◆(石黒利雄君)
民主・都みらい京都市会議員団の石黒利雄でございます。平成7年に伏見区から当選させていただき今回で6回目の質問となりました。市長はじめ関係理事者の明快なる答弁を期待致します。
まず初めに教育問題について質問させていただきます。
去る3月19日に21世紀の児童の健全育成を目指した地域と学校における諸活動の振興と連携の在り方懇話会から桝本市長へ地域の教育力の活用や地域でのスポーツ活動の支援などを盛り込んだ答申が提出されました。主な提言事項は、地域活動においては各小学校区、中学校区ごとで地域における子供たちの健全育成活動を総合的にコーディネートする体制の整備を図る。具体的には地域の隠れた人材を発掘し、子ども育成ボランティアバンク制度を創設する。地域の各種団体と地域を越えて活動する青少年育成団体との連携の強化を図る。地域による自主的な管理の下、特別教室の機能の活用も視野に入れた積極的な学校施設の開放を進める。また行政としては、子供たちの健全育成にかかわる関係機関の連絡調整の場を創造するなど総合的で効果的な支援体制を構築する。スポーツ活動については、子供のスポーツ活動は地域住民により主体的な推進を図る。具体的には地域諸団体のスポーツ活動への積極的な支援と地域指導者の充実を図る。地域住民の運動欲求に対応できるスポーツ活動の環境充実を図るなどの提案がありました。
私も地域社会、体育振興の指導者の一人として提案に沿って実施に向けて検討していく必要性を感じました。あたかも向島5学区体育振興会において、学区を越えたスポーツの振興と地域住民の連携、親睦を図るため5学区体育振興委員会を設立するための準備が整い、学校関係者の御理解と御協力をいただき本年6月にも委員会が発足する運びとなりました。このことは青少年の健全育成を目的とした地域のスポーツ活動の振興とも深く関連しており、地域の状況を踏まえた地域諸団体の連携をキーワードとされたところと一致した取組であると考えております。教育委員会として御協力いただきたくお願い致すところであります。
教育委員会では、小学生を対象に自然と触れ合う課外活動にも重点を置かれ、花背山の家や奥志摩みさきの家を設置され野外教育の充実を図られているところであります。花背山の家は小学校4年生が、奥志摩みさきの家では小学校5年生が利用しておられます。自然と接する機会が少なくなった京都市の子供たちに自然の中での生活を体験させ、自然に親しむことを通じて自然を理解し自然を愛する心情や自然を保護する態度を培う。共同生活や野外活動によって責任の自覚や所属感を育て互いに協力する態度を養うことを狙いとして、平成12年度は花背山の家では延べ利用人数10万519名、奥志摩みさきの家では延べ利用人数3万7,341名にも及んでおります。民主・都みらい議員団で奥志摩みさきの家を視察した際に現地でお話を聞きましたところ、子供たちは参加することをとても楽しみにしており、少々体調が悪いときでも無理をして参加し、結局は熱などが出て現地の保健室で過ごしたケースもあるとのことであります。奥志摩みさきの家では、地元の皆さんの献身的な協力体制も整っており、施設管理に多大の御貢献をいただいているとも承っております。その中で利用者や指導の先生方から一つだけ問題点が指摘されております。それは花背山の家には設置されていて奥志摩みさきの家では設置されていない施設があるとのことであります。それは食堂であります。奥志摩みさきの家では業者の弁当を利用しているということでありますが、雨天時では宿泊施設の中で食している。業者も3回も変更されている。お弁当を残す子供もおられるとの報告を受けております。現地には広さ560平方メートルのプレーホールもあり、これを活用し食事ができる工夫をされればと考えます。更なる活動の充実と併せ施設の充実について教育長からお答えください。
次に、環境問題について質問させていただきます。
