| タウンシャトルわらしべ長者便〜物々交換で新たな交流 |
平成14年12月14日、午後5時。「わらしべ長者便」と荷台に書いた3台のトラックで、宮原町役場に戻った。「お帰りなさい」「お疲れ様」と、若手農業者らが拍手で迎えてくれた。
宮原町から長野県小布施町の間をトラックで往復、途中各地に立ち寄って特産品を物々交換する「タウンシャトル・わらしべ長者便」。人と人の触れ合いを大切にした独自流通ルートと、新たな交流ネットワークづくりが狙いである。
第1回目は、宮原町、熊本市、大分県湯布院町、愛媛県三瓶町と津島町、三重県朝日町、小布施の5県七つのまちづくりグループが参加した。11日に宮原町を出発し、2人で往復2500キロを交代で運転。途中、高速やフェリーを乗り継ぎ、各地のグループの事務所などに立ち寄り、交換する荷物を積み降ろす。参加団体は、地元の特産品を専用HPに掲載し、他の団体の出品リストを見て電子メールで注文をする。物々交換が原則だが、現金清算もできる。トラック代と交通費は1団体1万円の参加費、20キロコンテナ一つあたり800円の運賃で賄う。また、事前の注文以外の物産もトラックに載せ、物々交換の本来の楽しさも味わえるというものだ。宮原からはイチゴやミカン、トマトなど約20品目、計35万円分を出品。全体では230万円の商いが成立し、必要経費は27万円であった。
到着した翌日は、農業者と我々MFCで、わらしべ長者市を開催。MFCとは、まちづくりにおいてミッドフィルダー的な役割を! との思いで設立し、高校生やインターンの大学生らも多数参加している組織である。長者市には、交流5年目の小布施町の関谷氏や奈良女子大の井上氏ら町外からも10名が駆けつけ、正に地元においても「人とモノ」の交流が実現したのであった。
その後、神奈川県小田原市、愛知県渥美町等も加え、平成15年4月に第2回目を実施したが、本年12月には新たな参加団体を募り第3回目を実施予定である。このような民間レベルの交流を通じて、税金を必要としない、全国の地域・団体とのネットワーク形成が可能となる。
一方で、本町では、平成13年より大学生を対象としたインターン事業を実施しており、来春、奈良女子大ほか30名程度で「宮原好きネット」の設立を検討している。このネットでは、大学生のインターン受入れとともに、町内の子供達との交流・人材育成も視野に入れている。 そして、この「わらしべ長者便ネット」と「宮原好きネット」を結び、より広く、そして密度の高いネットワークを構築すると共に、平成15年1月に設立したTMO(宮原まちづくり(株))がこれらの民間事業と連携することで、さらなる流通ルート開発や新たな産業の創出が可能となるであろう。私自身、「交流」とは、まさに無限の可能性を持った「武器」になりうると確信しているところである。
(岩本剛/熊本県宮原町まちづくり情報銀行) |