【10月22日(月)】
●山田正紀『篠婆 骨の街の殺人』(講談社ノベルス)。
またしても連作シリーズを立ち上げたらしい。大作『ミステリ・オペラ』を書き上げたそばからこれだもんな……。
焼き物が実は……というネタはなかなか面白い。今後どういうふうになるのかまったく予測つかず。
【10月23日(火)】
●イアン・ワトスン『オルガスマシン』(コアマガジン)。
サイバーポルノと思って参考のためにと読んだが、そういう意味ではあまり役には立たなかった。これくらい別に出版してもええやんか、ねえ?
●乙一『死にぞこないの青』(幻冬舎文庫)。
『暗黒童話』の後に読むと、乙一にはこれくらいの長さがちょうどいいのかも、という気もしてくる。
いじめともいえないいじめ描写が秀逸。
【10月25日(木)】
●北野勇作『ザリガニマン』(徳間デュアル文庫)。
表紙や帯から特撮もののパロディかと思ったら全然そうではなかった。「かめくん」が切ない話だったのに対し、こちらは悲惨な話。一見ほのぼのしているだけにいっそうつらい(しかもグロ)。
【10月28日(日)】
●ニュー・サイエンティスト編集部『また、つかぬことをうかがいますが……』(早川文庫)。
例によって例のごとく。読んだ端から忘れてしまうのはこちらの脳の問題か。
【10月29日(月)】
●有栖川有栖『絶叫城殺人事件』(新潮社)。
作品の質とは別に、この帯や表2のアオリはないんじゃないかと思う。「名探偵には館が似合う」とか、最後にすべての事件が結びつきそうに見えるあらすじは大嘘。どの話も、いわゆる「館」は出てこないし、完全に別個の読み切り短編集でしかない。
表題作はなかなか面白いが、できれば長編で読みたかったような気もする。