12年3月市会

●3月定例市会代表質疑要旨●

  民主・都みらい市会議員団   中村十一議員

 中村十一君に発言を許します。中村君。

 〔中村十一議員登壇(拍手)〕

●中村十一君●私は、左京区より選出いただいております中村十一でございます。民主・都みらい京都市会議員団を代表致しまして平成12年度予算に関する質問を行います。今回で5回目の代表質問となりますが、その間、理事者の交代も多くありますので、過去に採り上げた内容を少し交えて質問したいと思います。

 初めに先般行われた市長選挙について私の感想を申し述べます。まず桝本市長、お疲れさまでした。そして圧勝にての再選誠におめでとうございます。民主・都みらい京都市会議員団を代表し心からお祝い申し上げます。

 今回の選挙は、応援した各政党がかつてなかった横の連携を強化し、連合京都をはじめとした各種団体と共に一丸となり戦ったことが大きな勝因と言えるでしょう。しかし、国会での自自公連立政権の強引な国会運営や民主党の鳩山代表の水を差した発言があったことも事実であります。そんな中、あれだけの大差で勝てたのは、桝本市長の4年間の実績が評価されたものと私は確信致しております。 私自身、選挙期間中に相手候補を厳しく批判することは、私の政治信条から外れますので、今回も相手陣営の批判を極力抑え、桝本市長の売込みに専念致しました。しかし、選挙が終わった今となって相手陣営の余りにもひどいやり方に対し黙って見過ごすことはできないと判断致しましたので、少しだけ批判させていただきます。

 4年前の市長選挙は4,092票という僅差の勝負でありました。相手陣営は、今度こそ市役所に赤旗を立てるという意気込みで1年以上前から前回と同じ候補者を立て大キャンペーンを実施して参りました。その方法は共産党のいつものパターンで、何の根拠もない、また意図的に数字を操作した桝本市長に対する誹謗中傷が選挙の告示の何箇月も前から大量のビラと人海戦術によって繰り返されました。そして公約はどうかというと、財源の裏付けのない無責任極まりない内容の羅列であり、実現の見込みのない幻想を市民に植え付けるだけの極めて異常なものであります。

 また新聞報道などによりますと、相手陣営は選挙戦の後半に共産党の不破委員長や志位書記局長が何日も京都に張り付き、陣頭指揮し、全国から1万人近い大動員を掛け、選挙違反すれすれのパンフレットの販売と称した選挙カーもどきの車を大量に走らせるなど、選挙に勝つためであれば何でもするというなりふり構わぬ戦術には私自身深い憤りを覚えております。中でも共産党系の労働組合の行動は目に余るものがあります。現職の学校の先生が前の年まで担任していた生徒の家に電話を掛けて支持を訴えたり、保育所の保母さんが勤務時間中に保護者や児童の見ている前で選挙のビラ折りを堂々としていたなど数え上げたら切りがありません。私も多くの保護者から、こんなことをしても良いのかと苦情を聞かされました。しかし、そうした中、桝本市長は良識ある市民の皆様の賢明なる御判断をいただき7万2,000票もの大差で再選されました。私の地元の左京区でも初めて勝つことができ、誠に喜ばしい限りであります。市長は、今回の選挙を戦ってこられ、どのように思われたのか率直に感想をお聞かせください。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、都市計画と財政確保について質問致します。
 昨年、建築基準法が改正され、建物を建てるときに必要な建築確認の申請が京都市の審査課以外の団体でも受けられるようになりました。これは規制緩和の面から見てもそれなりの評価ができると思います。また大阪府が違法建築をさせないために中間検査及び完了検査に合格しなければ住宅ローンの融資をしないよう銀行に対してお願いの文書を出しております。それを受けて京都の銀行も同じように取り組んでおります。これは違法建築の防止の面からも評価できることであります。しかし、京都というまちの特性を考えたときに、本当にこれで良いのかと考える必要があります。京都は、1200年の歴史があり日本文化の原点と言えるまちです。町家の特徴は、いわゆるうなぎの寝床と言われるように間口が狭く奥行きの広い建物となっております。これは、豊臣秀吉が間口の広さで税金の額を決める政策を採ったことが原因だと言われており、税金を少しでも逃れたいという当時の町衆の苦肉の策と言えます。そして、その町家は第2次大戦の影響を受けず無事に残ったわけであります。この古い町家は、現在の建築基準法上からいうと、そのほとんどが違法建築物になります。事実、京都市内の建物は70パーセントから80パーセントが大なり小なり建築基準法違反であると言われております。

●中村十一君●(続)そもそも建築基準法とは、戦後の昭和23年に施行された消防法の下に出来た法律で、防火、防災に重きを置いたまちづくりのために作られたものです。したがって、この建築基準法どおりに家を建てていくと、どのまちも東京のようなまちになってしまい、いわゆる金太郎あめ状態になります。戦後、消防局の消火能力は著しく向上して参りました。狭い路地であってもはしご車で上から消せるようになりました。そろそろ建築基準法の見直しが必要になったと思います。そこで京都は京都独自の条例を作るべきだと考えます。
 内容は、現行の高さ制限や建ぺい率、容積率をある一定の条件を満たせば増やしても良いという条例にします。例えば、屋根を瓦ぶきにし和室を1室以上造れば高さ、建ぺい、容積を増やしても良いというようにします。骨格は鉄骨でも木造でも何でも構いません。この狙いは伝統産業の育成と景観にもあります。屋根を瓦にすることで瓦産業や職人の育成ができます。また和室を造ろうと思えば大工、畳、木材、表具など多くの業種が必要になり、それらの育成にもつながります。もう一つの狙いは、高さ、建ぺい、容積が増えることにより、低価格でそこそこの延べ床面積の住宅購入が可能となり、安い住宅を求めて京都市外に流出した30代、40代の働き盛りの人たちをもう一度京都市内に戻すことができるということです。

 現在の京都市の人口は、高齢者が増加する一方、働き盛りの市民税を納めてくれる人たちが減ってきております。京都市で仕事をしていても、実際は亀岡、宇治、城陽、向日市、長岡京市、滋賀県などにお住まいの方が多くおられます。そういった方々に京都市に住んで、そして京都市に税金を払ってほしいと思います。そのためには住宅の価格を落とさなければなりません。高さ制限、建ぺい率、容積率の緩和によりそれが実現できると思います。また、そのことは建設業や不動産業の活性化にもつながり、結果において建物の固定資産税の増加をもたらします。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 固定資産税の話といえばもう一つ、市街化区域と市街化調整区域の見直しもお願い致します。
 現在、市内の周辺に調整区域との線引きがなされていますが、実際には調整区域内に不法建築物が数多く建っております。こういった建物は、よほど悪質でない限り行政代執行が行われることはありません。要するに中途半端なまま残されているわけです。私は、このような状態でほうっておくぐらいであれば線引きの見直しをして市街化区域に変更する方が良いと考えます。なぜかというと固定資産税が増えるからです。土地の評価額は市街化区域と調整区域とでは比較するまでもなく市街化区域の方が高く、結果として固定資産税を多くもらえることになります。所有者にとっても資産価値が上がり得をするわけですから双方にとってメリットがあると思います。線引きの見直しについては京都府の都市計画審議会を通す必要のあることは承知しております。また人口増加の見込みがないのに市街化区域を増やすのは難しいことも承知しております。しかし、いつかはやらなければならない問題だと考えます。

 整理して申しますと、まず第1に、屋根を瓦にし和室を1室以上造るという一定の条件を付けて、高さ制限、建ぺい率、容積率を緩和することが伝統産業、建設業、不動産業の活性化につながり、また結果として低価格の住宅提供をもたらし、働き盛りの方々に京都市内に住んでもらえるようになると思います。このことが最終的に人口の増加と建物部分の固定資産税の増収、そして景観の保全につながってくると考えます。第2に、調整区域内に建つ不法建築物については、容認できる範囲で市街化区域に入れてしまいます。その結果、土地部分の固定資産税の増収が見込めます。以上、この2点の提案について副市長のお考えをお聞かせください。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、環境問題と市バスについて質問致します。京都市は地球温暖化防止京都会議の開催都市として、日本国内においては屈指の環境先進都市と言われるようになって参りました。これまで廃食油の回収事業、そしてそれをリサイクルしたeオイルをごみ収集車全車に導入するなど世界に先駆けて環境問題に取り組んで参りました。私自身も地元の下鴨におきまして日本で初めて廃食油の回収事業に参画した一人として誇りを持っております。また平成12年度予算の中に、かねてより要望して参りました環境学習・エコロジーセンターの建設予算が計上されておりますが、提案者の一人として大変うれしく思っております。エコロジーセンターの中身につきましては現在検討中だと思いますが、子供たちが環境について授業の一環として勉強することは大変良いことだと思います。そこで先ほど申しましたeオイルの精製プラントのミニチュア版を置くのはどうでしょうか。子供たちが自分の家の廃食油を持っていき自分で精製する。そして出来たeオイルでゴーカートを運転して楽しむといったことができれば子供たちもきっと環境問題に興味を持つと思います。これについて副市長のお考えをお聞かせください。 さて平成12年度から交通局でも横大路営業所において、今までの軽油にこのeオイルを20パーセント混合すると聞いております。廃食油を精製するわけですから、当然生産量に限界があるとは存じますが、この環境に優しいeオイルを近い将来全車に使用してほしいと思いますがいかがでしょう。

 なぜこのことを言うかといいますと、東京都の石原知事がディーゼル車に対する規制を提案したように、今後は、全国的に今まで以上に環境重視の動きになってくると思います。全国の見本ともなるべき京都市の市バスが黒い煙をもくもく出して走っているようでは環境先進都市の名を汚すことになるからです。

 また市民に対してもCO2 の削減を訴えなければなりません。マイカー規制やパークアンドライドも考える必要が出てきました。ヨーロッパでは1人で車を運転すること自体が恥ずかしいことになっております。今後、環境を重視すればするほど公共交通機関の位置付けは重要になって参ります。当然、市バスの乗客は増えることになります。市バスの運営を考えると、環境に最も取り組む必要があるのは交通局だと思いますがいかがでしょう。プログラム21という交通局職員の減給施策をすべて否定するわけではありません。しかし、その前に市民にCO2 の削減を訴え、マイカー通勤の自粛を訴え、市民に環境問題の重要性を理解してもらうことによって環境に優しい市バスに乗ってもらう努力をすべきだと思いますがいかがでしょう。交通局管理者にeオイルの導入計画と環境問題への取組を含め今後の交通局の展望をお聞かせください。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、インターネットについて質問致します。インターネットについては、私自身、議員になりたての5年前に質問させていただきました。当時は、まだ知っている人の方が少なかった時代です。平成7年に開設された京都アイネットサービスも京都市の協力の下、月額500円という低料金に設定され、加入者数も平成8年は7,000人、9年は1万4,000人、以後増え続け今年の2月には3万6,000人と急増致しました。またパソコンの進歩も目覚ましく、5年前に30万円したパソコンより今の9万円代で売っている方が四、五倍性能がアップしております。特にウインドウズ95が出てからは誰でも簡単に扱えるようになり、一家に1台から1人に1台の時代も遠からずやってくるでしょう。ということは、国民のほとんどがインターネットを通じて情報交換する時代がやってくることになります。

