【9月2日(日)】
●中村融・山岸真編『20世紀SF 1』(河出文庫)。
古臭いのがほとんどだが、「現実創造」にはびっくり。まるでイーガンみたい。
【9月4日(火)】
●二階堂黎人・森英俊編『密室殺人コレクション』(原書房)。
期待のロジャーズは、なるほど『赤い右手』の作者らしい作品。あんまり面白いとは思わないが。全体的に、確かに密室は出てくるものの、そのトリックには重点がないものがほとんどでちょっと肩すかし。
【9月5日(水)】
●藤岡真『ゲッベルスの贈り物』(東京創元社)。
『六色金神殺人事件』がそれなりに話題になったせいで、一作目が文庫化されたようだ。てっきり徳間文庫だと思って探していたのだが、角川だったとは。
やはり『六色〜』と比較すると小粒な感じは否めない。殺し屋にまつわる引っかけは、あまりに無理がある上に、効果も感じられない。「ゲッベルスの贈り物」の正体はちょっと面白い。
【9月8日(土)】
●高田崇史『試験に出るパズル』(講談社ノベルス)。
パズルにひかれてつい一気に読んでしまったが、どれも水増し感は否めない。キャラの弱い人だけに、こういう方向性は間違いとしか思えない。