1997年12月に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議いわゆるCOP3が開催され3年6箇月が経過しました。地球温暖化とその影響は単に気温が上がるだけではなく、経済や社会どころか私たちの生存をも脅かしかねません。なぜなら地球は温室のように大気が太陽の熱を逃さないため、地表の平均温度は15度とビニールハウスの中のように暖かです。これは健全な温室効果であり、もし大気がなければ地表はマイナス18度になるとも言われています。ところが二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度が上がると温室効果が進んで気温が上昇することとなります。世界の科学者で作るIPCC、気候変動に関する政府間パネルは、このままでは今後100年間に最大で5.8度も上昇すると予測しています。この変化のスピードは、氷河期が終わった後の温度変化の数千倍という大変な変化であります。行政が果たさなければならない事項、市民の皆さんが果たさなければならない事項、それぞれの役割の中で考え行動していかなければなりません。
私も、今までの本会議や委員会で数回において指摘質問させていただきました。その中で環境問題は、行政では環境局がと思われている傾向があるのでは、また市民レベルでは他人任せという傾向もあるのではないかと思われて仕方がない状況に置かれている感もしています。
京都市においては、京都市基本計画において環境を基軸とした政策の展開を目指し、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会システムに支えられている豊かな暮らしは今大きな危機に直面している。とりわけ資源の枯渇と環境への負担の増大は、地球環境、将来世代への空間的、時間的にも影響力を及ぼすものでもあり、自然の持つ復元力を超え人類の生存さえも危なくしている。このためあらゆる政策の基本に環境を置いて計画を策定すると定めておられます。誰もが安心して暮らせるまち、環境への負担の少ない持続可能なまちを作ることを目指して、市役所での環境マネジメントの国際規格いわゆるISO14001の認証取得をはじめ、環境問題に関心を持つ多くの事業者、団体等が日常的に環境保全活動に取り組むことができるよう、規格の内容が平易で取り組みやすく低コストで取得できる京都市独自の認証制度、京都版環境管理認証制度、略称KESの創設や、加えて宿泊施設等、観光関連施設における環境保全活動の取組促進、京都ならではのエコツーリズムに関する企画、調査、研究や情報発信の着手など多くの取組が今後進められようとしております。エコツーリズムについては、宇多野ユースホステルの改築の中でも生かされていくことが可能と考えます。指摘しておきたいと思います。
今回、環境省設置法の一部を改正する法律案が成立し4月13日に公布されました。このことは環境問題への国際的取組の中で我が国が積極的かつ主導的な役割を果たすためには、地球温暖化防止をはじめとする地球環境保全に関する国際交渉に適時的確に対処していくことが不可欠であり、国際交渉等の高度な専門性が必要とされる交渉に臨むことも求められるなど環境に関する専門的な知識を有し、かつ高いレベルでの交渉に従事できる者の必要性が増大している。また従来、地方における環境省所管事務に関する調査、資料の収集及び整理並びに相談に関する事務については、総務省の管区行政評価局及び沖縄行政評価事務所が分掌していたが、環境省自らが環境に関する調査等の事務を行うことにより地域の環境の実態等を機動的かつ詳細に把握し、環境政策の企画立案に迅速に反映する体制の整備が重要とされている。こうした状況に対応し、環境行政の一層の推進を図るため環境省に新たに地球環境審議官1名を平成13年7月1日より設置、加えて地方環境対策調査官を平成13年10月1日より全国に45名の配置を認めようとするものであり、平成13年2月6日に閣議決定され同日国会に提出されたものであります。このことは本市にとってどのような変化また影響があるのか環境局長の答弁を求めます。
バイオガス発電などについてお伺い致します。
平成11年度に欧州行政視察においてドイツのフライブルク市ごみ処理センター、そしてチューリヒ郊外のごみ処理会社を訪問させていただきました。ごみ処理技術と共にごみを有効活用するための新しいエネルギー生産システムが続々と設置されている現状を視察させていただき環境問題への取組の重要性を認識させられたところであります。その詳細は調査報告書のとおりであります。