 最近、我々議会においても情報公開が言われており、現在、市会運営委員会を中心に検討を進めているところであります。本会議の代表質問につきましては、今、私がここで行っているように京都テレビにて放映されております。しかし、予算や決算の特別委員会は、この市役所の1室でモニター放映されているだけで市民の皆様が自宅で見ることはできません。情報公開の時代に、これでは市民の理解を得ることができないと考えます。例えばインターネットを通じて予算や決算の特別委員会を放映するという方法もあります。具体的にいうと、京都市のホームページに委員会の放映ページを作り、動画ソフトを使って動画と音声を市民の皆様に生中継で伝えるという方法です。現に国会では衆議院、参議院ともインターネット上でリアルプレーヤーというソフトを利用してテレビ中継がないときの委員会を放映しております。そうすれば、京都市会の5月議会のようにテレビ中継のない議会でも市民の皆様に見てもらうことが可能になります。近い将来、この京都市会でも本格的に導入を検討しなければならない問題だと思います。私自身も、今後はインターネットを無視して議員活動ができないと思っております。当然のことですが、京都市も例外ではありません。市長は、このインターネットをどうお考えなのか、またどのように活用されるのかお聞かせください。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、産業振興と観光客の増加策について質問致します。
 平成12年度予算におきましても、中小企業への不況対策融資が実施されます。不況に苦しむ企業に対して融資すること自体は良いことだと思います。しかし借りたものは返さなければなりません。融資を受けた結果、逆に借金が膨らみ身動きが取れなくなった企業もあると聞いております。したがって、融資を行うことは一時しのぎにはなるけれども根本的な解決にはならないと考えます。

 御存じのように、ここ数年和装産業はますます低迷し、今まで老舗と言われた大きな企業が相次いで倒産しています。これは着物そのものが売れなくなったことが原因だと考えられます。なぜ着物が売れないのか。それは誰に聞いても分かることで、日本人が着物を着なくなったからです。日本文化の原点というべき着物が結婚式や成人式などの特別な日にしか見られなくなりました。私自身はどうかというと、恥ずかしいことですが正月しか着物は着ません。今年の元旦も例年どおり父親の墓へ参った後、地元の下鴨神社へ初詣に行きました。昔は、ほとんどの人が着物を着ていたものですが、年々目に見えて着物姿が減ってきたのが分かります。少し寂しい気持ちになるのは私だけでしょうか。ただ着物を着ましょうと言ってもなかなか着物を着てもらえません。なぜかというとメリットが少ないからです。まして値段が高い、動きにくいという欠点があるからなおさらです。結論は、どうやって着物を着ている人にメリットを与えるかということです。

 そこで提案致します。着物を着ている人には市バスと地下鉄の運賃を無料にしてはどうでしょうか。この無料サービスは、初めは京都市民の皆様に受け入れられないかもしれません。京都の人は恥ずかしがりやの面もあり、またプライドも高く、お金を払って乗った方がましと思われるかもしれません。しかし、若者や観光客は別です。若者はお金が要らないのであればそちらを選びます。観光客も京都へ来て着物を着て観光名所を回り、着物姿で記念写真を撮って帰れば一生の記念になることでしょう。観光客に着物を着てもらう方法は、初めはレンタルでもいいと思います。あるいは安い着物を販売してもいいと思います。ここでの狙いは、とにもかくにも着物を着てもらうことです。人間不思議なもので、一度着物を着てその良さが分かれば必ず本物が欲しくなるものです。京都に観光に来てレンタルの着物を借りて無料の市バスと地下鉄に乗って観光名所を回る。そして、帰りに本物の着物を買っていただく。そうすれば和装産業の振興に大きく寄与することになると思いますがいかがでしょう。京都のまちに着物姿が増えれば、そのこと自体が観光宣伝になると思います。京都へ行けば着物を着た人が一杯いるとなれば、海外からの観光客の誘致にもつながります。

 では、どういう方法で無料にするのかといいますと、敬老乗車証と同じようなやり方でするのが良いと思います。着物は一目で分かりますので券を発行する必要はありません。敬老乗車証は、保健福祉局予算から交通局に支払われております。着物無料サービスにつきましては、産業観光局の和装産業振興費に予算を付けていただき、それを交通局に支払うようにします。当初予算はそれほど要らないと思いますが、着物の乗客数が増えれば予算を増やせば良いことです。このことは交通局にとっても安定収入が確保でき、赤字で苦しむ経営陣にとっては願ってもない話だと思います。市バス、地下鉄の着物無料サービスについて副市長のお考えをお聞かください。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 もう一つ観光行政について質問致します。
 私自身、過去の代表質問で健康ランド構想と温泉構想を提案致しました。健康ランド構想とは、左京区の市原野に建設されております東北部クリーンセンターの余熱利用施設として、市民の皆様が一日ゆっくりできる露天風呂付きの大浴場施設の建設を提案したもので、その方向で検討していただいているものと信じておりますし、またこれは市民サービスの一環としての提案ですので今日のところは質問しませんが、もう一つの温泉構想の方は、観光の目玉として必要ですので市長にお聞きしたいと思います。

 先般の市長選挙で市長は観光客を5,000万人に増やすと公約されました。既存の神社仏閣だけの魅力ではとても5,000万人に達するとは思えません。新しい観光資源がいずれにせよ必要になって参ります。そこで私が以前から提案している温泉構想はどうでしょうか。最近、西京区の樫原断層系に温泉が出ました。西京区は、樫原断層、西山断層、光明寺断層、亀岡断層と活断層が集中している所でありますので、やはりとうなずけます。私は、平成9年の代表質問で温泉構想を採り上げ、平成10年にも同様の質問を致しました。今回で3回目になりますが、実際に温泉が出たからには真剣に考えていただきたいと思います。特に西京区の大原野地区は調整区域ですのでまだまだ土地はあります。大温泉街も夢ではありません。西京区に温泉街ができれば、市長の公約である観光客5,000万人も実現できると思いますがいかがでしょう。市長のお考えをお聞かせください。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、市職員の在り方について質問致します。
 現在の京都市の職員数は、おおよそ市長部局1万100人、消防局1,900人、交通局2,300人、上下水道局1,800人、教育委員会は教職員も含めて8,800人、すべて合わせると2万5,000人になります。また京都市の人口は146万人ですが、そのうち未成年者が28万人、また60歳以上の高齢者が33万人で、20歳から60歳までの稼ぎ手と言われる人口は85万人となっております。もし京都市の職員全員が京都市に住んでいると仮定すると働く人の約3パーセントが京都市の職員となり、かなり大きなウエートを占めることになります。これだけの人間が、世間の目が厳しいという理由でお金を使うことを控えてしまいました。マスコミの影響もあるかもしれません。ただでさえ景気の悪い中、きっちりボーナスの出る公務員がお金を使わないとなると誰が景気を良くするのでしょうか。ただ、やみくもにお金を使えと言っているわけではありません。京都市の関係業者等対応基準がありますので、関係業者と飲食を共にするのは良くありません。しかし、自分のお金で同僚などと食事をして飲みに行くことは決して恥ずかしいことではないと思います。余りにも世間を気にして飲む人の方がどこかやましい所があるのではと思ってしまいます。市の職員の幹部に聞きますと、以前は月に1度くらいは祇園にも行ったものですが、最近は行ったことがありませんと答えます。これでは景気が悪くなるのも無理はないと思います。お金が動かなければ景気を回復することはできません。職員の皆さんには正々堂々とお金を使っていただきたいと思います。副市長のお考えをお聞かせください。

 次に、市の職員の住所について私の考えを申し上げます。
 市長部局の1万人の職員のうち7,000人が京都市内に住んでおられます。残りの3,000人は京都市以外に家があります。管理職はどうかというと780人のうち290人が京都市以外に住所があり、実に37パーセント、およそ4割に当たります。その方々は、京都市民の税金で給料をもらい、京都市以外の市町村に市民税や固定資産税を納めておられます。また交通費も市内に住んでいる人より余計に必要となります。もし職員全員に京都市内に住んでもらったとすると交通費だけで年間何と4億円も節約できます。憲法上、どこに住んでも良いわけですから、他の市町村に住むなとは言いません。しかし、京都市も財政難で苦しんでいるところですので、もし引越しをされるのなら京都市内に住んで京都市に税金を納めていただき交通費の削減に協力してもらいたいと思います。特に管理職の皆さんにはそれくらいの自覚を持っていただきたいと思います。なぜなら阪神・淡路大震災クラスの災害が起こったときに真っ先に役所へ駆け付けてもらわねばなりません。せめて徒歩30分くらいの所に住んでいただきたいものです。

 先ほど質問した都市計画の高さ制限、建ぺい率、容積率の緩和を実現すれば低価格の住宅も夢ではなくなります。家が安くなれば、京都市に住みたいという職員も多くおられます。例えば職員が京都市以外から京都市内に引越しする場合に引越し手当を出すというのはどうでしょうか。トータル的には必ずプラスになると思います。できるだけ多くの職員に京都市内に住んでほしいという私の考え方について総務局長の見解をお聞かせください。

 最後に、府市協調について質問致します。
 市長と知事は仲が良いと思います。しかしながら末端の現場サイドでは、いまだに喧々囂々としていたり、お互いに無視をする部署もあります。市民からは、府市協調とは口ばかりと言われています。今回の選挙公約の目玉でもあるこの府市協調をどのように実現されるのか、その方法を市長からお聞かせください。

