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意見交換
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それでは、 会場に参加されている方の立場や思いなどを共有するために、 旗揚げゲームをしたいと思う。
昔はほとんどの商店街が活発に視察などをしていたが、 積極的な視察をしているのは、 河原町商店街ならではだろう。
町家倶楽部について聞きたい。 積極的に情報発信はされているのだろうか。 独特の発信方法であると思うが。 機関誌などは作らずに、 HPやマスコミの取材などで有名になっているのだろうか。
フロア:
HPでの情報発信はしている。 見ている限りにおいては、 マスコミを上手に使って発信していると思う。 今日は藤森寮のオープンの日だが、 新聞の取材に来ていた。
宗田:
佐野さんの言動を見ていると、 上手く活用しているな、 と感じている。
以上の旗揚げゲームで、 まちづくりに関わってきている人の傾向が分かったと思う。 「口コミ」「足で情報を得る」ことを重視していることがよく分かった。
しかし実際は、 情報が届かない、 という現実がある。 学区のまちづくり活動についても、 実は活動を知らない人が多い。 活発になってメンバーが100人になったとしても、 学区民は何千人以上もいるので、 伝達には限界がある。 つまり、 送る側と受ける側のミスマッチがある。 上手く媒体に乗っていたとしても、 全ての人に「気付き」を与えたり、 感銘を伝えることは難しい。 この辺りはなぜなのだろうかというジレンマがあるが、 何か原因があるのだろうか。
大森:
財団法人京都市景観・まちづくりセンターを離れた今になって分かるが、 発信側(まちセン)にいた時は「みんな知ってくれているだろう」と感じていた。 しかし離れた今になって、 伝わっていないことがよく分かる。 つまり、 伝わっていないところが見えないという現実がある。 ただ、 そこを見ることが難しいのもよく分かる。
宗田:
それが、 ズバリ本質だろう。 伝わっていないところが見えていない。
滑田:
私は観光に関する発信になるが、 旅行業者や観光協会などへは情報を流すが、 他にどこへ流せばいいのかがよく分からない。
宗田:
どのような媒体がいいか、 というのがよく分からないということだろうか。
藤野:
私たちは、 イベントなどでの告知をするのに一番有効な媒体は、 新聞の折り込みチラシ。 そして情報を受ける人にとってメリットがあると、 沢山のアプローチがある。
宗田:
商店街は、 情報の双方向性が出来やすいのだろう。 また、 活発に動いている河原町商店街だから、 という要因もあろう。
西嶋:
私たちの情報の発信については「学区内への発信」「それ以外への発信」という大きく2つがある。 現在のところ地域内への発信はニュースの発行、 ホームページへの掲載などを行っているが、 なかなか反応は返ってこない。 しかしまだ立ち上がって4年程度なので、 これからもこのようなことをきちんと積み重ねていくプロセスは大事であると考えている。 そして「きちんと伝わっているか」ということはあまり意識していない。 お商売は結果が大事だが、 私たちは「今、 どんな取組が大事か」ということを模索している段階なので、 まず自分たちが頑張っていくことが大事だと思うし、 結果を求めるような気持ちは今のところあまり無い。 私たち自身が楽しんでやっていこうと思っている。
京都ブランドの発信や新しい和装業界の取組の発信は、 重要な発信であると思うが。
西嶋:
それはそう思う。 業界団体や京都市とどう連携していくかということは大事。 地域の特徴を業界団体も認めつつあると思う。 今回NHKの番組にでたのは、 業界団体の指導によって、 私たちが教育を受けた、 という面もある。
宗田:
西嶋さんはまちづくりのリーダーとして、 そしてこれまでずっと取り組んでこられた和装業界の担い手として、 という2つのポジションを持っている。 先日のNHKの放送では、 従来型でない、 新しいタイプの発信をされるかと期待したが。
西嶋:
業界団体の意識をまず変える必要がある。 そのためには、 自分勝手な放送をするのではなく、 1つ1つをきちんと重ねていく必要がある。
「歩いて暮らせるまちづくり」は、 私たちだけでなく市の職員の人等も手弁当でやっているイベント。 しかし、 業界団体にはこれとは比べものにならないくらいの補助金が入っている。 これは見直さなければいけないと思うし、 このような状態が、 やる気のある人の気持ちを萎えさせている、 という事実もある。 そのためには業界も「当たり前」ではなく、 一生懸命やっているから、 補助金がでるんだ、 というような感覚に変える必要があると思う。
宗田:
既存の補助金の問題は、 確かにある。 既存の団体はかつて重要な役割を果たしてきたのは事実。 しかし最近はそれはがらりと変わって、 学区単位のまちづくりとしての取組が重要な役割を担うようになってきている。 消費者を裏切ること、 そして心に届かないことをやってきてしまったことがある。 しかし学区のまちづくりは、 きちんと学区住民の心を捉えたことをやろうとしている。 この点は大きいと思う。
私たちのまちづくりは、 地域の人がこっちを向いてくれないと始まらない。 そのためには町内にある「点」にスポットを当てて、 イベントなどを組む。 そうするとその町内の人はこっちを見てくれる。 あちこちにそのような「点」を作れば、 より多くの人がこっちを向いてくれる。 例えば商店街の花屋さんの協賛で講習会をしたら、 町内の人は沢山参加してくれた。 地道にやっていくことが大事なことだと思うし、 今私たちが出来る小さな積み重ねであると思う。
それを新聞などで掲載してくれると、 一気に反応が大きいものになる。 例えば「堀川の川底歩き」は、 地域から10人程度参加すればいいかなと思っていたが、 新聞に掲載されると100人を越える人が参加して大変だった!そしてこれをきっかけにして、 NHKの「京都上がる下がる」にも取り上げられ、 この番組を見た人からは今でも反応がある。
しかし、 こっちを向いてくれる人は、 あくまでも関心がある人だけ。 色々情報を発信していくことで少しでも頭に残り、 何かのきっかけでこちらを向いてくれるようになることを期待している。
宗田:
大森さんの話で「届いていない人が見えない」という現実があったが、 坂本さんも「見てくれる人しか見えない」という話があった。 この背景にあるものは、 まちづくりを表に立ってやっている人同志が交流して研鑽していくというのは分かるが、 情報については膨大な数の受け手の予備軍、 つまりまちづくりに担い手の予備軍がいる、 ということ。 何かきっかけがあれば繋がってくれる。 しかしそれを引き出すような雑誌はない。 本能学区では「まちづくりのしおり」を配られているが、 最初の一歩を踏み出すような何かが必要なのだろう。
私はまちづくりの色々なところをまわって感じるのは、 西嶋さんにしろ坂本さんにしろ、 昔から地域でこのような活動をされていたわけではない。 このような能力は潜在的に持たれていたのだろうが、 何らかのきっかけがあって、 このような活動を展開されるようになった。 もしかすると西嶋さんのような方が、 色んな地域に存在していると思う。 その方達の「掘り起こし」については、 大森さんがいた財団法人京都市景観・まちづくりセンターなどの役割なのであろうが、 非常に重要なことだと思う。
まちづくりに関わるきっかけは、 メディアよりも何か危機的な状況(マンションの建設など)やトラブルなど個人的な面によるきっかけも大きいと思うが、 前段階としてまちづくりに関する何らかの情報を持っているかどうかというのは大きいと思う。 そのような前段階の情報にもなるような雑誌にしたいと思う。
「造景」や各種専門誌もそういうことはありうると思う。 専門家ではなく、 まちづくりに取り組んでいる人が読んでくれていることもある。 私が飛び込みで取材にいって「読んでますよ」というように言われることも、 たまにあった。 専門誌としてやっていく場合は、 様々な立場の人が読むための共通のプラットフォームがない。 今回の雑誌では、 現場の人たちが語る言葉で共闘の言語を構築していくようなことをしたいと思っている。 それを重ねる中で「まちづくりに参加してみたいな」という人が出て来れば、 このような仕事をしている私にとっては最大の喜びとなる。 現場で取材をしている中で、 そうなってはじめて現場へ思いが伝わったな、 というように感じる瞬間でもある。
宗田:
どこのまちづくり団体にも、 人手と金がない。 補助金がつくと嬉しいが、 それ以上に嬉しいことは「仲間が増えた」「喜んで手伝ってくれる人が出来た」ということ。 これが一番の励みになる。 まちづくりをしていく中で仲間を増やしていくことが大事だが、 その人のつながりを創るための、 心に響く情報を提供する雑誌を作ることは、 困難であると思う。 まちづくりでは、 「専門家」と「何かをはじめたいな」と思っている人の間には、 とても大きな溝があるように思うし、 それを埋めるものが求められている。 財団法人京都市景観・まちづくりセンターや行政などは様々な情報を発信しているが、 正直良い媒体にはなっていない。 そして学区ごとに作っているニュースもなかなか伝わりにくい。 そこをカバーするには、 どうしていったらいいかを考えなければいけない状況になってきている。