本市におかれては、伏見区下鳥羽においてバイオガス化技術実証プラントを設置され、国や民間企業などと協力して実証研究を行われておりますが、その研究成果と今後の展開、可能性についてその報告を求めます。バイオガスの利用については、平成12年3月に作成された京都市地域新エネルギービジョンにも重点プロジェクトとして位置付けられており、今後の事業化が期待されています。そのパイロットプロジェクトとして、国の補助を受けて京都市が民間のバイオガス研究会などと共同で伏見区で実証研究を行っているバイオガスとは、都市ごみ中の厨芥や有機性固形廃棄物、いわゆる生ごみを嫌気発酵処理することにより発生するメタンが主流のバイオガスを利用するもので、その利用先は、ガスエンジンや燃料電池を使った発電、自動車燃料、各種燃料に供することができる。ガス発生源としては、生ごみ以外にも下水処理汚泥や畜産廃棄物、食品廃棄物、例えばおからなどが利用することができ、CO2 削減が危急の問題として叫ばれる中、いかにして化石燃料の使用を抑制し、新エネルギーを活用するかが求められている。その中でいち早くバイオガスの活用に取り組んでいる本市において実証研究のその後の事業化の可能性についてお答えください。
今年3月22日に開催された公営企業予算特別委員会の討論結了において、議第18号に対して民主・都みらい議員団の意見として、地球温暖化、気候変動による都市の浸水、ヒートアイランド、大気、水質汚染、交通事故、渋滞、都心部の空洞化、災害時対策など車依存社会の社会的総合コストは便益効果をはるかに超え、都市における市民の生命、健康、経済、商業活動、日常の生活にも重大な影響を与えていることが今日では明白に証明されている。高齢社会対策、環境先進都市を目指す本市は、世界の先進各都市が都市の再生、活性化のために取り組んでいるTDM施策導入など公共交通優先政策の推進、実現に向けて一層取組を強化すべきであると指摘して参りました。多くの賛同を得ることができず会派意見となりましたが、その後3月30日付の京都新聞において、京都市が自動車公害防止計画を発表され、低公害車の普及やアイドリングストップ運動などを重点施策としたのに加え、公共交通や自転車の利用促進などで自動車の流入や利用を抑える交通需要管理施策いわゆるTDM施策が打ち出されました。
自転車利用促進、アイドリングストップなどについても民主・都みらい議員団から再三にわたり指摘させていただいたところでもあります。また地球の環境保全のために知恵を出し合おうとNPOの気候ネットワークや大学教授らが4月21日、京都発!地域の温暖化対策を考えるシンポジウムを開催され、二酸化炭素を減らすために家庭や職場で取組を進めることや交通機関と環境のかかわりなどについて意見やアイデアが出されました。京都大学助教授藤井先生は、自動車が排出する二酸化炭素を減らすためには都市への車の流入規制は非現実的な話ではないと指摘され、研究結果を示し、規制で車の利用が減少、結果として周辺部の混雑が減ることや、車が減れば歩行者が増えてまちのにぎわいが戻ることになると説明されました。同志社大学教授新川先生は、交通の担い手は生活者一人一人。暮らしが変わらないと交通の在り方が変わらないと指摘され、市交通局の担当者は、市バスと地下鉄の利用客が1日計約64万人という現状を紹介し、昨春から都市部で始めた100円バスの取組が定着しつつあると説明されました。
また2000年12月に開催された市民が進める温暖化防止2000における市民主導でエコロジカルな都市交通分科会において、100円循環バスを紹介し一般車両の都市部への流入、観光シーズンの交通渋滞と共に大きな問題点として挙げられました。100円バスの現状と今後の展開、加えてTDM施策の取組を進めるに当たり、その決意についてお答えください。