 以上をもちまして私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

●副議長(山口幸秀君)●桝本市長。

 〔桝本市長登壇〕

●市長(桝本頼兼君)●中村十一議員の御質問にお答え致します。

 まず市長選挙の感想についてでございます。大変厳しい選挙戦ではありましたが、各界各層の市民の皆様方や4年間車の両輪として京都市政を進めていただいた市会の与党各会派の先生方の御支援を得て京都市長として再び市政運営を担わせていただくことになりました。私は今回の選挙結果を、先生の御地元の左京区をはじめ多くの市民の皆様から1期4年間の実績を評価いただくとともに、安心して暮らせるまちづくり、活力と華やぎのある元気なまちづくり、そして市民とのパートナーシップによる市政推進から成る三つの理念、12大政策、160の公約に大きな期待を寄せていただいたものと受け止めております。こうした市民の皆さんの熱い期待を担い2期目の市政を運営するに当たりましては、市会の与党各会派の先生方のお力添えをいただく中で市民の目線と市民感覚を大切にしつつ謙虚で公正、たくましく思いやりのある市政の実現を目指し全力を傾注して参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 インターネットは全世界で1億6,000万人、日本ではおよそ1,300万人が利用していると推定される世界的な情報インフラでございます。先生御指摘のとおり、京都アイネットの加入者急増に見られるようにインターネットの普及は目覚ましく、家庭や職場に居ながらにして世界の情報を得ることができる時代になっております。また電子商取引も次第に活発に行われるなど情報化の推進により市民生活が大変便利に豊かになって参っております。このような状況に対応するため、本市では情報網洛中洛外のインターネット発信やホームページによる行政情報の提供を充実させて参りました。インターネットは、市民へ行政情報を提供するための非常に重要な手段でありますので、その積極的な活用を含め21世紀の高度情報通信社会における都市戦略として新たな高度情報化推進のための京都市行動計画を策定するため、この予算に1,000万円を計上したところでございます。今後とも行政の情報化と市民サービスの向上を図って参りたいと存じております。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、御提案の温泉構想についてでございます。温泉は、その治療効果はもちろんのこと、憩いの場、くつろぎの場として大きな観光資源となるものでございます。京都市におきましては、観光名所の鞍馬や嵐山をはじめ数箇所で民間の温泉施設が営業されており、更に昨年からは、御指摘のとおり西京区樫原に新たな施設が誕生し大変なにぎわいであります。多くの観光客や市民の方々が御利用なさっている。駐車場も満員という状況でございます。またほかにも温泉の試掘が行われていると聞いておりまして、市民の皆様の潤いとくつろぎ、そして喜びの場の提供を、更には観光客誘致に懸ける熱い思いを非常に心強く感じているところでございます。行政が温泉を掘削することにつきましては、関係業界との調整や立地場所の問題など多くの課題がございますが、観光客数5,000万人という目標に向かって新しい温泉の魅力を京都の観光振興に生かす取組について引き続き研究して参りたいと存じております。

 次に、府市協調についてでございます。本年4月から地方分権推進法が施行され、我が国はいよいよ地方分権の新しい時代への第一歩を踏み出すことになりました。そうした中で私は、組織の違いはあっても京都市と京都府が京都の発展という共通の目標のために従来の慣習の枠を超えて新しい府市協調の姿を築いていく必要があると強く認識しているところでございます。京都市民は同時に京都府民でもあります。まずは府、市といった行政の枠組みにとらわれることなく、京都に住む人の暮らしと京都のまちの発展にとって何が必要かを一緒になって考え連携する中でしっかりと役割分担し、市民の皆さんにとって便利で分かりやすく、かつ効率的で互いの施策が相乗効果を発揮するような、そして上下関係でない対等の府市協調を強化して参りたいと思っております。

 幸いなことに私が市長に就任して以来、荒巻知事さんとの間ではお互いの立場を尊重しながら府市が対等の立場に立って素直に意見交換し合える極めて親密な関係が築かれて参っております。これまで私と知事との直接の対話により、また与党の先生方の御協力も得て中小企業への不況対策をはじめ交通基盤の整備、伏見区総合庁舎用地の確保など、市民生活を守りその向上を図るうえで数多くの成果を挙げて参ったところでございます。地方分権の新しい時代を迎え、地方自治体の自己決定権の拡充は市政の個性と活力に満ちた推進に大きく寄与するものでありますが、同時に厳しい財政事情の下での都市間競争の激化という状況の中で本市の都市経営の真価が問われているところでございます。こういう困難で新しい時代であるからこそプラス思考で、市民の皆さんが府市協調なんて口ばかりとおっしゃられることのないように二重行政の問題などを含め荒巻知事との対話、連携を更に深め効果的で効率的な市政の推進に努めて参る所存でございます。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 以下、副市長、交通事業管理者及び局長が御答弁申し上げます。

●副議長(山口幸秀君)●薦田副市長。

 〔薦田副市長登壇〕

●副市長(薦田守弘君)●環境学習・エコロジーセンターにeオイル精製プラントのミニチュア版を設置してはどうかとのお話でございます。市としましては、このセンターを身近なごみ問題から地球環境問題まで幅広い観点に立った環境意識の定着を図っていくための拠点として整備していこうと考えております。そのためには、この施設が大人から子供さんまでみんなが興味を持って楽しく見ていただけるものでなければならないという趣旨に合致した有意義なことであると考えます。施設での設置を検討して参りたいと考えますが、ただし、お話の子供たちがゴーカートの運転を楽しむことができるようにとのお話は、予定地の敷地面積も狭く不可能であると考えております。いずれに致しましても、当センターは本市における資源循環型社会に向けた先駆的な取組を分かりやすく学んでいただける施設として検討して参りたいと考えておりますし、また魅力あふれるエコロジーセンターにしていくために、隣り合わせの青少年科学センターとも連携を図って子供たちが科学の視点からも環境を考えることができる施設にして参りたいと考えております。以上でございます。

●副議長(山口幸秀君)●増田副市長。

 〔増田副市長登壇〕

●副市長(増田優一君)●まず京都の特性を生かした建築規制の運用についてお答え致します。本市には京町家に代表される木造住宅が多く、京都らしい町並みを醸し出しており、京町家の保全、再生を図っていくことは京都らしい景観を守っていくとともに、地場産業の振興や都心居住の促進にも大いに寄与するものでございますが、一方で、その多くが老朽化しており、更に建替えが大変困難な袋路も多くございまして、議員御指摘のとおり、現行の建築規制は京都らしいまちづくりを推進していくうえで様々な課題を抱えていることも事実でございます。防災上の観点等から申しますと、京町家あるいは和風木造だからといって一律に建ぺい率等を緩和することはなかなか困難ではございますが、例えば新たに設けられました連担建築物設計制度を活用して袋路の再生を居住者の方が協調して建替えで行うことにより、個々に建替えるのに比べましてより規模の大きな建築物を建築できるようになるなど京都ならではの様々な工夫をして参りたいと考えております。今後とも京都の特性にふさわしい建築規制や誘導手法の在り方につきまして検討を進めて参りたいと思います。

 次に、不法建築物に関連した市街化区域への編入の御提案についてでございますが、市街化区域と市街化調整区域の区分いわゆる線引きにつきましては、本市の将来の人口動向を勘案しながら山麓部等に広がる良好な自然、歴史的景観の保全あるいは農林業との健全な調和を図るとともに、産業の振興や道路、河川などの基盤整備の状況を踏まえて本市全体の視点から定めているものでございまして、不法建築物を追認するような形での市街化区域への編入といったことにつきましては制度の趣旨からいっても非常に難しいものであると考えております。いずれに致しましても市街化調整区域等においてこれ以上不法建築物が増加することがないよう適正な建築行政の執行により一層努めて参ります。

 次に、市バス、地下鉄の着物無料サービス等の和装振興策についてでありますが、議員御指摘のとおり観光の視点も含めた和装振興策の取組につきましては、和装産業が基幹産業を成しており、また国際観光都市でもある本市にとりまして大変重要な課題であると認識致しております。このため本市と致しましても、すてきにきものでクラシックや新たに新春きものコンサートを開催するなど様々な着物着用機会づくり事業をはじめとする和装振興事業を推進しているところであります。一方業界におかれましても、二条城着物園遊会やおしゃれコンサートなど工夫を凝らした和装振興事業に取り組まれているほか、観光客の皆様方に京都を着物姿でお楽しみいただくことを目的と致しまして着物修学旅行や各種の着物レンタル事業に積極的に取り組まれており、業界の皆様と行政が一体となって和装振興策に取り組んでいるところでございます。議員御提案の市バス、地下鉄の着物無料サービスにつきましては、道路運送法の規定から見まして交通事業として実施することはもちろんできませんが、和装業界や観光業界の皆様方と共にそのアイデアを生かした更なる和装振興策の仕組みづくりにつきまして今後とも積極的に検討して参りたいと考えております。

 次に、本市職員の個人消費と景気回復についてでありますが、個人消費の増減が経済に与える影響は大きく、まさに景気動向のかぎを握っておりますが、今日個人消費の不振が長引く景気低迷の大きな要因となっていることも事実でございます。また市内における飲食を含めた個人消費全体に対して教職員を含めた本市職員が一定のウエートを占めていることは先生御指摘のとおりだと思います。本市職員一人一人が消費者として個人消費の拡大を通じた景気の回復に少しでもお役に立てるように努めることはもちろんでありますけれども、本来的には中小零細企業等の様々な振興対策をはじめとする市政を推進していく中で市民全体の消費が向上し一日も早く景気が回復するよう桝本市長を先頭に職員が一丸となって今後とも全力を尽くして参ります。以上でございます。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

●副議長(山口幸秀君)●不室総務局長。

 〔不室総務局長登壇〕

●総務局長(不室嘉和君)●本市職員の市内居住の促進に関するお尋ねについてでございます。御指摘のように、本市におきましては約3割の職員が市外に居住致しております。市内への居住を促す観点から引越手当を出してはどうかとの本当にユニークな御提案につきましては、職員に支給できる手当の種類が地方自治法により全国一律に定まっているということで、京都市独自の手当の創設によって職員の市内居住を誘導することは大変難しいことであると申し上げざるを得ないところでございます。しかしながら、私どもと致しましても、できるだけ多くの職員が市内に居住することは大変望ましいことであると考えておりますので、手当の支給によらない有効な手立てがあるかどうかについて今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。よろしくお願い致します。

●副議長(山口幸秀君)●下薗公営企業管理者。

 〔下薗公営企業管理者登壇〕

●公営企業管理者(下薗俊喜君)●バイオディーゼル燃料の導入を含めました人と環境に優しい市バスに向けての交通局の取組についてのお尋ねでございます。交通局と致しましても、地球温暖化防止京都会議開催の環境先進都市としてマイカーから地球環境に優しい公共交通機関への転換を図るために、大変厳しい諸条件の中ではございますが様々な施策を行っているところでございます。その中で市バスの果たすべき重要な役割は、公共交通優先の施策を実施して1人でも多くの市民に御利用いただける条件づくり、これが一つと、公害の少ない市バス車両を目指すことであると考えております。

