ごった日記2001 1月1日〜31日


【1月1日(月)】
●21世紀は何事もなく明けたようで、おめでとうございます。今世紀もよろしく。

【1月2日(火)】〜【1月8日(月)】
●何があったか記憶になし。仕事をしていたと思う。

【1月9日(火)】
殊能将之『黒い仏』(講談社ノベルス)。
 『美濃牛』は「普通」と聞いて読みそびれていたのだが、届いた本書をぱらぱら見ていたら探偵コンビの快調な会話に乗せられて一瞬で読んでしまい、そして呆然。何だこれは。
 似たようなことを考えていないでもなかったので、作者の気持ちはよく分かるのだが、読者としては余り楽しいものではないと改めて思う。書きっぷりは相変わらず好きなので何とも複雑な気持ち。
 同じ探偵役が出てくるはずの『美濃牛』も早急に読まねば。

【1月13日(土)】
●明日の関ミス連に備えて編集者及び有栖川さんが来京、フグ屋で会食。
 ぼくは車なのでひれ酒も飲めず。
●という話を帰ってからしたら「ひれ、あるよ」。なぜかふぐのひれがあるのだった。すかさずひれ酒を作って飲み、寝る。

【1月14日(日)】
●京大主催の関ミス連。いつもなら12月始めにあるはずが、ゲストの都合がつかずずれ込んだあげくに、京大出身四人組というお手盛りのようなゲスト。考えてみたら四人揃って前に出るというのもなかなかないことで、ちょっと楽しみでもある。
 クイズ大会の後、四人出ていって綾辻さんの仕切りで喋る。途中法月綸太郎の脱線もあったが、それなりに意味のある話だったのではと思う。
●前日に会食したにもかかわらず、結局この日も田中啓文さんなどを加えて中華。

【1月15日(月)】
殊能将之『美濃牛』(講談社ノベルス)。
 『黒い仏』に比べれば確かに普通の話ではあるが、些細なディテールの奇妙なところがいちいち引っかかって、根性の悪さと解釈してしまう。
 アントニオも最後にちゃんと登場しているところを見ると、次作のことはちゃんと考えていたわけで、『美濃牛』が「普通」と言われたんで怒って『黒い仏』を書いたという説は崩れてしまった。やはりあなどれん人。

【1月21日(日)】
●CSで「ゴールデンボーイ」。
 原作は出た時に読んだのだが、ほとんど覚えておらず、どれくらいアレンジしてあるかも分からない。地味だが邪悪でなかなかよい映画。

【1月24日(水)】
●早く寝なきゃいかんというのに結局朝まで原稿書き。ようやく仕上げて送り、二時間ほど仮眠して東京へ。
●東京はホテル・エドモントで推協の理事会&新年会。
 新年会というのは初めてだが、結構盛況なのに驚く。
 パーティ後、近くの喫茶店でお茶を飲み、カラオケへ。キリンジが大量に入っているらしいハイパージョイをリクエストしたのだが、飯田橋近辺にはないらしく、カーニバルのDAM。
 大森夫妻と田中啓文さんはいたものの、太田忠司さんや黒田研二さん(初対面)、浅暮三文さんと異色の顔ぶれ。
 とりあえずDAMには「グッデイ・グッバイ」が入っているので(インターネットで確認済み)、入れてみるが「え、こんな歌詞やったんか?」というくらいなので、いまいち。

【1月25日(木)】
●引き止めるのを振り切って浅暮さんが帰り人数が減ったものの、C嬢が加わり、滅多に歌わないという太田さんなども数曲歌い、ほどよく二時頃に切り上げる。
 柳ジョージの「遺言」を発見したのは収穫だったが、次回は何とかハイパージョイに行きたいものである。
●同じホテルの田中さんとタクシーで戻り、すぐさま寝る。
●昼、田中さんと共にG社のF西さんK池さんと食事をしながら打ち合わせ。田中さんの仕事なのだが、ある理由があってぼくも打ち合わせに参加したのである。
●田中さんと別れ、夕方からはe−NOVELSの打ち合わせ。
 四時半まで本屋で時間を潰して待ち合わせの喫茶店へ行くと、ほとんどみんな揃っていて、実は四時だったと聞かされ驚く。その後、アスキーに向かい、会議室でまずはサイトの件で討議を重ねる。
●八時を回ったので場所を移して食事をしながら取締役会。
●すべて終わったのは10時を回っており、六本木で飲んでいるという田中さんと武田さん@ガイナックスに合流。雨がひどいのに傘がなく、交差点まで迎えに来てくれた武田さんともどもびしょびしょ。
 田中さんと二人で飲んでいるというからてっきり居酒屋か何かだと思っていたのに、中は高級クラブで愕然。スーツの武田さんはともかく(ネクタイピンはドラえもんだが)田中さんもぼくもいつもの格好で、場違いこの上ない。でもそんな些細なことは気にしない人間なので、酒を飲めばそれでいいのであった。