また都市型水害に対応して、国は年内にも都道府県が管理する2級河川などの中規模河川を対象とし、豪雨の際の水位やはん濫の危険性を知らせる洪水予報を出す方針を固められました。これは最近道路がアスファルトで固められていることで、雨水が浸透しないまま川に流れ込み、水位が急激に増えてはん濫する都市型水害が増えているためであります。本市においては浸透型アスファルト舗装や浸透性ブロック舗装の採用を進めておられますが、その現状と今後の取組についてお答えください。
市バスにおける軽油消費量は一般路線で平成11年度1,432万3,814リットルであり、この効率化も環境問題と切り離して考えることはできません。バイオディーゼル燃料の採用や低公害車の導入など更に進めていかなければなりません。
しかしながら、当面表定速度の向上が交通局財政に大きく寄与するものと考えますが、現在表定速度時速14キロメートルの改善策について具体的な取組をお示しください。名古屋市では基幹バス運行により時速16キロメートルとも聞いております。加えて本年4月よりガイドウエーバスの運行も開始されたところでもあります。またバイオディーゼル燃料の導入については、交通局は導入前に非課税となることを確認したうえ昨年4月から軽油とバイオディーゼル燃料8対2の割合で混合して使用してこられました。
ところが地方税法を根拠にする今回の課税は、軽油もバイオディーゼル燃料も同じ道路を走る車両の燃料だから混合した場合は税の公平性のためにはどちらにも課税するというもので、環境が叫ばれている現在の世界の趨勢に反する悪法と言わざるを得ないものであります。具体的に世界各国では、例えばフランス、イタリア、オーストラリア、チェコ、ポーランドにおいては非課税であり、アメリカでは軽油にバイオディーゼル燃料を20パーセント混入したものは代替燃料と同等にみなし3億3,000万ドルの免税措置を検討しているとのことであります。京都市において責任ある論議を行う必要性があると思われますが、いかがお考えでしょうかお答えください。
次に、交通局の経営改善及び乗客の利便に、地下鉄コンコース内にコンビニの設置は検討をされたのでしょうか。
過日、民主・都みらい議員団の視察で名古屋市交通局を訪問させていただき驚くべき状況を視察させていただきました。同局では、平成4年度から付帯事業の一環として経営改善及び乗客の利便に資することを目的に駅構内店舗を直接設置する事業に取り組まれ、平成12年度末現在、同局が直接設置した店舗は13店舗に及んでおります。一般売店の設置及び経営は長らく外郭団体の事業として営まれていました。しかし駅構内の更なる活性化と増収を図るため、平成6年度に専門の民間会社に同局が直接業務を委託する手法を実験的に試みられたところ、当該実験店は、利用客から好評を博すとともに増収にも寄与する結果が現れ、それ以降は同様の手法により一般売店の新規設置を行ってこられました。同局が近年設置された一般売店は、道路管理者の規制緩和により可動式から固定式の店舗の設置が可能となり、併せて規模の拡大、販売品数の増加が図られ、コンビニの営業スタイルに近付いてきたことからミニコンビニとも呼ばれるようになりました。10平方メートルで年間1億9,620万2,000円の売上げを確保する店舗も可能となったところであります。検討されてみてはいかがですか、お答えください。
次に、低迷する経済の中、京都伝統産業が大きな影響を受けております。
本市におかれては、伝統の再生と新たな展開を目指し伝統工芸技術を生かした新たなる京都ブランドの創造、展開、職住一体の産地の振興、宣伝と和装文化の継承、繊維産業振興センターの整備、後継者の育成と伝統技術の継承など多くの施策の展開を計画しておられます。
2月定例会の本会議において我が民主・都みらいの小川議員が和装産業の振興について代表質疑を行った際に、京都市独自で伝統産業の日を設定することを発表されましたが、全国、世界に情報を発信して京都市、関係団体、企業、市民挙げてのイベントを実施してはどうか、業界の皆さんと調整していただきたいと考えます。いかがでしょうかお答えください。
本日の本会議において民主・都みらい京都市会議員団は、全員着物着用で出席させていただきました。各会派の御賛同をいただければ、きもの議会として情報の発信ができるものと考えます。御清聴ありがとうございました。(拍手)