私は「造景」を今まで読んだことがなかった。 しかしメンバーの専門家の方が仕事上で持っていたので、 この度読ませてもらったが、 あまり関心を持てなかった。 その後で「季刊まちづくり」をいただいて読ませてもらったが、 「これは読める」と思った。 この中から、 実際にいろいろ教わることもあった。 事例については研究事例としてではなく、 あくまでも「まちづくりの事例」として掲載していただけると、 「読みたい」と思う。
宗田:
事例については、 綺麗なものにこだわるのではなく、 例えばNHKの番組でもあるように「放置自転車問題について」「防犯について」など、 身近で多くの人の関心を集められるものが良いのだろう。
西嶋:
「造景」は以前、 取材を受けたので知っていたが、 取材を受けるまでは知らなかった。 専門家の人からは「造景から取材を受けたん?凄いやん」といわれたが、 私個人的にはそうは思わなかったし、 実はそれ以後も読んではいない。
私自身「他の地区を参考にする」という考えはない。 あくまでも自分たちの地域のことを考えているのであり、 直面している課題を知り、 メンバーで色々考えて、 それぞれがプロデューサーやコピーライターになったりして考えてきたのであり、 レールを引くのは自分たちでやっていくんだ、 というのがある。 そして自分たちで一生懸命考えてやるからこそ、 受けるのであると思う。 そして全て手作りでやっている姿を見てくれて、 メンバーも付いてきてくれるのだろ思う。
来年度は、 賃貸住宅に住んでいる学生さんを対象に行動をしたい。 京都にせっかく4年間住んでいるのに、 現在のままでは京都の地域との接点がない。 「ここに住んで良かったな」と思ってくれるような取組をしたいと思っているので、 どうぞヒントをいただきたいと思う。
宗田:
地方分権、 地域の自立が求められている中、 他の事例をそのままもってくるのではなく、 地域の中で探していく方法は全く正しいことだと思う。 西嶋さんの境地に達した方は、 他の情報は必要ないと思う。 しかし「まちづくり予備軍」のかたには、 届けるべき情報があると思う。
坂本:
私の家はマンションをやっているが、 まちづくりに関するチラシを置いていてもなかなか見てくれない。 「アルバイトをしませんか」というものであれば、 アプローチもしてくれると思うが。
宗田:
現場から新しい発想が生まれてくる。 京都には約13万人の学生がおり、 人口の約1割を占めている。 このため、 学生さんのまちづくりへの参加は重要な課題である。 昔は学生用のワンルームマンションが建つといえばすぐに反対運動が展開されてきたが、 それから20年近く経った今、 全く状況が変わってきた。
藤野:
私は「造景」を読んでいた。 商店街という組織ありきで進めてきたので、 何か教科書になるようなものを探していた。 それが「造景」であった。 商店街は補助金等で行政とのつきあいが深いが、 補助金ありきでまちづくりを考えるのでは本末転倒であると思う。 そのような意識から、 先に全国の様々な事例を把握して、 勉強して、 それを元に企画を立ててラジカルな裏付けを取っていった。 それを基に行政と話をして行動に移すことが出来た。 私自身は、 「季刊まちづくり」にもこのような素材として使える部分は残して欲しいと思う。 そのような情報に加え、 事例がそのまま載っているようなものも読んでみたい。 このような2本柱を大事にしてくれれば、 本屋さんとして一生懸命販売したいと思う。
宗田:
藤野さんの商店街の理事長は、 おそらく読まないだろう。 そして西嶋さんも読まない。 それはリーダーだから。 坂本さんや藤野さんはリーダーでもあるが参謀でもある。 参謀はこのような雑誌を読むべきなのだろう。 作戦を立てる時に必要な情報を発信していくことは必要。
滑田:
是非雑誌にお願いしたいことがある。 昨年、 私の会社の企画である「舞妓さんと祇園を歩く」という企画が、 テレビで生放送されたが、 リーズナブルな金額設定であったので、 ものすごい反響があった。 やはり身近な企画が大事であるんだな、 ということを実感した。 京都は平安京の時代からまちづくりが展開されているが、 先人のノウハウに学ぶような事例を是非紹介して欲しいなと思う。 素人的な発想で恐縮だが。
宗田:
観光客がどのような企画、 価格帯を求めているのかというのは重要なこと。 「造景」では新しい法制度の解説などはあったが、 マーケットについては触れてこなかった。 「組織を作った、 補助金も使ったが客は増えているのか。 新しい消費動向にきちんと応えているか」というような紹介をしているものはなかった。
日本人はどのようなまちを美しいと思うのか。 国交省では「美しい国づくり大綱」なるものを出しているが、 今の日本人が美しいと思うものの議論無しにされている点も疑問である。
大森:
私はサポーターということで、 「造景」も読んで教科書的に活用してきた。 ビジュアルに訴えている点は素晴らしいと思うが、 見た目で「これがまちづくりだ」と思わせているところがあって、 「まちづくりとは何か」ということを共有しないまま展開されていたように感じる。