 まず公共交通優先の施策と致しましては、不法駐停車の取締りや走行困難箇所の改善などにつきまして関係機関に要望を重ね、これまで種々の成果を挙げてきております。今後とも今般京都府警で取り組まれる公共交通機関優先システムいわゆるPTPSでございますが、これに呼応致しまして市バスに必要な設備を備えるなど関係機関との連携によりまして施策の充実に取り組んで参ります。また昨年4月からスタート致しました環境定期券制度をはじめ本年3月のするっとKANSAIへの加入、更にこの4月からは都心部での100円バスの試行運行も計画しておりまして、バス路線のネットワークを生かし、地下鉄と連携のとれたサービスを提供することによりまして更に公共交通機関の利用促進に努めて参ります。

 今一つの柱であります市バス車両の低公害化についてでございますが、天然ガスを利用したバスやアイドリングストップバスなどの導入にも努めてきたところでございまして、平成12年度末までに低公害バスは25両、アイドリングストップバスについては89両となる予定でございます。今後とも市バス車両の更新時には人と環境に優しい車両の拡大に努めて参りたいと考えております。

 最後にバイオディーゼル燃料の導入についてでございますが、市バスにおきましては横大路営業所において本年4月1日から軽油と混合して実施すべく最後の準備を進めているところでございます。なお、お尋ねの今後の拡大につきましては、環境局とも十分連携をとりながら検討して参りたいと考えております。以上でございます。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 

●3月定例市会代表質疑要旨●

  民主・都みらい市会議員団   宮本 徹議員

●副議長(山口幸秀君)●次に、宮本徹君に発言を許します。宮本君。

 〔宮本徹議員登壇(拍手)〕

●宮本徹君●私は、右京区より選出いただいております宮本徹でございます。中村十一議員の質問に続きまして、民主・都みらい京都市会議員団を代表致しまして、平成12年度当初予算案及び関連議案に対しまして市長及び関係理事者に質問致します。昨日の代表質問から引き続いて私で8人目であり、重なる質問もあるかもしれませんが、しっかりと聞いていただき角度を変えての誠意ある答弁を求めるものであります。

 私どもの会派、民主・都みらい京都市会議員団は、現在13名という与党第2党になっておりますが、その内訳は元民社党関係者及び民社協会関係者が8名、そして元社会党や旧民主党関係者が5名であり、また現在は民主党員が11名で無所属の方が2名という寄合世帯であります。私自身はこの状況を、丁度生まれたころの50年前の右派・左派社会党の合流時代に私の父親が体験してきたことといみじくも形は変われど同様なことを体験させていただき歴史は繰り返すものだと不思議な感じがしています。そして、外からは一見まとまりのないように見える我が会派ですが、それぞれが各自の様々な個性を十二分に発揮し、今では一枚岩でまとまったその力は市長与党の第1党と思っております。その中で市政運営、市政改革の課題や21世紀を展望した課題に対しまして力を合わせてできることから取り組んでいるところであります。

 ところで、先般の市長選挙におきましては、議会運営上のパートナーとして、また市政推進のリーダーとして桝本頼兼市長が見事大差で当選され、西暦2000年から21世紀へと開かれていく京都市の舵取り役を担われることとなり、私たちも大いに歓迎しているところでございます。今後ともまだまだやってくるであろう様々な課題に、色々な考え方の人々と一緒になって着実にその解決に取り組んでいきたいと思います。

 さて、今定例会に提出されました平成12年度の一般会計当初予算額7,180億円は、前年度当初予算に比べ18億円、0.3パーセントの減となっていますが、平成11年度も133億円の市税収入の減収に加え、この2年間の合計でも260億円の減収の中、増税にも頼らず、また使用料や手数料の値上げもほとんどない状況の中での努力型予算編成であると素直に評価をする次第でございます。桝本市政2期目の初年度ということで、予算編成の重点を、1.福祉・教育・環境・防災を重点とする安らぎのある暮らしづくり。2.活力と華やぎのある京都らしいまちづくりに向けた産業経済・文化の振興、景観・都市基盤の整備。3.信頼とパートナーシップの市政推進に置いてこれを具体化するために160項目の公約に基づく色々な施策を推進するとのことであります。

 桝本市長の前期4年間には、元気な京都の実現を目指し216項目の主な施策を発表し、着実にその実現に取り組まれてきた政治姿勢は、これまでの市長にはない取組姿勢であると我が会派では高く評価しているところであります。昨年の12月に21世紀のまちづくりの指針となる21世紀・京都のグランドビジョン、目標年次2025年でございますが、京都市の新しい基本構想として策定されました。この4月からはグランドビジョンの理念に基づき、これを具体化するために今後取り組むべき施策、事業を示す次期基本計画、目標年次2010年を策定することになっております。今年は西暦2000年という20世紀最後の年であり、また市政改革の一層の推進、地方分権推進一括法の施行、介護保険制度の導入といった大きな課題が山積している年でもあります。経済状況についても、全国的には緩やかな回復の兆しが見えるとのことでありますが、今年に入っても伝統産業を担う大手の企業が多額の負債を抱えて倒産していますし、また京都みやこ信用金庫や南京都信用金庫の事業譲渡など京都経済はまだまだ厳しい状況にあるのが現状であります。

 市長は、市民とのパートナーシップによって悠久の歴史と文化を誇る京都が日本中、いや世界中の都市の先駆けとなる光り輝く千年新都となることを目指されておりますが、本市が千年先まで光り輝く都であり続けるためには最初が肝心、次期基本計画の早期策定とその着実な推進が必要不可欠であります。その意味でも今年は次期基本計画を実りあるものとするうえで大変重要な時期でありますが、2期目に臨む市長の所信をお伺い致します。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 話は変わりますが、物事の隆盛と衰亡を見るとらえ方の一つとして、点と、その点から点を結んだ線をつなぎ、またその線の連続性や広がりから描かれる一つの面をとらえます。そしてそれらが相互に有機的に結合して新たなる立方体を形成し、そしてまたそれ以上に活性化し膨張すれば成長体として最大限機能する状態になります。例えれば、点は個人でもあり家でもあり、時には公園などの施設でもあります。また線は道路であり、交通であり情報でもあるのです。そしてそれらが増えていくことにより、道路網や交通網のような網の目になって面的な要素を形成していきます。一つの都市基盤の整備の充実に向けては、この点と線という根幹を成す要素の充実は絶対的に必要不可欠なことでありますし、加えてその都市の基盤整備だけでなく都市機能の整備をも十二分に考えていかなければならないと思います。そして、そのもの自体に必ずやある隆盛のピークをとらえる物事の見極め方をするときがありますが、京都市自体に既にピークが来たのかまだなのか。答えは人それぞれに解釈されることだと思いますし、また完全な答えはまだないと思います。重要なことは、京都にかかわるあらゆる人々が2001年からの21世紀を一大転機として京都市のピークをこれから新たに築いていくのだという熱い思いや決意が一番大切なのだということだと思います。

 次に、私は議員にさせていただいて今4期目になりますが、この間過去の代表質問の中で述べさせていただいた事柄なども少しフィードバックして検証しつつお尋ねしたいと思います。文化圏の定義は人それぞれの思いもあるかと思いますが、京都市の中で考える場合、大まかに言って文化的施設、行政施設、商業施設、そして道路交通情報網等が発達していることが一つの条件であると思います。京都は、約1200年の発展の歴史の過程においてその文化圏の中心が二条駅から御所周辺部、そして近代に至って市内北東部へと移ってきたのではないかと思われます。しかしながら、行政の不均衡な施策の実施により各行政区間における格差が文化圏の偏り以上に拡大するとなると、その当該区の住民の納得できないところとなります。ましてや人口二、三十万人の中小の都市に備わっているような施設が146万人の大都市である京都の1行政区にないとなると何のための大都市かということになります。各行政区の地域特性を考慮することは当然のことではありますが、際立った行政区間のアンバランスは解消されなければなりませんと言って、私は過去の質問の中で、このためには各行政区ごとの現状と今後のまちづくりのための行政区別推進計画を策定し公表するとともに、横断的に施設整備状況が分かる区勢概要の作成などが必要であると申してきました。行政区別計画については、平成12年度の策定を目指して3箇年計画で取り組んでおられ、また市の次期基本計画についても、昨年の11月議会において審議し12月に策定された新基本構想の具体化を図るために次年度策定される予定でありますが、先ほど申しました行政区間のアンバランスの解消と区別計画に基づく個性あるまちづくりとのバランス、次期基本計画と行政区別計画の連携、調整をどのように図っていかれるつもりなのか、基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。
 また、区行政の推進体制につきましては、市民生活に密着した要望や課題をそれぞれ実情を踏まえて迅速に解決できるよう大区役所制の実現に向け段階的に取り組んでこられ、平成9年度には旧民生局、今の保健福祉局から福祉事務所を移管し、部制の導入や区行政全般に係る企画調整部門の機能強化を図られました。平成10年度には保健所を区役所の管理へ移し、平成11年度には本年4月から実施される介護保険制度を円滑に導入するため介護保険準備課を設置するなど少なからず前進が見られました。さて、来年度から地方分権が本格的にスタートするわけですが、今後ますます多様な課題に迅速に対応し、住民に最も身近な区行政を総合的に進めていく仕組みづくりがより一層重要となってきます。
 大区役所制の推進に来年度以降どのように取り組んでいかれるのか、また具体的な改善計画等の予定があるのか、副市長にお伺い致します。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、私は昨年の春の統一地方選挙の際、これからは右京区の新しい時代を築いて参りますと訴えてきました。とかく右京区は後れているとかよく言われてきましたので、今立ち上がらなければという決意で取り組んでおります。桝本市長も以前は右京区に33年間も住んでおられたと聞いております。右京区は本市における工業製品出荷額のうちの約3分の1を占める工業地域を有し、また本市における国宝や重要文化財等の数もその約4分の1を占めるという経済力や観光財源豊富な行政区であります。端的に表現すれば、右京区の充実、発展は即京都市の充実、発展につながるということであります。このためにも今後の右京区の都市基盤や都市機能の整備には格段の配慮を強く求める次第であります。

