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多発性硬化症センター

今日のMS研究の方向性

MSは、従来、脱髄疾患として位置づけられ、軸索が傷害されるのは脱髄病変による二次的な損傷であると理解されてきました。基本的には、現在でも修正されたわけではありませんが、近年の様々な研究から、軸索は一次的にも傷害されうること、病初期から軸索傷害が進行し、脳萎縮が進行することが判って参りました。

欧米のMS研究者の中には、MSは変性疾患である、と主張する人もいるくらいです。神経細胞が傷害されることは、その部分が後遺症として症状が固定化されることを意味するため、早期診断と再発予防や進行抑制を目的とした、早期からのインターフェロン投与の必要性が強調されました。

MRIの診断法としての重みが増し、診断基準の重要性が以前よりさらに増し、今日でもMcDonaldの診断基準は修正をされ、より診断の特異性と感受性を高める努力が続けられています。

現在の治療法は中枢神経の炎症反応を抑制することが主体で開発されており、今後もモノクローナル抗体を中心に、併用療法など多くの治療法が我が国にも導入されるはずです。一方、「変性疾患」としての位置づけから容易に想像できますように、通常の変性疾患と同様に、根本的な治療法の開発は将来に待たねばならないとしても、神経細胞の変性を抑制する治療法も今後、開発されてゆくと思われます。

MSはまだまだ難病と言って良く、治療に難渋する疾患ではありますが、対症療法やリハビリも含め、患者さまに少しでも福音をお届けできますよう、私たち一同、臨床研究も含め、頑張りたいと考えております。

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