京エネ会 会長  平藤 哲司

 新型コロナウイルス感染対策も3年目となり、ようやく落ち着きを見せ始めたように存じます。 皆様方におかれましてはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。

 2月頃から留学生の入国制限が緩和され、多くの留学生が4月からの新年度を京都で迎えることができました。 海外渡航も認められるようになり、学生、 教員の国際会議の参加なども始まりました。 7月には、祇園祭の山鉾巡行が3年ぶりに行われ、その後第7波のピークを迎えましたが、夏を過ぎた頃には落ちついて参りました。 水際対策は徐々に緩和され、10月にはほぼ通常に戻り、ここ2年は満足にできなかった国際交流も活発になってきています。講義も対面で行われており、with コロナに向けて、しっかりと歩みを進めております。

 昨今の資材不足の影響もあり、整備が遅れていました北部構内の「先端エネルギー科学実験棟」の使用も開始しました。 また、エネルギー理工学研究所付属カーボンネガティブ・エネルギー研究センターが8月1日に設置されました。 喫緊の課題であるカーボンニュートラル達成に向けて、研究所と協力し、教育研究を進めて参る所存です。今後の発展のためには、若手研究者の活躍、女性研究者の才能の活用が不可欠です。 研究科に加わっていただける人材を求めております。 教員公募には、自薦、 他薦にかかわらず、応募をご検討いただきたく、 また、学生には当研究科への進学をお勧めいただきたく存じます。

 令和4年は京都大学創立125周年であり、記念行事、 関連イベントが行われました。 京エネ会の皆様からも、 寄付をはじめ多くのご協力をいただいたことと感謝申し上げます。 研究科にも、学生・若手研究者の支援の充実を目指して、 「エネルギー科学研究科基金」を設けております。 研究科ホームページに掲載しておりますので、 趣旨にご賛同いただければ幸いに存じます。

 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

(京エネ会会報No.18(令和5年2月発行)より)



 
 京都大学名誉教授  笠原 三紀夫

 平成15年3月24日の設立総会において、京都大学エネルギー科学研究科同窓会が正式に発足し、「京エネ会」と命名されました。同時に会長以下の役員が決まり、平成15年度からその活動を開始することとなりました。本会は会員の親睦を図り、エネルギー科学の学術、産業、文化の発展に寄与することを目的としております。

 平成8年5月にエネルギー科学研究科が発足してから既に7年が経過しており、多くの修了生が社会で活躍されております。当研究科のこれまでの教育・研究の成果をふまえ、更なる発展を目指すためにも、同窓会「京エネ会」の設立と今後の活動は大きな意味と貢献を与えてくれるものと考えます。昨年はエネルギー科学研究科のプロジェクトが文部科学省の21-COEの一つに採択され、その教育・研究活動が全国的に注目されております。更には平成16年度には、国立大学の独立行政法人への移行が計画されており、エネルギー科学研究科の将来構想の構築に向け、目下研究科全体で鋭意努力をいたしております。これらの懸案についても現・元教職員を含め同窓生皆さまの忌揮ないご意見とご協力を心からお願い申し上げる次第であります。