 ところで、この度は右京区民にとって何よりもありがたいことに、昨年11月、地下鉄東西線の二条駅以西の延伸について、洛西ニュータウンまでの整備を目指しつつ当面は交通事業の経営状況や本市の財政状況を考慮して二条駅から天神川付近、詳しくは京福電鉄嵐山線交差付近まで御池通を西伸する形で事業化する方針を明らかにされ、できるだけ早期に事業化を図り、平成19年度中の開業を目指すと発表されました。このことはとりもなおさず天神川よりも西、右京区の太秦方面へ地下鉄が伸びてくることを意味するものであります。私自身、交通水道委員として十数年前からずっと叫び続けてきた地下鉄の西伸であります。その間、西大路通や葛野大路、また天神川をそのまま直南下していくのではというようなこともささやかれたときもありました。今回、市長の右京区の将来を見据えた大英断に心から感謝しておりますが、問題は早期着工、早期実現に向けての課題の解決であります。
 天神川以西の整備について、右京区、西京区への西伸の手法に関しましては、今後整備手法や道路整備状況、道路網の確保、駅位置や車庫用地、交差道路や河川等の影響について詳細な検討を進め具体化を図るということであります。まだまだその手法について未確定な要素も多いとは思いますが、とりあえずは天神川までの事業化に向けての課題は、京福電鉄嵐山線交差付近の御池通が一部完成していない所もあり、地下鉄工事までに本当に間に合うのかどうかという点です。そこで現在事業中の中京区内ですが、七本松通から御前通までの完成見通し並びに未着手の天神川通から三条通までの事業見通しについてお答えください。
 更に地下鉄が三条通付近まで延伸されても、太秦以西の住民の方々が利用するためには、現在の三条通は車両の離合が難しく危険な所もあるため、御池通の京福電鉄嵐山線交差以西の整備が必要になってきます。御池通の京福電鉄嵐山線交差点以西の整備についての今後の取組方針についても併せて副市長にお尋ね致します。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、久世梅津北野線の道路整備についてお尋ね致します。
 右京区の中でも天神川以西は西京極地区を除き区画整理も行われず小規模な宅地開発が無秩序に進んだため道路整備が後れており、南北の縦貫道路がほとんど整備されていない状態であります。久世梅津北野線は、国道171号上久世交差点を起点とし、西京から右京区を南北に貫き、北野白梅町に至る幹線の都市計画道路であります。地下鉄とも連携する要素も持っております。西京区内は桂川の南側まで完成しており、桂川街道の名称まで付けられ地域の発展に大きく寄与していることは目をみはるものがありますが、桂川以北は全く手付かずの状態であります。私自身、以前この南北道の右京区内三条四条間の部分開通について提言させていただいた経過もあります。久世梅津北野線を北伸させることは南北道路の整備が後れている右京区にとって誠に緊急を要する課題であります。部分開通が無理であれば、とにかくそのきっかけとしてまず桂川に橋を是非とも架けていただきたい。
 今回の160項目の主な施策の中で市内の主要な生活幹線道路と橋梁、市街地と周辺部を結ぶ幹線道路の整備を進めるとし、桂川街道大橋の整備計画が掲げられています。桂川に橋を架け、更に久世梅津北野線を北伸させる取組について、決意も併せて建設局長にお伺い致します。

 次に、JR山陰本線の複線化問題についてお尋ね致します。
 JR山陰本線の二条駅花園駅間は、平成8年の高架化に引き続き複線化と円町新駅の工事が進められておりますが、その完成、開業が市長の強い指導力により予定が半年も早まり、本年秋になったということで喜ばれておりますが、このうえはより確実に事業が進捗するように要望致しておきます。鉄道は、何といっても高速性、定時性等に優れた大量輸送交通手段であるとともに、環境悪化要因も少なく、今後より一層見直されるべきもので重要な公共交通機関であります。この利便性を向上させることは、排気ガスや交通渋滞など色々と問題の多い自動車の利用を抑制するためにも大変意義があります。そのためには単に複線化や新駅が整備されるだけではなく、トータルでの時間短縮や利便性の向上など利用者にとってより大きなメリットがなければなりません。そこでお聞き致しますが、今回の複線化や新駅の開業に伴い、列車本数が増えるなどの見通しがあるのでしょうか、もしあればお聞かせください。また山陰本線の京都駅二条駅間や花園駅嵯峨嵐山駅間は単線のままですが、これらの区間の今後の取組予定はどのようになっているのか建設局長にお伺い致します。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、この西暦2000年から2001年への移行、21世紀の幕開けとなる記念すべき時代にダイナミックで画期的な取組を提案し、またその実現へと進めていただきたいことを申し上げます。
 先ほども偏った行政施策への改善を訴えましたが、私の言いたいことは、調和、均衡のある発展こそ真の発展であるということであります。そのためにも、左京区岡崎の文化芸術スポーツゾーンに匹敵するような施設を右京区に文化スポーツ観光イベントゾーンとして建設していただきたいということであります。より具体的に申しますと、ドーム施設や大駐車場を備えた巨大遊園地を誘致、建設していただきたいということであります。
 右京区には、現在バブル期以降、残念なことでありますが、その経営の維持管理が大変な所が多く、土地を売却してその規模の縮小を図ろうとする所があります。土地開発公社で用地を購入するなりし、一部を京都洛西地域への観光、嵐山や映画村や金閣寺、その他の諸寺院へのパークアンドライドのため大駐車場に確保し、そこから市バスのシャトルバスを走らせたらマイカーによる交通渋滞の緩和策にもなり一石二鳥の効果も期待できるのではないでしょうか。そして行き帰りにその遊園地で楽しんで帰っていただく。そうすれば一石二鳥以上の経済相乗効果、いやそれ以上に京都観光に対する新たな波及効果が起こってくるのではないでしょうか。本市だけでの取組に無理があるなら京都府とも連携していただき、また昨年12月に任天堂が世界的にヒットしているゲームソフトのテーマパークを市内に建設するとの構想を打ち出されておりますので、こういった第三者機関の民間活力の参加も求めれば良いと思います。また、そこに全天候型屋内運動施設すなわちドーム施設も建設していただきたいと思います。
 京都経済の活性化と観光産業に一大エポックを築くものとして、また21世紀を切り開いていく明るい、楽しい夢のある取組として最適ではないかと考える次第であります。子供たちに21世紀へのプレゼントとして一考の余地があると思いますがいかがでしょうか。市長の御見解をお伺い致します。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、観光対策についてお伺い致します。
 活力と華やぎのある京都らしいまちづくりのために、観光を21世紀の基幹産業とするため、日本人の心のふるさと京都の歴史や文化、学術を生かした多彩な取組を進めるとのことですが、市長が先般5,000万人の観光客誘致というどでかい夢を掲げられていることに激励のエールを送るとともに、少しばかり質問と提言をさせていただきたいと思います。

 私は、以前の代表質問の中で次のような提言を致しました。京都が国際文化観光都市としての再興を目指すためには、1.既に本市において1200年にもわたり蓄積されてきたこの伝統的文化観光ストックを再度掘り起こすこと。2.そして、それらを有機的に連携させよみがえらせること。3.また京都独自の新たな文化観光資源を創出し続けること。4.それらの文化観光ストックを世界に向けて発信し続けること。そして、私が今一番何よりも重要に思うことは、ハード面と心の受入体制を整備することであります。確かに桝本市長就任後の前期4年間につきましては、観光予算の増額や京都市観光協会の強化をはじめ平成10年春に策定された観光振興計画に基づき、例えば京都観光ルネッサンス事業として首都圏での東京京都館の開設、観光客誘致キャンペーンの展開や寺院の夜間公開並びにイベントの開催、区別観光ルートの開発、市民の協力による町家の公開を含めた歩く観光コースの設定などが取り組まれました。またおこしやす京都委員会を結成し観光ベンチャービジネスの公募、森光子さんなどへの観光特別大使就任依頼など多彩な活動をそれぞれの提言に見合った形で取組が進められてはいます。しかしながら、私が今一番重要に思っている施設ハード面と最も大切な心の受入体制の整備についてはまだまだ十分とは言えず、もう一段広げた真剣な取組が必要なのではないでしょうか。

 とかく私たち京都人は、京のぶぶ漬けや一見さんお断りに代表されるように格式を重んじるが、心の内をなかなか見せない人が多いと言われています。観光客に対しても、すべての人ではありませんが、こちらが見せてやっているとか、売ってやるといった高飛車な態度で接している面があると思われます。観光、旅の良さの一つは市場や路地裏など色々な場所や地域を訪ね、そこの人との出会いや触れ合いの中で言葉を交わし、温い人情に接することができることではないかと思っていますが、先ほども申しました京都はどこか外から来る人に対して閉鎖的な所があるのではないでしょうか。市民憲章では、わたくしたち京都市民は、国際文化観光都市の市民である誇りをもって、わたくしたちの京都を美しく豊かにするために、市民の守るべき規範として、ここにこの憲章を定めますとし、その中の最後に、わたくしたち京都市民は、旅行者をあたたかくむかえましょうと掲げられています。にもかかわらず平成9年の調査では、観光客を迎える気持ちや態度について55パーセントの人が、もっと温く迎えるべきと考えている半面、今のままでいい、無理に温く迎える必要はないと考えている人が何と45パーセントもいるとの結果もあります。今後の京都の活性化を考えるうえで観光振興は極めて重要であり、市民が主体となって積極的にかかわっていく必要があります。訪れる人を温く迎える、出会いを大切にするという一期一会の気持ち、もてなしの心を育成するには、何にも増して人づくりが大切であります。このためには修学旅行関係業者を含む観光関連、その他の商店街の人々をはじめとして小中学生、地域の各種団体や寺院関係の人々など広く市民の方々に啓蒙、啓発、研修なりを通じて受け入れる側の心の大切さを再認識してもらうような取組が必要ではないかと考えます。京都ホットアップキャンペーンなるものを大々的に展開していただきたいと思いますがいかがでしょうか。産業観光局長にお伺い致します。

