ごった日記2001 7月21日〜31日


【7月21日(土)】
●市内で笠井氏を囲んで食事。「オイディプス症候群」絡みなのでK文社の仕切り。

【7月22日(日)】
グレッグ・イーガン『順列都市』(早川SF文庫)。
 めくるめくような展開にわくわくはするのだが、『宇宙消失』以上に根本的な部分が理解不能。『宇宙消失』の場合は「まあいいか」と思えたものが、こちらではちょっとツラい。面白いんだけどさ。

【7月23日(月)】
佐藤友哉『フリッカー式』(講談社ノベルス)。
 20歳でこれが書けるのは凄いと思うし、これから先どういうものを書いていくのか期待のできる才能であるとは思う。
 ただ、ミステリとSFネタのミックスの仕方は、ミステリ仕立てのギャルゲーやテレビドラマを思わせる唐突さで、何のルールも感じられないのはやっぱり問題だと思う。
 それと気になったのは「壊れる」という言葉のインフレ的乱用。これはもうもしかするとジェネレーションギャップなのかもしれないが、そんなにも簡単に人は「壊れる」ものになってしまったのか、それとも「壊れる」≒「キレる」程度のものに成り下がったのか、どちらかなのだろう。もし、インパクトのある表現のつもりなのだとしたら、何度も使うのは逆効果(多分、違うんだと思うが)。

【7月24日(火)】
●今日は相方のお供(?)でキリンジライブのため大阪ミナミまで。キリンジは好きだけれど、よほどのことがなければライブとかコンサートには行かない人間なので、やはりお供というしかない。
 ほとんど外へ出ないので、やっぱり街中は暑いと確認。開場時刻になっても長い行列の後ろで待たされ、滝のように汗を掻く。並んでいたのはファッションビルの中の階段で、冷房は届かない場所だったのだ。
 幸い中は満員になっても暑くはなく、立ちっぱなしもそれほど苦にならなかった。MCはほとんどない人たちらしく、休憩もほとんどなしで20数曲。堪能堪能。CSでプロモを録画して予習済みの新曲「Drifter」はさすがにほとんどの人が初耳だったようでちょっと優越感。
 昔のライブをCSなどで見た時には、二人ともあんまり歌がうまくないような感じだったのだが、弟の方はさすがにうまくなっていた。しかし兄は……ムニュムニュ。
 しかしライブハウスって音でかすぎ。スピーカーの限界までボリュームをあげないといけないもんなの? あの身体に響く低音って、どっかおかしくなりそうな気がするんですけど。

【7月27日(金)】
●K川書店のM嬢、Y下氏が来京のため、夜、綾辻氏を囲んで麻雀ということに。

【7月28日(土)】
●編集者二人もぼくも用事があるため、3時頃終了。珍しく綾辻氏一人負け。ぼくはちょい浮き。
 大阪へ行かねばならないため市内のホテルでも一泊するかと思っていたら、なぜか取れず、綾辻氏宅へ転がり込む。
 朝一人で起きて、同じ建物の法月綸太郎と合流、大阪へ。Kという同期生の昇進と引っ越しにかこつけた食事会。
●昼からフランス料理を食い、その後K宅へ行ってビールとワイン。これがいけなかったのかどうなのか。
●折を見て法月綸太郎と辞去し、前から気になっていたラーメンを食いに行くことにした。一乗寺の「高安」という店で、彼によると結構うまいらしい。案内してもらうと何と休み。久しぶりの「休日男」の本領発揮。せっかくなのでその近くにある「新進亭」という白みそラーメンというのを食うことに。ところが、この時点で全然腹が減っていない。しかしラーメンくらいもう入るはずだと思ったら、妙に量が多い。無理をして食ううち、汗がだらだら流れて止まらない。最近汗かきだし、暑いんだから当然か、とこの時は全然不思議にも思っていなかった。
 無理して麺だけは全部食って出る。相方に迎えに来てもらわねばならないので、しばらく法月宅で待たせてもらうことにしたのだが……どんどん気分が悪くなり、吐き気がしてくる。……二日酔いか? しかしそんなに飲んでないし……。
 布団を敷いて休ませてもらい、相方が到着してもまだ気分治らず。仕方なく折を見て帰ることにしたのだが、いつぞやの悪夢が蘇る。
 以前、山道の途中で車を止めて吐いたことがあったのだが、何とかその地点を通り過ぎて「よし、これなら何とかたどり着ける」と思ったその数分後、道ばたで吐いていたのであった。といってもラーメンは速攻で消化していたのか、ほとんど胃液。以前ひどい目にあったときは食事後ではなかったから吐くものもないのは分かるのだが……。
 何が悪かったのかは分からないが、やはり醸造酒には気をつけた方がよさそうだ。

【7月30日(日)】
●CSで何度もやっていたのにうまく時間が合わなかった「スリーピー・ホロウ」をようやく観る。
 ミステリでないようで一応ミステリ的興味をうまく満足させてくれたので感心。
 ある夫婦の子供を殺す理由がどうしても思い当たらない。

【7月31日(月)】
●DVDで「カル」。
 細かいところが分からなくなる話だと聞いていたのでDVDなら何度も見直せるや、と思ったのだが、見直したから分かるという気もあまりしない。
 ラストの処理は結構好き。


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