投資先の選定と投資組合の設立について

私がベンチャー・ビジネスこそが日本の救世主だと確信し研究を始めまして
より早や7年になろうとしております。この研究成果をさらに発展させるた
め昨年春に学界から岡本道雄京都大学元総長並びに熊谷信昭元大阪大学総長
、産業界からは川上哲郎元関西経済連合会会長、牛尾治朗元経済同友会代表
幹事並びに稲森和夫京都商工会議所会頭を初めとして現在の日本を動かして
おられる方々を顧問にお迎えし、約300名の会員と伴に関西ベンチャー・
ビジネス研究会を組織しました。

   


関西ベンチャー・ビジネス研究会の活動

平成11年に発足しました関西ベンチャー・ビジネス研究会もすでに2年
近くが経ちました。この間、(株)関西ベンチャー・キャピタルをみなさ
んのご協力を得て平成11年7月に設立し、現実にシーズ及びアーリース
テージ段階のベンチャービジネスへの投資を行うことを目指してきました

研究会はこれまで次のような活動を行ってきました。

第3回

平成12年5月に、「ベンチャービジネスの立ち上げ方」というメインテ
ーマで研究会を行いました。場所は京都リサーチパークでした。

 次の方々のご講演をいただきました。ベンチャーキャピタル業務で成功
されておられる方の講演は貴重なものでした。

吉田和男 京都大学教授
       「ベンチャーへの投資、シードインベストメントノ仕組み」

川分陽二 フューチャーベンチャーキャピタル社長
                 「ベンチャービジネスの成長、上場までの道」

森脇弘之 関西ベンチャー・キャピタル社長
                 「関西ベンチャー・キャピタルの投資方針とビジネスプラン

第4回

平成12年7月に、京大会館で研究会と懇親会を行いました。次の講演を
行いました。当研究会の1年間の総括でもありました。

吉田和男 京都大学教授
 
               
「ベンチャービジネスの現状と今後の動き」

第5回 

平成12年9月に、ベンチャーねるとん大会−ベンチャーしたい人全員集
合−ではベンチャービジネスを志す若者とそれを支援する人々を結びつけ
る直接意見交換会として京都商工会議所の後援を受け、オムロンの研修所
をお借りして一泊で行いました。これは例年21世紀日本フォ−ラムの事
業として行っている「学生塾」と共催して学生への啓蒙の意味も持って行
いました 参加者は京都大学、京都工芸繊維大学、関西大学の学生といっ
た若者、ベンチャーキャピタル、実業人等が参加し、それぞれのベンチャ
ービジネスの考え方を述べさせてお互いにアドバイスなどを行ってベンチ
ャービジネスへの思いを高くしたところです。

      

(株)関西ベンチャー・キャピタルの活動

 この研究会の提言に基づいて、ベンチャー・ビジネスへの投資の中心的
な実行母胎となります滑ヨ西ベンチャー・キャピタルが研究会会員のご出
資、ご支援の下で、昨年7月に創立されました。関西ベンチャー・キャピ
タルはおそらく日本で初めてのシード(事業の種)、スタートアップ(会
社の設立)段階ののベンチャー・ビジネスの設立、発展を支援する会社で
す。これまでの日本のベンチャー・キャピタルは既にある程度大きくなっ
たベンチャー・ビジネスまたは、中小企業に投資し、上場に導くことを中
心的な業務としてきています。この結果、日本のベンチャー・キャピタル
の投資額の内、アーリーステージ(設立を含め設立間もない企業)への投
資は
2割以下の状況となっています。特に、シード、スタートアップの段
階への投資は3%程度になっています。アメリカではアーリーステージへ
の投資は
8割であり、シード、スタートアップへの投資は3割を超えていま
す。この差が日米のベンチャー・ビジネスを生み出す力の差になっていま
す。関西ベンチャー・ビジネス研究会・滑ヨ西ベンチャー・キャピタルは
このシード、スタートアップの段階へ投資することで日本においても本格
的なベンチャー・ビジネスの発達を生み出すことを狙っています。

