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食べ物について何か書こうとして困るのは、同じようなものを続けて食べたとき。店の雰囲気やそのときの会話などを思い出しつつ、味までよみがえらせないといけないからです。今回は、立て続けに良質のアジアンを食べたので(しかも、相手の一人は同じだし)、なかなか味にまでイメージがたどり着かない。ましてや、スパイシー@@バーガーなどを食べながら原稿を書いていると、いろいろなものが邪魔をします。
そういった邪念をかき分けながらたどり着いたキーワードが、月並みですが洗練アジアンです。一昔前のアジア料理にあったような挑発的な刺激は影を潜めています。といって、牙を抜かれた獣の体ではなく、かなり上品に刺激的です。もちろん今回もメニューのチョイスには多大なる配慮をいただいたとはいえ、どれも食べやすいものでした。むしろ、もうすこし刺激が欲しいくらい。
今回食べたなかでのお勧めは、つまみとしてのタイ風さつま揚げと空きっ腹に嬉しい唐揚げと意外にさっぱりしたカレースープ麺、そして餃子です。このラインナップを見てもわかるように、各地の風味が混在しているのですが、全体としては、岡倉天心ではないけど「アジアは一つ」という感じにまとめられています。
タイ風さつま揚げは柔らかくも香ばしい味付けで、唐揚げもまたしかり。全体には香草を巧みに使った味わいで、つぎはどんな味が来るだろうと期待をもたせてくれますし、その期待を裏切らない味です。カレースープ麺はココナツ風味だったので、かなりマイルドでした。甘辛さが魅力です。こういうなかで食べると餃子なんかは比較的おとなしい味なので、どちらかというと、つなぎに食べるのがいいかと思います。
いずれにしても、空間からして洗練されたアジアンです。ここでは、汗を拭き拭き食べるのではない、もうひとつの新しいアジア料理が食べられます。もちろんチンタオビールやシンハーという定番ビールも味わうことができます。次回行くときには、もうすこし辛そうなメニューを選んでみようと思っています。 |
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うだる京都の夏には、アジア飯に軽いビールが飲みたくなる……。でも季節はもう秋、とゆうか冬間近です。祇園祭も遙か彼方(でも来年にむけての練習お囃子は聞こえたりする)、四条以南はちょこちょこ注目店ができているとはいえ、町中と言えるほどの集積はまだありませぬ。
そんな界隈で、蔵を改造したひっそり店へ行ってみました。
「アジア飯」と大きなくくりをしたのは、中韓、タイ風、インドネシア風とさまざまなお国の一品がメニューに詰まっているから。もちろん、一瞬「器用貧乏?」とゆ言葉が頭をよぎりました。若者向の安居酒屋で、こゆラインナップって見るですやんか。
チンタオやシンハーといったビールを傾けつつ、お料理を待つ。出てくるスピードはアジア時間で、その分、お話がはずむはずむ。
餃子は皮はしっかりしてて中身ジューシーです。さつまあげは香草がやさしく香るあっさり味。空心菜はオイスターソースがよく絡んでて存在感ありでごわす。そう、アジア飯って食材が豊富なんだ。肉だから魚だから主菜、ってでっかい顔をせん。お野菜ベースでちょっと肉や魚を入れた料理がうまい。お腹の満足加減より、舌の満足を優先させるラインナップなのだと思うのです。
やっぱり食べたくなる、ご飯料理に麺類。炒飯はナンプラーがきちっと効いてて、たくさん食べてぼけ気味な舌をぴりっと締めてくれました。ご飯もぱらっとええ感じです。麺も何種類も、迷うほどで困ってしまいます。
はーー、満腹。
さほど広くないワンフロアなんで、ひっそりご飯やワイワイすぎる面子にはむかないと思います。お一人常連様になったなら、居心地いーお店なんじゃないかと。
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最近京都でも、タイ料理やベトナム料理の店は増えてきましたよね。この「うまぺ」でも、それぞれ1軒づつ紹介している。この二つの国の料理は、よく似た味ではあるけれど、それぞれに特徴があって、やはり微妙に違っている。日本にいながらさまざまなアジアの料理を味わう場合、この似ているけど微妙に違うところを舌で確かめる、というのが楽しみの一つなわけですよね。でもこの店は「タイ料理を中心に、ベトナム、韓国、アジアンなんでも来いでやってます!」なんだそうで。そんなの楽しくないのでは。微妙に違うものを、強引に混ぜちゃってどうするの。
と心配しながら食べたのだけど。うーむ、微妙な味の違いなど、どうでもよくなってしまった。最初は、一皿づつ、これはタイなのかベトナムなのか、はたまた・・・、などと判定しようと試みたが、正直よくわからない。もちろん、魚醤の味がナムプラーなのかニョクマムなのか、などということはわれわれ素人にはわかるはずがない。しかし、食材と香辛料の組み合わせで言えば、ある程度わかるはず。と思ったが、おそらく作っている方も、この皿はどこの料理で、ということを考えていないのだろう。すべての皿が、「アジア風」なのである。でも、決していろいろな味を混ぜているのではない。旬の食材それぞれに、これならレモングラスでとか、これならコチジャンでとか、これなら魚醤でとか、最も美味しく食べられそうな香辛料や味付けが加えられているのだ。だからと言って、「創作」料理ではない。どれも、タイやベトナムや韓国や(中国も入っていると思う)、これまで体験したことのある、よく知った味の延長でしかない。
さまざまな要素が組み合わされているけど、あくまで気取らず何気ない味にしあげたこの「アジア風」は、とても美味しいと思った。何より、気楽に楽しく食べられるのがよい。この国の料理の味の神髄はどこにあるのか?、などという詮索をしながら食べる必要がない。この店が、創作アジア料理と銘打ってないのは正しい。この店が提供しているのは、日本で食べるアジア料理の新しいスタイルなのだ。その意味で、「アジア食堂」という言い方は、実に相応しい。 |
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