 提案ですが、京都は、世界文化遺産をはじめとする多くの文化財を有していますが、平安京以来の歴史と伝統の中で物だけでなく数多くの出来事や物語も有している歴史都市であります。五条大橋横の弁慶と牛若丸、京都ホテル前の桂小五郎など幾つか歴史の中に登場する人物がゆかりのある場所に記念碑として建てられていますが、もっと市内の多くの所に歴史再現モニュメントとして設置してはいかがでしょうか。創意工夫を凝らし、歴史ストックを数多く有する京都だからこそできる新しい資源の創出を考えていただきたいと思います。観光客を大幅に増やすための施策をどのように構想され、あるいは計画されているのか市長の見解をお尋ね致します。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 最後に教育問題について質問致します。
 今日、少子高齢化、高度情報化、国際化が急速に進展する一方、一貫して発展を続けてきた経済活動が終結し、長期にわたって停滞するなど政治、行財政、経済構造など社会の様々な分野において従来のシステムの見直しを図るための改革が進められています。あらゆる社会システムの基本ともいうべき教育の分野でも、明治期と第2次大戦後に続く第3次の教育改革が進められようとしており、実社会で役立つ学力を確実に身に付けさせる教育活動の推進と、学校だけでなく家庭や地域の中で子供たちに激動の21世紀を生き抜いていくたくましい生きる力の育成を目指し2002年の平成14年から新学習指導要領と完全学校週5日制が実施されようとしております。こうした動きに先立ち、常に学校と保護者、地域が手を携えて教育を充実させてきた伝統を誇る京都市では、昨年4月にPTAや学校の代表も参加する教育改革推進プロジェクトが設置され、家庭、地域のための検討が始められており、その成果に市民の方々の期待も高まってくるものと思われます。昨年末にはこの教育改革推進プロジェクトの成果として、京都の学校が今後どのようにして変わろうとしているのかをまとめた京都の学校が変わりますというパンフレットを保護者や教職員、地域の各種団体にも配付され意見を求めるなど学校教育においても市民とのパートナーシップによる取組が推進され大いに期待しているところであります。私自身、現在子育て真っただ中といったところであり、地域におきましても市内最大級の小学校のPTAや少年補導の長を地域の皆さんの協力を得ながら承っておりますが、子供の教育というものは、親も時々刻々、日夜共に磨かれていくものであるということがつくづく感じられる今日このごろであります。そういった意味で自主性や自立性を培う力、人間も自然の一部なのだということをしっかりと自覚する力、他人の身になって共に汗をかける力などを労働実習や体験学習を通じて身に付けるために家族、地域社会、学校などでもう一度総合的な全人教育を行っていく取組が今真剣に求められている時代が来ていると思います。そのため、学校教育において学校の先生方が変化の激しいこれからの社会に応じた意識改革を進めるとともに、子供たちの能力と個性を最大限に開化させるグローバルな視野から21世紀の社会で活躍できる子供たちの育成が必要であります。

 そこで教育長にお尋ね致します。
 新しい学習指導要領の全面実施を2年後に控え京都市が先導的に取り組まれている教育改革推進プロジェクトは、この4月から実践の段階を迎えると聞いておりますが、これまでの成果と今後の取組について具体的にお聞かせください。また、ますます国際化が進む21世紀に活躍できる子供の育成及び子供たち一人一人の個性を生かすきめ細かな教育を一層進めていくために、今後どのように取り組まれるのか考えをお聞かせください。

 先ほどは学校教育に関して質問致しましたが、今何にも増して大切なのは大人の自信と落ち着きのある生活態度と家庭教育の適切な実践ではないかと思います。今、自然から得るものや体験して身に付けることのほかに、親から子へ伝えるべき物事が何かと途絶えがちになってしまい、人も物もその寄って立つ基盤が揺るいでいると申しますか、根なし草のようになってしまっているように思えてなりません。ここ二、三十年の間、日本は高度経済成長の名の下に物、金至上主義がはびこり、その結果、物質文明に翻弄され、人々は要領の良さや享楽ばかりを求めてきたのではないでしょうか。誰が悪いとか、時代のせいというものだけでもありませんが、我々大人がやるべきことをどこかに置き忘れてきているのではないでしょうか。バブルがはじけた今、このピンチをチャンスに変え、もう一度スタートラインに戻り小さなことやできることから同じ目標を持って1歩ずつ力を合わせて頑張っていけたらと思っています。言うは易し行うは難しでありますが、大人の反省に基づいた自律と実践の輪を更に広げていきたいものです。

 私ごとで恐縮ですが、今年1月、21世紀を間近にした今、この時代に生きている者として、私たちの後に続く人のために何を成さねばなないかとの思いから、日ごろ考えていることや人から教えていただいたことをヒントに親のチェックポイント集・絆として小冊子にまとめて関係者にお配りし、私なりに取組の輪を広げていこうとしているところであります。しかしながら、今家庭教育につきましては、家庭に直接的に入り込んでいくような手段や方法が公的な機関ではとられていないし、また限界があるというのが実情で、PTAでの取組や時々家庭教育セミナーとか子育て支援の取組とか家族の約束という授業といったくらいのものであります。私が家庭教育の重要性を訴える一番の理由は、今の若者たちの特性として無感動、無関心、無気力、無責任で社会性もなく、それでいて自主性、自立性もなく、加えて心から誓えるような心のより所のない人間が育ってしまっていて、家庭の中でも親や兄弟、伴侶、子供ともお互い孤立無援の関係に陥ってしまっているのではないかと憂えるからであります。国においては、家庭教育への支援策として平成12年度に子育てサポーターの設置などを検討しているようですが、本市においても家庭や地域での信頼のきずなの再構築を目指して家庭教育に対する何らかの対策を考えておられるのでしょうか、見解も含めて教育長にお答えいただきたいと思います。

 以上、平成12年度当初予算案及び関連議案に対しまして積極的な政策展開についてお尋ねして参りましたが、桝本市長には新しい千年の先駆けをなす千年新都の創造に向けては、千年先へと夢をはせ高邁な理想を掲げるのも良いのですが、やはり100年先を見据えた確かな目標を掲げ、歴史と伝統に培われて連綿と続いてきたものをしっかりと見定め大切に温めながら、当面はこの四半世紀を見通す基本構想にのっとった計画に基づき、日々のたゆまざる着実な実践の積み重ねが求められています。市長の先見性、統率力に期待しております。せっかくのテレビ放映を通じてのやりとりでございますので、有言実行の市長の市政に対する熱い思いや決意をもっと生々しく生き生きとした言葉で伝えられるように、決して私は揚げ足を取りませんのでざっくばらんに答弁していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

●副議長(山口幸秀君)●桝本市長。

 〔桝本市長登壇〕

●市長(桝本頼兼君)●宮本徹議員の御質問にお答え致します。

 まず2期目に臨むに当たってでございますが、私は、この度の選挙で申し述べて参りました三つの理念、すなわち第1に、お年寄りをはじめすべての市民の皆さんが安心して暮らせる福祉・教育・環境・防災のまちづくり、第2に、産業や文化に活力と華やぎのある京都らしいまちづくり、そして第3に、市民の目線を大切にする信頼とパートナーシップの市政推進を基本として、新しい千年の先駆けをなす光り輝く都市京都の実現を目指す決意でございます。私が市民の皆さんにお約束致しました160項目の公約は、昨年末に策定致しました京都市基本構想の具体化を念頭に置いて取りまとめたものであり、必要な施策、事業につきましては基本計画の中に織り込むとともに一つ残らずしっかりと実行して参る決意でございます。

 次に、行政区別計画についてでございます。地方分権が進展する中で、大都市行政においても行政区がそれぞれの地域の特性を踏まえ個性と魅力あふれるまちづくりを進めることは誠に重要な課題であると認識致しております。そこで新しい基本構想に基づき、全市的観点から定める基本計画と共に行政区別計画を初めて策定することと致しました。両計画は、相互に補完し合う同列の計画として必要な調整を行ったうえで決定することとなります。この行政区別計画は、区の自主性を尊重して策定することと致しております。各区役所において多くの区民の参加を得て区のビジョンが真剣に議論されております。各区の課題や地域特性の検討を通じて、どのような個性を持った地域を目指すのかを明確に示した指針として区民の満足度の高い計画を作り上げることができるものと考えております。 観光客誘致策についてでございます。世界観光機関によりますと、世界中の外国旅行者が2010年には10億人に達するとされており、観光は21世紀を牽引する世界の基幹産業になると期待されております。こうしたことから、本市では平成10年に発表しました京都市観光振興基本計画の推進と共に数多くの観光振興策に取り組んでいるところでございます。京都は1年を通してまち全体がテーマパークであり、美しい自然景観や世界文化遺産に登録された14の社寺、城をはじめとする数多くの国宝や重要文化財、更には伝統産業から先端産業までの多彩な産業といった様々な資源に恵まれております。こうした本市の持つ特性を大いに生かしながらオフシーズンの集客を図る京都観光ルネッサンス事業をはじめ、京のまちを歩く観光の推進、行政区ごとの隠れた観光資源の発掘などに取り組んでおります。また電柱のない町並みや石畳の道、御池通シンボルロードの整備等町並みのグレードアップを図る様々な事業を展開するとともに、1200年の歴史を総合的に物語る歴史博物館構想にも着手しているところでございます。 右京区に一大遊園地をとの御提案でございますが、本市にとって観光拠点の創設は重要な検討課題であると認識しているのは全く一緒でございますが、全天候型運動施設など新たな集客施設の建設につきましては、設置場所を含めて全市的な観点から研究して参りたいと考えております。今後とも市民、関係業界等とのパートナーシップの下、年間観光客5,000万人という目標に向かって本市の総力を挙げて取り組んで参る決意でございます。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 以下、副市長、教育長及び局長が御答弁申し上げます。

●副議長(山口幸秀君)●中谷副市長。

 〔中谷副市長登壇〕

●副市長(中谷佑一君)●大区役所制の推進につきましては、これまで福祉事務所や保健所の移管、各区役所地域振興課への係長級の技術職員の配置や企画推進係の設置などの体制整備を行い、市民サービスに的確かつ迅速に対応できる区役所づくりを目指し一定の成果を挙げてきたところでございます。来年度は本格的にスタートする介護保険制度の円滑な実施に向けて施設改善や組織改正を図る予定を致しております。今後は大区役所制の実効性を更に高めるため区長権限の強化や区役所機能の拡大、充実等の諸問題について検討を進め、市民生活の大抵のことに対応できる機能を持つ区役所を目指して頑張って参りたいと思います。そして大区役所制を真に実のあるものにするためには総合庁舎化を推進することが重要であり、現在建設が進んでいる東山区総合庁舎に引き続き北区、下京区、伏見区につきましても総合庁舎化の整備を進めて参りたいと思っております。以上でございます。

