カフェ改修作品 2005 
久永亜季  「ハスと浮島」 水に浮かぶ静かな空間

 例年、1年後期の設計製図はRC造の製図と美術館の自由設計を課しているが、その前にコピーをしながら学ぶ教科書の建物をカフェに改修してみようというショートプログラム課題を行っている。ほとんど原建物の通りに改修を行う現実的な案から、ほとんど原型をとどめない思い切った案まで色々な案が飛び出してなかなか楽しい。リフォームはこれからますます重要になって行くものと思われるが、限られた空間や構造の制限で腕を振るうのは実はとても難しい。2005年は久永君の水を使った案がグランプリに選ばれた。

   既存建物平面図 RC壁構造住宅

住宅をカフェに改修するという課題に、まず考えたのが、住宅の雰囲気のままでは物足りない。思い切り内部を変えてみようと。
私は水が好きなので、水を絡めた内部空間にして、水を真近に感じられ、静かにくつろげる場所というイメージに決めました。
室内の北側いっぱいに水を張り、そこに張り出した席でお茶をしてもらおうと。その際、室内の壁はほとんど直線で構成されているので、
それとの対比として、張り出した床を丸くし、そしてその床を浮島に見立ててみました。

  修案平面図                         


入口から入ってすぐに水が見えると驚きが少なくなるので、表から見えないように砂利道を少し歩いてもらってから室内に入るよう、入口を奥にもって行きました。

 改修立面図


水の張られた浮島部分は00のような大きな空間にしたく、2階を吹き抜けにする。室内の水と庭の水を隔てる壁を一部大きくガラス壁にして一体感を演出。

 改修された室内スケッチ


今回の課題で、前からあった水と建築空間をからめたいという思いを形にすることができ、たいへん楽しく進められました。 久永亜季