私は建築の出身ではなく、 社会学の出身であるため、 ハードが優先されているように感じる。 ソフトのものを重視して、 そこに人々が感動するのだと思う。 後は切り口を色々設けて、 まちづくりには色々なアプローチがあるのだよ、 ということをもっと出していければ、 と思う。
宗田:
今回は建築系の出版社を母体に再出発をしているので「脱建築」というのは難しい面もあると思うが、 社会学、 政治学系でまちづくり雑誌が出ているかというと出ていない。 それはノウハウがないからであろう。 様々な分野とのコラボレーションは、 今後の大きな課題であると思う。
フロア:
もっと読む人の立場に立って欲しい。 今回のシンポジウムも道案内が分からなくて不親切。 「本当に来て欲しいのか」とすら感じた。 このような心配りは大事なことと思う。 本も「このようにすべきだ」という論調になりがちである。 そこは押し付けるのではなく、 読む人の想像に任せたらいい。
今日は皆さんに沢山の意見をいただいたこと、 お礼申し上げたい。 色々と参考にさせていただきたい。 今日は非常に良い機会であった。
私はまちづくりは「勝ち戦」であると思う。 何をしないでも住民の方に公共的な取組が戻ってくるのである。 近代化の過程で自分たちの手から放れた公共的な取組が、 自分たちの手元に戻ってくる時代は今後も益々進むだろうし、 それはまちづくりをしている立場からいうと「勝ち戦」になると思う。
早いか遅いかの差はあると思うが、 各地域ごとにどのようなまちづくりを展開していくかが、 今後は問われてくると思う。 出版の人間がすべきことは、 こういった様々な地域の試みを出来るだけ現場に近い形で発掘して、 紙面に載せていくこと。 そしてそれぞれの地域では、 自主的に企画をしていくことをしなければいけない。 今までは行政が何かと口を挟んできたが、 もはや行政にその力はないと思うし、 様々な価値観は行政には見えなくなってきている。 自分たちで企画をしていく際には、 他地域の事例は役に立つと思うし、 同時に自前の仕組みを作っていくことにもなると思う。 その辺りが紙媒体の仕事として、 皆さんと一緒にやっていきたいところである。
宗田:
まちづくりは「知識」「技術」「態度」が大事。 知識と技術は紙で伝えることが出来るが、 八甫谷さんが伝えたいのはその奥にある態度であると思う。 それが上手く行かないと「価値観の押し付け」になってしまう。
今日お越しのパネリストの皆さんは、 それぞれに魅力的な態度を持っている。 それを掘り下げて伝えるのは難しい。 態度は固有のものだが、 何とかそれを共有したいし、 私たちが暮らしやすい社会にしていきたいことも確かにある。 テレビでは何となく態度も分かるが、 紙媒体はわかりにくいが、 文章と写真を使って何とか伝えていかなければいけない。
このようなことを大切にしていかなければいけないことは、 今日お越しの皆さんに賛同いただけると思うし、 共有していただけたと思う。 まちづくりの情報を交流に変えていかなければいけないし、 その交流を通じて、 まずは身近なところから態度を伝えていくことが必要なのだろう。 それを通じて、 紙媒体でも発信していく方法が見つかっていくと思う。
長時間ご静聴ありがとうございました。
旗揚げゲーム〜まちづくりと情報
宗田:【Q1】まちづくりに取り組む立場は?
赤)まちづくりに取り組む(地域/NPO) 7
黄)まちづくりをサポートする 5
青)まちづくりを研究する 4
挙手)その他 ・・・興味があったから
【Q2】まちづくり情報の収集はどのようにする?
赤)雑誌、 書籍、 HPなどのメディアで収集 16
宗田:
黄)口コミで収集 15
青)足で探す 11
挙手)その他 ・・・常に町を歩いている、 視察
【Q2-2】どんなメディア?
赤)雑誌や書籍など文字情報で 15
黄)テレビなど映像情報で 5
青)ホームページ、 メールなどパソコン上で 12
挙手)その他 ・・・人との交流、 ラジオ
【Q3】まちづくりの発信は?
赤)積極的にしている 6
宗田:
黄)必要性を感じているが、 していない 9
青)必要ないのでしていない 2
→ボランティアとして参加しているので、 発信する立場ではない。【Q3-2】どんな方法で発信?
赤)広報誌などの文字情報で 4
黄)ホームページなどの電子媒体で 5
青)口コミなど人的ネットワークで 6
挙手)その他 1
情報発信のむつかしさ
宗田:
京都ブランドの発信
宗田:
新聞の活用
坂本:
メディアの限界
八甫谷:
造景と季刊まちづくり
坂本:
季刊まちづくりへの決意
八甫谷:
このページへのご意見は季刊まちづくり編集室へ
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