TEKU・TEKU 編

A5判・256頁・定価 本体2500円+税
ISBN978-4-7615-2449-4
2008.11.30 初版発行

■■内容紹介■■
ラビリンスの街、歴史的な町並み、界隈性のある街、計画された街など東京近郊の16の街を、まち歩きの達人が独自の視点でおすすめルートに沿って見どころを紹介する。さらに、街を魅力的にするものは何か、どうすれば魅力的な街になるかを考察する。まち歩きを楽しみ、まちづくりを考えるための、一歩踏み込んだガイド本。


 
読者レビュー
 読む前には、表題の「まち歩きガイド東京+」から、雑誌などによくあるまち歩きガイドかと思ってしまうが、曲者は表題についている「+」にある。
 よくある、まち歩きガイドがきわめて表層的にまちを見ているのに対して、本書は「まち歩きから始めるまちづくり」なのである。まちを多角的に観察し、現代のまちづくりとも切り結び、まちの魅力を見つけだすこと、まちの全体像をつかむコツ、さらにはまちの魅力の事例集をつくることにつなげる方法が、本書を読むうちに自然に身につくように構成されている。
 また本書の取り上げている地区は、一般雑誌などのまち歩きガイドでも取り上げている地区が多いが、その観察の深さ、多様さ、さらに歩きまわる範囲の広さにおいて全く別物になっていることがわかる。本書を読むと、本書が取り上げている地区の選択がきわめて入念に考えられていることにも気がつく。「ラビリンスの街」、「歴史的な街並み」、「界隈性のある街」、「計画された街」に類型化して選択されているのである。とくに、このような本が「計画的された街」をまち歩きの地区として積極的に取り上げていることに興味を引かれた。
 本書の特徴の一番大きなところは「まち歩き」と「まちづくり」を一体化させていることである。特に、本書の地区ごとにColumnが設けられ、その中にそれぞれの地区でまちづくりにかかわり、それぞれの地区が持っている特性をながく維持する活動を展開している人々、組織が紹介されていることが興味深い。
 本書の執筆者はまちづくりに長くかかわってきた、しかも現在もまちづくりに様々な立場でかかわっている方々であり、第U部で展開している「街の魅力とは」は極めて説得力のあるものになっている。
 本書が専門家、学生に読まれることはもとより、まちづくりに興味を持つ一般の方々に読まれて、これからのまちづくりを担う人々が一人でも多くなることを期待したい。
(武蔵工業大学都市生活学部教授、横浜国立大学大学院特任教授/小林重敬)

担当編集者より

 まち歩きって面白い。特に地元の人や専門家に案内してもらうと、普通の観光の数倍面白い。阪神大震災前後の頃から、まちづくり関係の団体のイベントや旅行で体験し、すっかり好きになってしまった。
 どの街もそれぞれに面白いが、なんといっても東京や京都は別格だ。地元なら地図も持たずに当てもなく回るのも良いのだが、やはり大東京となるとガイドブックが欲しい。誰か書いてくれないものかと思っていたときに、TEKU-TEKUに出会った。
 地元の人や専門家に案内してもらうまち歩きを、一人でも楽しめる。そんな本を目指してつくりました。楽しんでください。
(Ma)