 関西ベンチャー・キャピタルが発足して1年半が経過しましたが、その
間約160件の案件が持ち込まれました。関西ベンチャー・キャピタルの
役員顧問に加えて研究会のメンバーの支援の下、案件の審査と事業計画書
の指導を鋭意行ってきました。しかし、これまでシード段階での直接投資
がほとんど行われて来なかったことから投資の基本条件を満たす投資対象
がなかなか決まらず会員の方々にはご猶予を願って参りました。(株)関
西ベンチャー・キャピタルはここに来てようやく産学連携により生まれた
優れた特許を基礎にした環境分野での技術開発型の、極めてシーズ段階に
近いスタートアップのベンチャー・ビジネスであるアワーズテック株式会
社への投資事業組合を組織することを決定しました。

 これを機会に技術開発型の投資組合の設立を目指します。応募された資
金はアワーズテック株式会社のみならず今後選定される技術開発型の新た
なるベンチャービジネスへ投資して参ります。滑ヨ西ベンチャー・キャピ
タルは投資組合の設立手続きを行うとともに、投資事業組合の無限責任組
合員及び任意組合の執行組合員となって資金を運用し、投資先ベンチャー・
ビジネスへの指導を行っていくことになります。

 関西ベンチャー・ビジネス研究会の設立の趣旨には(株)関西ベンチャ
ー・キャピタルの活動における新たな投資先の選定と投資先企業の支援と
に引き続き協力し、今後の日本のベンチャー・ビジネスの発展のために努
力したいと思います。

 近く関西ベンチャー・キャピタルから投資組合への出資の御案内が皆様
方のお手元に届くと思いますが、ベンチャービジネスのしかも初期段階の
企業への投資は極めて危険が高いことを充分にご認識頂きたいと思います。
もし、出資先の企業が上場を果たした場合、大きな見返りが予想されます
が反対に投資先が破綻したような場合は出資金がそっくり損失になってし
まいます。この損失危険は一企業の状況だけでなく、経済の変化や社会状
況の変動といった予想不可能な要素によっても会社の損失は起こり得ます。
当研究会は事業の選定に協力し経営指導も行っていきますが投資先の経営
結果には一切責任を負いません。 又、研究会の代表世話人、顧問や世話
人も個人として皆様方の投資の安全性を保証するものではなく、損失が生
じた場合の責任も一切負いません。よって皆様方が出資を行う場合は完全
な自己責任でもって自己判断される事が要求されます。
 なお、これを機会にご友人やお知り合いにお声を掛けて頂き研究会への
入会を呼びかけていただくようお願いします。ご参考のために研究会の概
要を下記します。

    