●副議長(山口幸秀君)●増田副市長。

 〔増田副市長登壇〕

●副市長(増田優一君)●御池通の整備についてお答え致します。まず七本松通から御前通の事業区間につきましては、現在用地買収は約88パーセントの進捗を見ているところであり、残る用地の取得を強力に進めているところでございます。平成10年度以降、買収済みの箇所から埋蔵文化財の発掘調査を行うとともに、本年4月からは街路築造工事にも着手し、工事が完成した所から暫定的に供用を開始する予定でございます。本区間につきましては、一部未買収箇所があるなど厳しい状況ではありますが、平成12年度の完成に向けて引き続き全力で取り組んで参ります。

 次に、天神川通以西の区間についてでありますが、議員御指摘のとおり、右京区の西部地域は昭和30年代以降の急激な都市化に都市基盤の整備が追い付いていない状況でございまして、中でも道路交通体系の総合的な整備が強く望まれていることは十分承知致しております。今回地下鉄東西線の西伸が決定されたことに合わせまして道路網の計画的な整備を重点的に図っていくこととしておりまして、まず天神川通から三条通の区間につきましては平成12年度に測量調査に着手し、地下鉄東西線の西伸との整合を図りながら事業を鋭意進めて参りたいと考えております。また京福電鉄嵐山線以西の整備につきましても早期の事業化に向けまして積極的に取り組んで参りたいと考えております。以上でございます。

●副議長(山口幸秀君)●西口産業観光局長。

 〔西口産業観光局長登壇〕

●産業観光局長(西口光博君)●京都ホットアップキャンペーンについてお答え致します。先生御指摘のとおり、観光客に対しますおもてなしについては市民の方々に啓発運動を進めることは極めて重要な課題と考えておりまして、京都市観光振興基本計画におきましても重要戦略の一つとして位置付けております。このため、京都市では平成10年に市民参加型のおこしやす京都委員会を設けまして、昨年8月には市民の皆様を対象と致しました京都観光おこしやすシンポジウムを開催するなど観光客に対する歓迎の機運を高める取組を進めているところでございます。今後とも市民や事業者、京都商工会議所、京都市観光協会をはじめとする関連団体等の皆様方と一体となって積極的に観光客を温くお迎えするおもてなしの心の普及に努めて参ります。以上でございます。

●副議長(山口幸秀君)●山口建設局長。

 〔山口建設局長登壇〕

●建設局長(山口巖君)●久世梅津北野線、通称桂川街道の整備についてお答え致します。桂川街道は本市西部地域の南北幹線道路として最も重要な路線であり、平成9年6月には旧山陰街道から上野橋通までの供用開始を行い、全体として国道171号から上野橋通までの約3.8キロメートルを開通し広く市民の皆様方に利用されているところであります。桂川街道の北伸の整備につきましては、本市西部地域の発展に不可欠であると考えており、まず第1段階として四条通までの北伸整備計画について、できるだけ早い時期に調査に着手し道路整備と併せて桂川橋梁の早期事業化に取り組んで参ります。

 次に、JR山陰本線の複線化についてお答え致します。本年秋に開業を予定しております二条花園駅間の複線化により新たに快速列車が運行されるなど1時間当たりの運転本数が朝のラッシュ時で京都行き上りが2本増発され、快速列車を利用することにより従来の普通列車に比べ園部京都駅間の所要時間が10分程度短縮される予定であります。その他の時間帯でも上り下りそれぞれ1本増発されるとの見通しを得ており、輸送力の増強や利便性の向上が図られるものと考えております。また残る単線区間の複線化につきましては、平成10年度から京都府と協調致しまして交差道路や整備区間等の基礎調査を実施しているところであります。12年度につきましても引き続きこの調査を行い、その結果を踏まえて更なる利便向上が図られますように、JR西日本と整備の具体化について協議を進めて参りたいと考えております。以上であります。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

●副議長(山口幸秀君)●矢作教育長。

 〔矢作教育長登壇〕

●教育長(矢作勝美君)●教育改革推進プロジェクトについてでありますが、昨年12月に検討結果をまとめた冊子をすべての保護者や教職員に配付し広く市民の御意見を反映しながら取組を進めているところであります。来年度は新学習指導要領の重要な柱である総合的な学習の時間を全国に先駆けて全校で実施するとともに、今年度18校で行っている学校評議員の趣旨を踏まえた取組を更に拡大して参ります。また地域の方々の協力をいただき、学校支援ボランティアの全市ネットワーク化や完全学校週5日制の実施を見据えた休業日の子供たちを地域ぐるみではぐくむ地域子供体験ランドを新たに実施致します。

 次に、21世紀の社会を担う子供の育成につきましては、子供たちに豊かな国際感覚をはぐくみ個性を最大限に開化させることが必要であります。そのため外国の文化に慣れ親しむことを目指し、子供国際クラブや全小学校での英語フロンティアキッズを実施しておりますが、来年度新たに小学校に英語教育外国人指導員8名を配置するなど、その取組の一層の推進を図って参ります。また一人一人を大切にした教育を進めるため、全小学校における専科教育の充実を図るとともに、30人学級を展望し本市独自に指定都市で初めて教員を30校程度に配置し学級の枠を超えた少人数グループによる学習形態、指導方法の実践研究に取り組んで参ります。今後とも21世紀を担う創造的で個性豊かな子供の育成を目指し、市民の皆様と共に教育改革を推進していく所存でございます。

 家庭教育への支援策についてでありますが、家庭は子供を温くはぐくみ、しつけなど人間性を培う場であり、核家族化、少子化が進む中、家庭教育への支援は今日の重要な教育課題の一つであります。本市では、PTA活動の振興をはじめすべての保護者を対象とした家庭教育新聞あしたのためにや家庭教育ノートを配付するとともに、家庭教育学級や父親セミナーの開催、更に人づくり21世紀委員会による子育て体験談、子育て一言集の発行など地域社会に支えられた家庭の教育力向上に取り組んでおります。今後ともこうした取組を進める中で地域全体で子供を育てる機運を盛り上げ、市民相互の支え合いによる子育て支援の輪を広げることにより家庭教育の充実に努めて参ります。以上でございます。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 

●3月定例市会委員報告要旨●

  民主・都みらい市会議員団   中村十一議員

●議長(二之湯智君)●日程第6、●議第15号ないし議第19号、平成12年度京都市病院事業特別会計予算、ほか4件●、以上5件を一括議題と致します。
 公営企業予算特別委員長の報告を求めます。公営企業予算特別委員長中村十一君。

 〔中村公営企業予算特別委員長登壇(拍手)〕

●公営企業予算特別委員長(中村十一君)●本委員会に付託されました議案5件につきまして、審査致しました経過とその結果を御報告申し上げます。

 当委員会は3月9日に付託を受けた後、3月11日に正副委員長の互選を行い、3月13日から理事者の説明を聴取し、資料の提出を求めて質疑を重ね、3月21日には市長、副市長の出席を求めて総括的な質疑を行った次第であります。

 以下、審査の過程で論議されました主な事項について申し上げます。

 まず病院事業についてであります。本年度の収益的収支は、収益が144億6,300万円、費用は147億6,700万円で差引き3億400万円の赤字予算となっており、赤字の解消については一層の効率的経営を目指したいとの説明がありました。

 本事業に関しましては、医療事故の防止対策を中心に質疑がありました。これに対して理事者から、昨年院内に医療事故防止委員会を設置し、またその下部組織として看護事故調査小委員会を設け連携して事故の防止に努めている。医療事故は現場の慣れによるうっかりミスがほとんどであり、こうしたケアレスミスを防ぐことが大事であるので、手術患者へのリストバンド装着や複数の点呼による薬剤の確認などを行うとともに、現場から提出されたレポートを分析して、これを現場に返すようにしている。また、今後の課題として事故防止マニュアルの作成にも取り組んでいきたいとの説明がありました。

 このほか、収支均衡の当初予算策定、経営健全化の取組強化、インフォームドコンセントの徹底、病院北館、看護婦宿舎の早期耐震改修、視能訓練士の配置による検査体制の充実などについても質疑や御意見がありました。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、水道事業についてであります。本年度予算は、景気の低迷等の影響による有収水量の減少が続き、前年度当初予算から5億3,600万円少ない347億6,000万円の収入を計上している。一方、支出は367億5,400万円で、単年度で19億9,400万円の赤字となり、繰越利益剰余金は7億9,100万円となる見通しであるとの説明がありました。

 本事業に関しましては、平成12年度から実施する効率化推進計画に係る訪問集金制廃止後の料金徴収体制を中心に質疑がありました。これに対して理事者から、料金徴収体制については、市民に対する便宜性を高める中で納付制と口座振替制に切り替え、3月末で訪問制を廃止する。また未収金の回収を強化するため給水停止までの期間を短縮し、更に未納徴収担当職員を増員して滞納になった場合はできるだけ早い段階で滞納者と接触し早い時期での徴収に努力していく。なお給水停止に当たっては、機械的に行うのではなく実態の把握に努め十分な話合いをする中できめ細かく対応していきたいとの答弁がありました。

 このほか、生活困窮者や福祉団体に対する水道料金の減免、マッピングシステム構築に当たっての基本方針、国立水質研究機関の積極的な誘致、水質基準強化に伴う流出鉛の実態調査の実施、水道局移管後の地域水道料金の格差是正の考えなどについても質疑や御意見がありました。

 次に、下水道事業についてであります。本年度予算は、景気の低迷等の影響により有収汚水量が減少し、また財政計画終了に伴い汚水資本費補助金が当初予算に計上されなかったことにより収入は前年度当初予算から37億9,700万円少ない562億3,900万円を計上している。これに対し支出は607億9,900万円で、単年度では45億6,000万円の赤字が見込まれ、累積欠損金は109億4,000万円になる見通しであるとの説明がありました。

 本事業に関しましては、汚水資本費補助金の復元を中心に質疑がありました。これに対して理事者から、現行の汚水資本費補助金は、雨水の排除は公費、汚水の処理は使用者負担という原則の中で、平成7年度から11年度までの財政計画策定時においては、大幅な料金改定を避けるため汚水資本費の13パーセントを一般会計から繰り出したものである。12年度以降の取扱いについては、下水道事業の11年度決算数値が確定次第、その結果を見極めて策定する次期財政計画において、京都市の中期的な財政収支見通しも踏まえながら検討していきたいとの答弁がありました。

 このほか、桂川右岸浸水対策の取組状況、下水道高度処理の取組方針、新たな5箇年計画策定に当たっての施設整備の方針、計画的な共同溝事業の推進などについても質疑や御意見がありました。

