京エネ会 会長 平藤 哲司
ここ数年、挨拶の定番のとなっておりました新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置づけられ、かつての日常に戻りつつあるように感じます。皆様方におかれましては、お健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。
5月の連休明けから、人の集まりに関する規制も緩和されました。当初は恐る恐るでしたが、夏頃には気分的にもコロナから解放され、懇親会なども普通に開催されるようになったように思います。研究室のOB会や同期会なども復活しているのではないでしょうか。
ポストコロナにとどまらず、我が国は大きな変革期を迎えていると存じます。世界におけるプレゼンスが低下し、様々な指標で国際的順位が低下しています。大学も例外ではありません。我が国の大学の弱点として、資金力の不足があげられます。この対策として、10兆円規模の大学ファンドが創設されました。これをもとに、世界と伍する研究大学を目指す国際卓越研究大学が構想されました。残念ながら、京都大学の今年度の認定は見送られましたが、その改革の意思は高く評価されています。大学の研究力を高めるには、資金力のみならず若い力が必要です。これに関しては、博士課程学生を増やすことが課題です。これまで不十分だった博士課程学生に対する経済的支援はずいぶん充実して参りました。皆様のご子弟など、博士課程進学をお勧めいただきますようお願いいたします。研究科では、若手教員の増
大にも取り組んでいます。
女性の活躍の場が十分でないことも課題のひとつです。研究科では女性教員の増大に取り組み、本年は、准教授2名、特定助教1名を採用いたしました。うち2名は外国人であり、多様性の拡大にも努めております。理科好きの女性の割合が、小学校、中学校、高校と進むにつれて大きく減少することが指摘されています。理科好きのお子様がいらっしゃいましたら、大いにエンカレッジしてあげてください。リケジョには明るい未来がまっています。
教育面での大きな変化は、ChatGPTに代表される生成系AIの出現でした。これを使わないという選択肢はありません。いかにうまく付き合っていくか、学生、教員が協力してより適切な道を見つけて行きたいと存じます。
研究科には、学生・若手研究者の支援の充実を目指して、「エネルギー科学研究科基金」を設けております。研究科ホームページに掲載しておりますので、趣旨にご賛同いただければ幸いに存じます。
末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
(京エネ会会報No.19(令和6年2月発行)より)
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