【4月14日(土)】
●タヌキが気になりつつも市内へ。雑誌で紹介されていたラーメン屋をはしから食べ歩こうとしているのだが、今回の店はまあ悪くはないけど、別にまた行かなくてもいいか、という感じ。
●本屋に寄って戻ってくると、タヌキは段ボールから姿を消していた。と、下の方から声が聞こえる。這いずりながら動いて、擁壁から下の土地へ落ちてしまったらしい。
明るくなってきた頃もう一度覗いてみると、側溝にぴったりとはまってじっとしていた。
恐らくもう助からないだろうが、どうしようもない。
●津原泰水『ペニス』(双葉社)。
途切れがちになるまでは連載を読んでいたのだが、それから時間も経っており、内容が内容だけにどのあたりまで読んだのかまるで分からず、最初から読み直し。
改行もなく、過去と現在、妄想と現実が入り交じる文章は、一見しんどそうなのだが、ぼくにはすこぶる気持ちがよく、隅々まで味わいながらもどんどん読んでしまう。純文学を思わせる部分もあるのだが、一人よがりの鼻につくようなものとは一線を画している感じ。こんな文章をよくこれだけの枚数書き切ったものだ。
【4月15日(日)】
●前から気になっていた「ワイルド・シングス」をようやくCSで観る。
「スルース」「デス・トラップ」系のどんでん返しの連続で、小気味良い。「すべてのシーンに罠がある」というようなコピーは「アンブレイカブル」よりもこういうものにこそふさわしい。
【4月16日(月)】
●ぽての餌がなくなったので、病院へ。ついでにPHSを機種変更。ブラウザフォンというカラーでインターネットにも繋がるタイプ。が、店が以前の機械を袋に入れ忘れたので置いてきてしまう。
●円町のラーメン屋へ。みそ風味でぴりっと辛く、チャーシューがうまい。でもまあ、一度行けば満足。
【4月17日(火)】
●田中啓文『禍記(マガツフミ)』(徳間書店)。
読み応えのある伝奇・ホラー短編集。最後のはさすがに掲載誌がSFマガジンだけあってSF色の方が強く少し浮いているかも。
……しかし、こういうのを続けて読まされると、やっぱり長編が読みたいものである。ねえ?
【4月20日(金)】
●恩田陸『ライオンハート』(新潮社)。
『ジェニーの肖像』はぼくも大好きなので(ロバート・ネイサンは一時期探していたのだが、結局早川の3冊以外には3冊しか見つけられなかった。しかも全部カバーなし)似たような話かと思ったら、相当違っていた。時系列を無視した転生で、そこに理屈のようなものはない。
『ジェニーの肖像』などはまさにその理屈部分が「オチ」でミソなのだと思うのだが……。