【12月12日(火)】
●ずっと準備を進めていた日本推理作家協会のホームページがようやくオープン。作家プロフィールが検索できるだけでなく、そこからすぐbk1に飛んで本が買えるようになっているところがポイント高し。
【12月13日(水)】
●前の晩から某大物作家と長電話。最初は別の用事だったのだが、最後にはどうやったらそんなにたくさん書けるかという話を拝聴。「君だってできるよ」「無理です」「やればできるって」「無理……だと思うけどなあ」「そんなことない」
そうだといいがなあ。
【12月14日(木)】
●久々に街中へ出たので、あれこれと買い物をしてしまう。「リヴァイアス」とキリンジのプロモDVD、いまだ戻らないCubeのためのAirMacとカード、『機神兵団』まとめ買い、『岡山女』などなど。
●年末恒例のK川書店忘年会は、体制の変更により多数の引き継ぎが発生し、大挙して編集者が来ていた。作家側は綾辻、法月、我孫子に小林泰三というメンツ。中華料理を食べつつカップヌードルから葉月里緒菜まで(?)様々な雑談をしていると、明日学会で(民俗学会? 妖怪学会?)発表をするために来ていた京極さんなども合流。いつにない大人数になる。
●といっても食事後はなぜか麻雀と決まっているので、二手に別れ、綾辻、我孫子とY下、M浦、G司、H内の六人はタクシーに乗って雀荘へ。
【12月15日(金)】
●人数が六人だったので、東風戦でサクサクと進める。最初は2位、3位といつもの調子だったのだが、いつもと違いアルコールを飲まずにこぶ茶やコーヒーを飲んでいるうちに絶好調に。たいしたことない手でもハイテイがついてワレメの親などで倍々になり、飛ばしたりと悪魔のような所行。
終わってみればチップなども合わせて24900ガバス。対照的に綾辻名人は絶不調で一度もプラスにならないという惨澹たるありさま。こんな名人を見たのは初めてかもしれない。
五時頃、「モーニングサービスでラーメンかうどんかいかがですか?」というので「じゃあラーメンを」と頼むと出てきたのはなんと丼に入れたカップヌードル。ちょうどゆうべ「最近のカップヌードル(普通の奴)は食べてみたらうまくなってるかもしれない」などという話になって「今度食ってみよう」と言っていたところだったのでシンクロニシティ。
「今日は何もかも思い通りですねえ」とはM浦嬢の弁(でもこの人もプラス)。
来世紀はいい世紀になるかもね。
【12月16日(土)】
●「本格ミステリベスト10」は創元から原書房に移って、ようやくまともなレイアウトになったと評判。売れ行きも好調らしいから、本格の未来は明るい……?
●録画してもらっておいたBSの「いっこく堂と世界の腹話術師」(そんなタイトル)は以前のラスベガスの舞台から、外国の腹話術師中心に編集し直したもののようだ。外国にはいっこく堂級の人はごろごろいるということが分かって、あらためて日本のエンタテインメント(特に舞台)の層の薄さを思い知る。
【12月18日(月)】
●「ハムナプトラ」「ゴッドアンドモンスター」とブレンダン・フレイザーの二本を続けて観てしまう。「ハムナプトラ」はまあよくできた冒険物。「ゴッド〜」は地味ながらなかなか味のある作品。
【12月19日(火)】
●倉知淳『壺中の天国』(角川書店)。
この執拗なディテイルは一体どうしたことだ。いつからこんな作風になったのだろうか。
これらが楽しめる人にはいいのかもしれないが、しつこいまでの文章実験、細か過ぎるディテイルに正直辟易。
同じ電波文でも牧野修なら笑える(かつゾワゾワ感もある)のに、ここに書かれた電波文は「よく書けました」という印象しか持てないのはなぜだろう? 実際非常によく書けているだけに不思議だ。真面目過ぎてユーモアが感じられない(あるいは波長が合わない)ということではないかと思うのだが……。盆栽やフィギュアのディテイルやおたくや老人のしつこい描写にも同じものを感じる。
評判がいいからにはミステリ的に何かあるのだろうと頑張って最後まで読んだが……『星降り山荘』や『過ぎ行く風はみどり色』のような大技があるわけではなく、いつもの無理なロジックとあっけない結末だったので少々がっくり。
【12月20日(水)】
●実家から送ってきた食品の中に世紀越えせんべいというものが。ホームページアドレスが書いてあったので覗いてみたのだが、銚子市では「世紀越え事業」というものをやってるんだそうな。なんだかなあ……。