京都の老舗の数珠屋さん 中野伊助

 数珠つなぎコラム

「トルマリンの効果 その2」

 拝啓、燈火親しむの候、貴殿におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。さて早速ですが前回の続きを。 
 前々回から「トルマリン」について書かせていただいておりまして、前回でかなり詳しくその石の全貌を書かせていただいたのですが、まだ少し書き足りない部分が御座いますので、補足させていただきたく存じます。
 つまり「トルマリン」は、たとえば電磁波防止に効果的だとよく聞いておりましたが、直接電磁波を遮断するのではなく、体内の免疫力を低下させるといわれる電磁波に対して、マイナスイオン・遠赤外線の働きにより毛細血管を拡張し、血液の流れを良くすることによって体内細胞の働きを活性化させ、新陳代謝が活発になり免疫力の低下を防いでくれるのです。ですからコンピューターや携帯電話の周辺に「トルマリン」を配置しておくと身体に良いというわけです。
 それともうひとつが「活性酸素を抗酸化する働きがある」ということです。これもマイナスイオンにより体内の酸性を弱アルカリ性に変化させてこの効果があるというわけです。
 ここで活性酸素について少し詳しく書かせていただきますと、金属がさびるように、人間のからだや肌もさびることがあります。この錆の原因の一つが、活性酸素といわれるものです。活性酸素とは、体内で酸素が食物をエネルギーに変えるときに出きる廃棄物のようなもので、いつも私たちが吸い込んでいる酸素より元気があります。うまく働けばウイルスや癌細胞を攻撃してくれるなど、体にとっては強い味方でありますけれど、反応が良すぎるあまり、自分自身を傷つけてしまう性質を持っています。
 又、活性酸素は脂質が好きで、肌の皮脂や細胞膜に結びつくと、過酸化脂質という物質を作ります。実はこの過酸化脂質が錆そのもので、たとえば皮膚の表面が酸化すると、しみやしわ、たるみの原因になります。同様の現象は体内でもおきており、胃や腸などの内臓、栄養や酸素を送り込む血管に錆が起こると、癌や心臓病、糖尿病、高血圧症、脳卒中といった生活習慣病を招くといわれているのです。  このように現代病といわれている病の根本原因の一つとなっている活性酸素なのですが、それを防いでくれるとなれば非常にありがたい話ではないでしょうか。
 私の現役時代にこのような商品があったなら、ノルマなど簡単に達成できただろうと残念で成りません。今の若い方にとってはありがたい商品ではないでしょうか。
 さあ、小売店様も時代に合った「トルマリン」はいかがでしょうか。さて、この辺でまた次回へ。
 それではお体ご自愛下さいませ。
かしこ

(こちょうのおきな・珠数師)
平成12年10月掲載 宗教工芸新聞より抜粋