「福祉」というと古めかしく聞こえる向きがあるかもしれませんが、 コンセプトは『人と緑にやさしい街づくり』。 「3年かかったけれど商店街の合意形成が出来た」と語るのは加藤 博さん(青森市新町商店街振興組合常務理事)。 例えば、 と加藤さんは続けます。 「イベントの企画には必ず高齢者や障害を持っている人々への配慮が組み込まれるようになった。 また、 アンケートへの協力も極めて高い」と。
タウンモビリティとの出会いは1997年。 21世紀に生き残る商店街を目指して、 加藤さんは既に車道を削って歩道を広げ植栽、 ベンチ、 照明、 水飲みなど歩行者にやさしい街づくりを実践していました。 モビリティ→高齢者→商店街という未来像が閃いたのはいうまでもありません。 そして、 青森市もまた郊外大型店問題を抱えているのですから。
超高齢時代の商店街は「歩きやすい歩道が整備され、 車に気を使わずに安心して買物が出来、 親しみやすく、 品質が良く、 価格も手ごろ、 そして頼めば気軽に配達もしてくれる(加藤さん談)」というのが先ず基本。
郊外大型店対策もさることながら、 中心部商店街が一丸となって魅力ある街づくりを進めることが不可欠。
日本初の商店街によるタウンモビリティはこうして誕生しました。 現在、 事業の骨格は関連するものも含め次のように構成されています。
1。 電動スクーター貸出(4台、 他に電動車椅子2台)
2。 空き店舗を活用し「まちまちプラザ」を開設(80m²)
3。 専従者(1人)の配置
4。 新しいサービスの提供
(1) 総合案内
(2) 休憩及び荷物の一時預かり
(3) お買い上げ品の宅配(無料)
(4) 移送サービス(自前のリフトつき小型バス利用とNPOの移送サービス
の併用)
(5) 中心商店街「福祉マップ」の作成・配布(一万部)
(6) 情報提供~掲示板、 情報館“アルベナ”の新築
5。 中心部7商店街の結束
~新町以外の商店街に宅配への参加呼び掛けなど、 中心部が一体となっ
てやさしい商店街づくりを実践する。
6。 NPOや各種団体、 市民参画による街づくりの促進
~「まちまちプラザ」でNPOにスペースを提供(来年4月から)
7。 商店街自身の人づくり
~若手有志による「あきんど隊」の結成。 その母体である
「中心商店街懇話会」活動の活発化。
8。 行政との協調による街づくりの推進
~高齢者など中心部住民を増やすための集合住宅建設
9。 ベンチャー企業育成を兼ねた「パサージュ広場」の建設・運営
~敷地は900m²。 シンボルツリーを中心に広場、 カラー歩道、 飲食・ファッションの店舗、 ギャラリー、 情報館、 車椅子用トイレを配したお洒落なスポット。 しかし、 出展者はベンチャーに限るという先進的な試み。 地元商店街振興組合や個人が出資した有限会社が運営に当りベンチャー育成も図る。 今年9月にオープンしたばかりです。
青森は今実りの秋。 りんご、 魚、 お酒、 紅葉。 どれをとっても最高でしょうが飛び切り生きが良い『まち』は如何ですか?文化の秋を、 という向きには「三内丸山遺跡」もお忘れなく。
≪問合せ先≫ 青森市新町商店街振興組合 Tel。 017‐775‐4134
2。 「タウンモビリティ」を国際シンポジウムで発表します!
場所はオーストラリアのパース市。 Positive Ageing Foundationの創立記念第1回シンポジウムにAbstractを提出していました。 先月末に採用の通知があり、 12月8日に発表することとなりました。
テーマは「MOBILITY, A Key to Positive Ageing」で、 モビリティの意義とその実現の具体策として英国のShopmobility、 日本のTownmobilityを紹介する予定です。
これまで2回、 世界高齢者団体連盟の世界会議で紹介してきたのですが何れもイギリス人に話してもらいましたので、 表面的な発表に終っていました。 世界一のプログラムの全容を広く紹介する絶好のチャンスと考えています。 それも日本の皆様の今日までのご尽力のお陰であり、 英国そして日本での成功を世界に知っていただけるよう全力投球して来ます。
ついてはご協力をお願い致します。 日本の実情をしっかりと把握するためタウンモビリティ(ショップモビリティ)の把握したいのです。 用紙あるいは項目を次回にお送りしますので、 よろしくお願い致します。