製作

こういった物はまず、図面おこしから始めます。画集「イントロンデポ」のモノクロページに側面図が載っているので、これを拡大コピー。全長何ミリと書いてあるわけではないので、何通りか拡大コピーしてみて、イメージにあったのを選び、それを元に図面をおこします。

次に、発泡スチロールでイメージをつかむためのモデル−1次原型(スタディモデル)−を作ります。縦、横に厚みが加わると、またイメージが違って見えますし、こういう手で持つ「道具」はいくら図面では使いやすそうでも、実際に立体におこしてみると、使いにくい例がかなりあります。ゴングを例にしてみると、トリガーガードが小さすぎて指が入らないとか。これで得られたデータを元に図面を変更します。

その図面を元に、今度はBB弾を発射するためのシステムが動くかどうかをチェックするためのモデル−2次原型(プロトタイプモデル)−を作ります。今度はスチレンボードを用い、各部の厚みを考えなが作ります。スチレンボードなら加工がしやすいし、両面テープで止めていってやれば、接着剤を乾かす時間もいりません。内側にメカを収め、外側をカッコ良くと、これを考えながら図面を引くのはたいへんですが、立体で作ってみると案外理解しやすいものです。つまり、2次原型は、3Dの設計図のような物です。

2次原型を元に、最終原型(GKで言うところの原型)を作ります。内側にエアガンを仕込むということで当然中空。中でメカがずれると困るので、内部もある程度精度が必要。ということで、プラ板の積層削り出しという、ガンプラブーム以前の手法を使いました。これがプロメーカーならCADで設計して、エンジニアリングプラスチックの塊からNC旋盤で削り出すんですが。でも、プラ板の積層削り出しも捨てた物ではなく、精度が出しやすいし、エッジも立つ、何より安い!

と、ここで原型監修の写真提出日がきてしまい、あわてて形にします。 写真を撮ったら、ダミーで作った部品を外して製作再開。

バレルはABSパイプ。そのリブは0.3ミリのプラ板を巻いて作りました。フォアグリップは最初はスチレンボードで作り、プラパテで表面処理をしましたが、押さえるとヒビが入ってしまうので、泣く泣く壊してエポキシパテで作り直し。

グリップはスカルピー(加熱すると固まるプラスチック粘土)を盛り付けて形を出し、本体からそっとはずしてオーブンで加熱して固め、形を整えてから再接着します。

各部品は、ほとんどプラ板の積層削り出しです。リアサイトは、実際に左右に調整できるように可動式に作ってから、接着剤を流し込んで固定します。ヘタに溝を彫るより、よほどてっとり早いですし、エッジもきれいに立ちます。コッキングハンドルは、ホームセンターで買ってきた木のボールを加工。
後は、細かい部分にペーパーがけをして完成です。


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