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今日のこのページのメインは冷製パスタ。この店のパスタは、いままでの何回かの経験からするとちょっとソースの味付けが強調される傾向があるかなという気がしていたけど、今回の冷製パスタは、とにかく素材としてのトマトの美味しさがじつにいい感じで引き出されている魅力的な一品でした。冷え具合といい、すこし堅めのゆで具合といい、トマトムース(というかどうかは不明)の爽やかさに見事にマッチしていました。正式名称は「宇治の中井さんからいただいた美味しいトマトを使った冷製パスタ」です。宇治の中井さんに感謝。
ところで、三回目にしてはじめて、われわれは違うものを食べたわけです。だから、この冷製パスタの味はN丸、N吉にはわからない。残念でした。メイン料理の丹波地鶏を食べたのも私だけ。これはカラッとした感じのローストでソースが美味しかった。最後にふたりがデザートの盛合せを食べているときには、チーズの盛合せをつまんでいました。甘いものが苦手ということもあるけど、いつもは車で来ているので呑めなかったワインが呑めるというのでチーズを選択。ただ、チーズは4種類盛りつけてあるのだけど、ちょっと単調だったような気がしました。
いずれにしても、品良く美味しいイタリアンを食べようと思ったら、お勧め。コストパフォーマンスも悪くない。ただ、この店に限ったことではないけど、味や香りにこだわるなら、どうして店内禁煙にしないのかがいつも疑問。入り口からはいるとき、ドア近くの客がたばこを吸っていると、それだけで気分が半減してしまう。今回もそうでした。
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基本的に、メニューはアラカルト好みの我々である。が、まあたまには、と今回は一番安い3500円のコースを選んでみる。パスタ・メインとも5、6品の中から選べるという、うれしいプリフィクス。
不肖N吉、実は前菜盛合わせとゆうのものに非常に関心を持っておる。作りおきモノと当日入荷モノとの配分・味付け・盛付け。前菜盛合せでお店の姿勢ってのがわかるんでは、なかろか。ここんちはいつも前菜にそつがなく、この日も、お野菜・お肉・お魚が、それぞれよろしき具合にハーモニーを奏でておった。特に、トマト・万願寺唐辛子などしっかり「野菜の味」したお野菜がウマ。
続いて選んだパスタはシーフードのトマトソース。魚介類の新鮮さを楽しむつもりなら、トマトソースを選ばんでも、とゆ気はしなくもないが、まあるいトマトの味に魚介から出る塩味が、よきアクセントとなっておる。
メインは子羊のロースト。んー、ちと脂っこかったか。パスタをも少し軽めにしなかった自らの選択を後悔。
デザートはプリンにケーキにジェラードの盛合せと、見た目もウルワシく、デザート別腹女子も大満足であろう。すっかりいい気分である。
この日はあいにくの雨だったが、晴れた日なら、早めの食事の後、町家の残る界隈散歩も楽しいかも。 |
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京都でイタリアンといえば、笹島シェフのイル・ギオットーネ(かつてシェフとして腕をふるっていた東山のイル・パッパラルドが有名でしたね)にとどめをさすということなのだろうけど、今回は、あえて新興勢力の一つに行ってきた。数年前のオープン当時、この店の特徴は、タリアテッレより幅広な、ほんとうにきしめんのようなパスタだったのだけど、最近はそれを特に売りにはしていないうようだ。味そのものに自信を持ったということだろうか。
例えば、アンチパストの一品に万願寺唐辛子に肉を詰めて揚げたものがあったが、それだけ聞くと和食のように思えるものが、しっかりとイタリアンの味付けになっていて美味しい。私が頼んだパスタは、「つくね」のアーリオ・オーリオなのだけど、これも正真正銘のイタリアンになっている。ベーシックなイタリアンの味づかいをしっかりと心得ているからそこできる冒険である。
料理の説明やワインの相談に応じてくれるシェフのサービスも、度が過ぎず心地よい。しかも、これだけのレベルのものがこの値段で食べられることもうれしい。ただ、以前のきしめん風パスタのような大きな特徴が少なくなったメニューだと、どれだけ来客数を維持できるか……。あ、そんな心配を私がしても意味ありませんね。
ところで、この店が立地する押小路通やその北の二条通は、最近、次々に気になる店がオープンしている。祇園や先斗町などと違って、静かに気取らずおいしいものを食べられるという雰囲気が作られつつあるように思う。この店は、そんな雰囲気作りに大いに貢献している店でもあるのだ。
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