 更に、上下水道事業全般に関しましては、水道料金、下水道使用料改定の考え方、選考採用の終結に向けた取組促進、企業意識向上に向けた職員研修の充実、外郭団体に対する委託契約の適正な執行などについても質疑や御意見がありました。

 次に、自動車運送事業についてであります。本年度の1日平均乗客数は、景気の低迷などにより昨年度から9,000人減の34万人を見込んでおり、経常収入は241億1,200万円になる。一方、経常支出は291億4,900万円で、経常損益は50億3,700万円の赤字となり、累積欠損金は104億4,900万円が見込まれるとの説明がありました。

 本事業に関しましては、100円循環バスの取組を中心に質疑がありました。これに対して理事者から、平成13年度中にバス事業の需給調整規制が廃止されるのに伴い市バスを取り巻く環境は一層厳しさを増す。こうした中で今後の規制緩和時代に生き残るため、できることは何でもやろうという積極的な経営姿勢の下に新しい公営バスの事業展開として4月1日から1年間、市内中心部で100円循環バスを試行実施することにした。また周辺部への事業の拡大については、試行中に行う調査の動向を見ながら輸送目的や収支を勘案して検討する必要があるが、需要の見込める所でなければ難しいとの答弁がありました。

 このほか、東西の鉄道軸を結ぶ新たなバス路線に係る向日市、長岡京市との協議の促進、観光シャトルバスの今後の運行方針、五条営業所売却に伴うバス系統の存続と営業所機能の効率的再配置、走行環境改善に向けたPTPS、公共車両優先システムの取組方針などについても質疑や御意見がありました。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 次に、高速鉄道事業についてであります。本年度の1日平均乗客数は、昨年と同じ30万8,000人を見込んでいる。経常収入は217億2,500万円、経常支出は501億6,600万円で、経常損益は284億4,100万円の赤字となり、累積欠損金は1,686億6,000万円が見込まれるとの説明がありました。

 本事業に関しましては、東西線の二条以西延伸の取組を中心に質疑がありました。これに対して理事者から、二条以西天神川までの2.4キロについて、平成19年度中の開業を目指しているが、12年度に運輸省において都市鉄道調査が実施されることになり事業化に向けて明るい見通しが立った。また天神川では京福電鉄嵐山線と交差するため、これとどう結節させるかが一つのポイントになるが、乗換えの利便性確保や駅前広場の整備等を図るため京福電鉄や関係局との協議を始めている。市民の期待の大きさを感じており、精力的に取り組んでいきたい。なお洛西ニュータウンまでの整備については、社会経済状況の変化や交通事業の経営状況、市の財政状況等を踏まえ、二条天神川間の工事にめどが立った時点で検討していくとの答弁がありました。

 このほか、東西線建設時の工事費膨張の教訓を生かした六地蔵への延伸工事の適正な執行管理、営団地下鉄事故を教訓とした安全対策の充実、東西線ダイヤと京阪バスダイヤの有機的な結合などについても質疑や御意見がありました。

 次に、交通事業全般に関しまして、経営健全化プログラム21に係る労働組合との妥結内容と今後の不良債務の解消見通しを中心に質疑がありました。これに対して理事者から、公営企業の置かれている厳しい状況の下、京都市の公営交通を21世紀にも存続するという展望で策定したプログラム21を労働組合に示し、理解を得る中で交通局始まって以来、初めての賃金カットを含む厳しい内容で大綱妥結した。昨年9月に市会で報告した内容との主な相違点は、乗務員の基準乗務時分を15分引き上げ、残り15分は継続協議となっていること、バス運転手の給与水準是正のため更に4.9パーセントを減額するという提案が平成15、16年の2年間の昇給停止になったことなどである。

 この結果、バス事業においては、平成17年度に経営収支が均衡し企業体質の改善が図れる見込みであるが、なお16年度末で220億円の不良債務が残ることになる。この不良債務については、今後更なる営業努力を行いその収益によって解消していくことが大原則であるが、11年度の決算状況を見たうえで策定する京都市の中期的な財政収支計画の中で交通局の不良債務をどうするかということも検討項目の一つとしており、具体的な解消方法についてはもう少し時間をかしてほしいとの答弁がありました。

 このほか、バス運転手の始終業点検廃止に伴う安全性確保、管理職員の企業家意識の喚起などについても論議が交わされ御意見がありました。

 以上のほか、都市政策としての総合的交通体系の確立、交通局協力会等外郭団体の在り方の見直し、視覚障害者対策の強化などについても質疑や御意見がありました。

 概略、以上のような質疑応答を終えました後、更に各会派の議員会において御検討いただき、その結果を昨日の委員会で御発表願いましたところ、次のとおりでありました。

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 すなわち自民党、民主・都みらい、公明党、京都21市会議員クラブの各議員団は、いずれも原案に賛成し、自民党議員団は議第17号に1個の付帯決議を付す。民主・都みらい議員団は議第17号に1個、議第18号及び議第19号に1個の付帯決議を付す。公明党議員団は議第17号に1個の付帯決議を付すとのことでありました。次に、共産党議員団は議第18号は反対し、その他の議案は原案に賛成する。また議第15号に1個、議第17号に2個、議第19号に3個の付帯決議を付すとのことでありました。

 そこで直ちに表決を採りました結果、ただ今お手元に配付してあります委員会報告書のとおり、議第18号は多数をもって、残りの4件は全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。

 引き続きまして付帯決議の調整を行いました結果、議第17号に1個の付帯決議を付し、更に6個の事項を会派の意見として委員長報告の中で申し述べることに決定致しました。

 以下これらについて順次申し上げます。

   議第17号に対する付帯決議

 汚水資本費補助金の削減は、5,300億円の未償還残高を有する公共下水道財政に大きな影響を与え、事業運営に一層困難をもたらすものである。

 よって、理事者は早急に復活を図るべきである。

 次に、会派の意見として委員長報告の中で申し述べることになった事項について申し上げます。

   議第15号に対する共産党議員団の意見

 北館の建替えを早期に実現することを含め、防災拠点病院としての一層の機能強化に努めること。

   議第17号に対する共産党議員団の意見

 未償還残高は5,300億円を超え下水道会計を大きく圧迫している。

 よって理事者は、建設改良事業の内容を精査して過大な投資とならないよう厳に戒めるとともに、高率企債の借換え等最大の努力をすべきである。

   議第19号に対する共産党議員団の意見

1 地下鉄建設延伸に当たっては、関係住民の声をよく聞き進めること。

2 地下鉄建設には多大な工事費が掛かり企業会計を大きく圧迫しているが、こ れは建設費に係る国の補助制度が劣悪なことに起因している。

  よって理事者は、今後の建設を円滑に進めるために補助制度の抜本的な改善 を国に強く働き掛けるべきである。

3 3月8日、東京営団地下鉄で電車が脱線衝突し5名の死亡、多数の負傷者を 出した。乗客の安全確保は事業者の使命である。今、プログラム21により人員 の削減や整備の緩和が行われようとしているが、安全をリストラの対象にしな いことを厳に求める。

   議第18号及び議第19号に対する民主・都みらい議員団の意見

 まちづくり、環境、移動、市民の健康など都市活動全体に影響を及ぼす都市交通政策について、先行自治体は早くから打開の方策としてコミュニティバスの運行、パークアンドライド、環境定期券の発行など新しい発想で実験、実施に取り組んできた。

 歴史都市、文化都市、観光都市、COP3開催都市、環境先進都市を標榜する本市こそ、東京都などが打ち出したロードプライシングの導入など車中心都市からの転換のため、他の自治体に先駆けて積極的に様々な社会的実験を試み、公共交通機関を中心とした新しい都市交通政策発信都市としての方向性を明確にすべきである。

 以上であります。これをもちまして委員長報告を終わります。(拍手)

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る

 

●3月定例市会委員報告要旨●

  民主・都みらい市会議員団   鈴木マサホ議員

●議長(二之湯智君)●日程第8、●議第58号京都市都市計画審議会条例の制定について●を議題と致します。

 建設消防委員長の報告を求めます。建設消防委員長鈴木マサホ君。

 〔鈴木建設消防委員長登壇(拍手)〕

●建設消防委員長(鈴木マサホ君)●本委員会に付託されました議第58号京都市都市計画審議会条例の制定について、審査の過程において論議されました主な事項とその結果を御報告申し上げます。

 当委員会と致しましては、3月9日の本会議において付託を受け、3月27日に都市計画局に対する質疑を行った次第であります。

 今回提案の条例について理事者から、これは地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律、いわゆる地方分権一括法の施行に伴う条例整備のうちの一つである。具体的には、従前の都市計画審議会は法律に基づかない条例により設置していたが、この度の都市計画法の改正に伴い、市町村の都市計画審議会が都市計画法上の組織として位置付けられた。これにより従前の都市計画審議会条例を廃止し、審議会の組織及び運営について新たな条例を制定しようとするものである。

 審議会の委員構成及び委員数については、学識経験者、市会議員、国の関係行政機関の職員又は京都府の職員など28人以内で組織する。委員の任期については、2年であるが最初の任期に限り1年としている。これは市会推薦の委員については2年の任期のうち既に1年を経過しているので、仮に現在の委員に引き続き委嘱することとなっても改選時期との関係で従来の推薦の方法に支障がないよう考慮したものである。なお、現行の都市計画審議会条例は新たな条例の施行と共に廃止されるとの説明がありました。

 これらに対し、審議会の決定権限の内容、委員選任の基準と公開の考え、審議会への行政意見の反映、審議会の公開や情報提供の在り方、審議会への地元住民の視点の反映などについて論議が交わされ御意見がありました。

 概略、以上のような委員会審査の後、更に各派の議員会において御検討いただき、その結果を昨日の委員会で御発表願いましたところ、次のとおりでありました。

 すなわち自民党、共産党、民主・都みらい、公明党の各議員団は、いずれも原案に賛成するとのことでありました。

 そこで本案について直ちに表決を採りましたところ、ただ今お手元に配付してあります委員会報告書のとおり、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定した次第であります。

 続きまして付帯決議の調整を行いました結果、1個の事項を会派の意見として委員長報告の中で申し述べることに決定致しました。

 それでは会派の意見として委員長報告の中で申し述べることになった事項について申し上げます。

   議第58号に対する共産党議員団の意見

 市長が委嘱する都市計画審議委員の人選に当たり、学識経験のある者及び住民代表については、選考基準を明確にして公正、民主的に選ぶべきである。

 以上であります。これをもちまして委員長報告を終わります。(拍手)

メールを出す   ホームへ戻る   ページへ戻る