【1月26日(金)】
●帰ろうとすると相変わらずひどい雨で、店に置いてあるらしい傘を一本ずつもらってホテルに戻る。
 ホテルでもう一度ビールを飲みながら「あそこは○○万くらいしまっせ」「へー」などという会話をする。
●昼起きて田中さんと集英社近くの蕎麦屋を目指す。しばらく前に一度だけ連れていってもらったところなのでたどり着けるかどうか不安だったが運良くたどり着き、結局前に食べたのと同じ「からみだいこんそば」を食う。「けんちん汁とざる」というセットを食べている田中さんを見てけんちん汁が欲しくなったが単品ではメニューに載っていないので諦める。
●コーヒーを飲んで別れ、新宿へ。昨夜聞いたうまいと評判のたこ焼が気になって食いに行ったのだ。アルタの地下の「銀だこ」とかいう店。よく油が染みてカリカリになった皮が特徴的。なるほどうまい。
 買い物をしてホテルに戻る。
●ホテルの喫茶室で田中さん牧野さん、C嬢@S英社と打ち合わせ。もちろん『三人のゴーストハンター(仮)』である。その後小すばのK嬢、K'嬢と合流、中華を食べながら打ち合わせが続く。いつまで経ってもタイトルが決まらず、結局食事が終わってお茶を飲んでもまだ引きずる。
 最後の最後にC嬢が、「じゃあ『三人のゴーストハンター  〜国枝特殊警備事件ファイル〜』としたらどうでしょう?」と言った途端、全員「それや!」と満場一致で決定。一番最初にそんなこと言ってたような気がするが、どうして数ヶ月も決まらなかったのか不思議。

【1月27日(土)】
●例によって遅くまで三人でだらだら話す。
●朝起きると、喉につっかえができたよう。ジンを飲みながら遅くまで話していたのが悪かったかも。ロビーで田中さんに会って「喉が痛い」と言うと「ぼくもです」。
 ロビーにはH氏がインタビューのために牧野さんを待っていたので一緒にコーヒーを飲みつつ待ち、牧野さんが降りてきてからもしばらく雑談してインタビューの邪魔をする。
●雪が大変だとテレビでは見ていたものの、実際ホテルを出ると、硬いシャーベット状になった雪で転びそうなほどで、これは真剣に新幹線は遅れるかも、と焦る。東京駅に着くとせいぜい20分の遅れ、と言われ安心。
 ふえたこ日記で既報の通り中華屋でラーメンとチャーハンのセットを食べ(まずかった)新幹線に乗ると、京都着は時間通り。最寄り駅で薬局へ走り、喉スプレーを購入、その場で使用。
●迎えの相方とスパゲティを食べ、帰宅。

【1月28日(日)】
●相変わらず喉痛し。風邪薬を飲むが効き目なし。

【1月29日(月)】
藤岡真『六色金神殺人事件』(徳間文庫)。
 何だか話題の本。デビュー作ではないらしいが、作者についてはまったく知らず。
 好き嫌いはあるだろうが、ちょっとぶっ飛んだミステリが好きなら必読。

【1月30日(火)】
●アップルからの何度目かの電話。相変わらず、交換はできません、修理状況も分かりません、いつになるか分かりませんの一点張り。あいそはとうに尽きているが、呆れるのを通り越して気が狂いそう。

【1月31日(水)】
ジョナサン・レセム『マザーレス・ブルックリン』(早川ミステリアスプレス文庫)。
 あらすじからはチーム探偵ものとしか見えないのだが、実際はチーム探偵どころか探偵ものなのかどうかも怪しい。トゥーレットものとでも言うしかないのか。ミステリと思って読まぬ方が吉。


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