 右が駐車場で後ろにショッピングセンターを控えた絶好のロケーションです。 ショッピングセンターの新館増設・リニューアルに際し、 地元への社会貢献としてタウンモビリティの開設が受け入れられたといういきさつがあります。 約10坪の事務所と車庫は、 無料提供されています。
住民パワーで関係者に撤去を申し入れしたのではありません。 報告書を知った区が「28部欲しい」と言って来たのが4月のある日、 課長会議の資料とのことでした。
5月の連休前に住民代表が参加して現地調査調査。 廣島地方を襲った豪雨による被害のため実現が危ぶまれましたが、 電柱3本は約束通り移設されました。
加えて、 歩道から車道へのカーブカットも、 9ヵ所で段差がほとんど感じられないぐらいまで改善されたのです。 電動スクーターもベビーカー、 歩行者もみんな楽々安心というハッピーエンド。
電動スクーターを利用する人が増えたという現実と、 住民の地道な努力がこんな大きな成果になりました。 大型クレーン車を使っての移設は大工事で、 中国電力やNTTの協力があったのはいうまでもありません。
えっ、 「なんぼかかった」ですか? それは熊谷さんへどうぞ。
Tel. 082--943-8246 熊谷憲二(らくらくえんオフィス協議会会長)
1。 タウンモビリティ、 厚生白書に紹介される!
平成12年度の厚生白書第3章「高齢者社会・地域」(116ページ)は囲みつきのコラムに写真入で次の通り紹介しています。タウンモビリティ〜広島県広島市
「タウンモビリティ」とは、 高齢者や障害者が外出しやすいように、 自治体や民間ボランティアが街の中心部のショッピングセンターや駐車場などの拠点で、 電動スクーターを貸し出すなど、 地区内の移動用に気軽な「足」を提供する取組みをいう。 イギリスで、 「ショップモビリティ」として行われている取組みをモデルとして、 我が国では、 買い物だけでなく街を楽しむという趣旨で、 タウンモビリティと呼ばれている。 我が国でも既にいくつかの地区でタウンモビリティが実現している。
2。 電柱3本移設を実現した住民の努力とタウンモビリティ
この楽々園地区では、 子供も含めて街の「ひやりマップ」づくりを進めていました。 5回にわたる「まちづくり探偵団」の成果が4枚のマップ。 これをワークショップで検討を重ねて報告書を纏めました。 数ある「ひやり」の中で最大の問題は歩道の真中にそびえたつ電信柱。
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