関西ベンチャー・ビジネス研究会の概要

 関西ベンチャー・ビジネス研究会は日本のベンチャー・ビジネスを興し
ていく「インフォーマル・ベンチャー・ネットワーク」として顧問や世話
人の方々のお骨折りで平成11年
4月9日に発足しました。
今日、日本経済の活力の低下が懸念され、
21世紀の日本経済を築いていく
ためにはベンチャー・ビジネスが是非とも必要と
の考えが日増しに強くな
り、政府、地方公共団体からも積極的なアプローチが行われています。
 しかしながら、ビジネスを興せるのはビジネスマンしかありません。
さらに、ベンチャー・ビジネスの発展には、アメリカのマサチューセッツ
工科大学(
MIT)やスタンフォード大学のような例にありますよう、大学
が一つの拠点になることが極めて重要です。そこで、関西ベンチャー・ビ
ジネス研究会は、大学人からの呼びかけとして大学・産業・官庁の三者の
共同のベンチャー・ビジネス育成推進母体として発足いたしました。
 アメリカでもベンチャー・ビジネスを興すためには、ベンチャー・ビジ
ネスを行おうとする者とそれに投資しようとする者を結び付ける、インフ
ォーマル・ベンチャー・ネットワークの存在が必要となります。そこで、
この研究会は
MITテクノロジー・ネットワークのような非営利組織をモデ
ルとして、ベンチャー・ビジネスの志願者、シード、出資者、研究者、
評価者などを総合的に結び付けることを目的としております。
 この研究会は、会員間で相互に情報の提供を行うと共に、ベンチャー
事業とリスクを引き受ける資金との結びつきを実現するための「場」と
して参りたいと考えています。具体的にはここで、志願者は資金調達し、
資金保有者はベンチャー・ビジネスへ投資するといった「場」となります。
この結びつきがベンチャー・ビジネスを生み出し、日本経済を変えて行く
ことになります。
 今後、多くの投資家にこの研究会に参加していただいて、ベンチャー・
ビジネスが容易に資金調達を行っていくことができるようにすることが
重要です。そのためには、できる限り多くの方のこの研究会への参加が
必要になります。ぜひ、皆様方のお誘いをお願いする次第です。
ベンチャー・ビジネスのチャンスはますます広がっています。これに対
するイノベーターになる方々のご参加を期待しております。
 なお、当研究会は、通信費等として年間5,000円の会費を徴収させて
いただいております以外は、まったく義務のない組織です。是非、多
くの方々のご参加をお願いします。

    

会員数(平成12年12月末) 約300名

世話人会

 代表世話人

     吉田和男      京都大学教授                                                              

顧      問

浅田和男
井手正敬
稲盛和夫
牛尾治朗
岡本道雄
川上哲郎
熊谷信昭
佐々木正
棚橋祐治
能村龍太郎
堀場雅夫
NTT西日本社長
JR西日本社長
京都商工会議所会頭、京セラ名誉会長

元経済同友会代表幹事、ウシオ電機会長
元京都大学総長
元関西経済連合会会長、住友電工相談役
元大阪大学総長
元シャープ副社長
元通商産業省次官
太陽工業株式会社会長
株式会社堀場製作所会長
世  話 人
(学界) 赤岡  功
井上一郎
茨木俊秀
加護野忠男
上林弥彦

酒井英昭
島田晴雄
田尾雅夫

谷吉  樹
角田隆太郎

日置弘一郎
平井聖司
藤江俊彦
柳原範夫
淀井淳司
京都大学教授
京都産業大学教授
京都大学教授
神戸大学教授
京都大学教授
京都大学教授
慶應義塾大学教授
京都大学教授
奈良先端科学技術大学院大学教授
立命館大学教授
京都大学教授
近畿大学教授
淑徳大学教授
京都産業大学教授
京都大学ウイルス研究所教授
(官界等) 小堀  脩
竹内  脩
中野美明
藤本圭司
京都商工会議所専務理事
大阪府教育委員会教育長
京都市観光産業局商工部長
京都経済同友会事務局長
(産業界) 上村多恵子
江口克彦
尾崎安彦

帯野久美子
嘉納毅人
神蔵孝之
上坂  清
川分陽二
千畑一郎
辻   理
野宗邦臣
野村  透
文箭安雄
松下  滋
道端  進
村田純一
森脇弘之
京南倉庫株式会社社長
株式会社PHP研究所副社長
関西電力株式会社秘書部長
株式会社インターアクトジャパン社長
菊正宗酒造株式会社代表取締役社長
イマジニア株式会社代表取締役社長
NTT京都支店長
フューチャーベンチャーキャピタル株式会社代表取締役
田辺製薬株式会社相談役
株式会社サムコインターナショナル研究所代表取締役
ザ・インクテック株式会社常任監査役
株式会社京都リサーチパーク元社長
日本ベンチャーキャピタル代表取締役副会長

株式会社三和総合研究所理事
京都中央信用金庫理事長
村田機械株式会社社長
株式会社関西ベンチャー・キャピタル特別顧問

(専門家) 稲田朋美
片岡  宏
橋本長平
細川信義
柳野隆生
弁護士
弁理士
弁護士
公認会計士
弁理士
50音順、敬称略)