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箔の神秘的な輝きに魅せられて、その味わいをどの様に表現しようか……その1点にこだわり物作りを致しました。経糸には手撚りで金糸と糸を旨く絡み合わせ奥深い光沢をもたせ、緯糸には機場で織手が平箔を一筋一筋手切りで糸状に必要量だけ切り刻み、模様の感情を表現するため、平坦に又は斜めにと一越一越心をこめて織り上げた趣向性の高い袋帯に仕上げました。

軽くて締めやすいをモットーに、特殊撚糸の手紬糸を別誂えし、手織で一越一越杼ですくい、櫛を使って緯糸をつめ、より幻想的な波紋を描き新たな創造美を表現しています。日本古来の色彩をベースにして、緻密な模様表現を可能にしました。大島紬、織着尺などとの組み合わせに深い味わいがあります。

独自の技法で糸をひいた〈真綿〉を紡いで、ざっくりとした感じに織りあげたものと、平巻糸を緯糸にした〈上代〉とがあります。どちらも野趣に富んだ温か味のある風合いが魅力です。体の動きにつれて伸縮しますから、締めごこちの良い実用的な帯です。紬、小紋等のおしゃれ着向きの、渋好みの組合わせとして人気があります。