ごった日記2001 4月21日〜30日


【4月23日(月)】
ジャン=クリストフ・グランジェ『クリムゾン・リバー』(創元推理文庫)。
 語り口と最後に明かされる真相がミスマッチであるせいか、何とも奇妙な仕上がりになっているが、やはりこのアイデアのいくつかは面白い。最後のオチなんかはもうちょっと生かす書き方があったのでは、という気もするが。

【4月25日(水)】
●京都駅でS社の人と打ち合わせ。有栖川さん、倉知さん、麻耶くんと一緒に某文庫書き下ろしの話だったのだが……うーん一体どうなったのか。
 その後会食し、有栖川さんが帰った後、残ったメンバーで木屋町に移動、さらに飲む。

【4月27日(金)】
●深夜、綾辻さんが久々に来訪。「安楽椅子探偵」のDVDをもらう。喜国家の犬が可愛い。
古処誠二『未完成』(講談社ノベルス)。
 短編ネタだった『UNKNOWN』と比べ、考えられていた『少年たちの密室』を読んで「成長した」のだと思っていたため、「今度はまた自衛隊もの」と聞いた時から期待していた。今度こそ、自衛隊を舞台にバリバリの本格をやってくれるものと思ったのだった。
 しかし、「小銃一丁が消失」というしょぼい謎だけで長編を引っ張るのを見ていると、これはやはり、「自衛隊」というものを知り過ぎている真面目な作者の限界なのだなと思わざるを得ない。最終的にほとんど社会派になってしまうのも、自衛隊を真面目に扱う以上仕方ないことかもしれないが、ちょっとがっかり。

【4月28日(土)】
●ミステリ研OB会。新しい若い人が来ないので年々人が減る会である。結局最後はいつものメンバー。
 なぜか迎えが来ないので綾辻家に移動して待ちながら雑談。

【4月29日(日)】
●ようやく夜中に迎えが来て、帰る途中でラーメン。一乗寺に住んでいたときには「まずそう」と思って一度も入らなかった「珍遊」。評判がいいと後で知って入ってみたのだった。背油の浮いた京都らしいこってり醤油ラーメンで、確かになかなかの味。でも一回食えば満足。


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