我孫子武丸著作リスト

単行本


『8の殺人』(講談社文庫)
1989年3月講談社ノベルスにて出版。92年3月文庫化。
記念すべきデビュー作……といえば聞こえはいいが、ひいき目にみても習作。はっきり言って一番恥ずかしい本。でもトリックはあるよ。

『0の殺人』(講談社文庫)
89年8月講談社ノベルスにて出版。92年9月文庫化。
作者としては、完成度ならこれが一番ではないかと。狙い通りに仕上がった、という意味で。狙いが狙いだけに受け付けない人は受け付けないでしょう。

『メビウスの殺人』(講談社文庫)
90年2月講談社ノベルスにて出版。93年5月文庫化。
名作「九尾の猫」に負けじと、無差別殺人本格に挑むも力量のなさを露呈。でもこの時、『殺戮にいたる病』のプロットを思いついたのでよしとしよう。

『人形はこたつで推理する』(講談社文庫)
雑誌「野性時代」に連載後、90年8月カドカワノベルスにて出版。95年6月講談社にて文庫化。
短編四作でおしまいにするつもりが、結構愛着が湧いてシリーズ化になる。でもやはりこの短編集が一番好き。オレっていいヤツなんだなーと自分でも思います。漫画誌「きみとぼく」にて前半二編が漫画化され、ソニー・マガジンズよりコミック『人形はこたつで推理する(1)』として発売中。

『探偵映画』(講談社文庫)
90年12月講談社ノベルスにて出版。94年7月文庫化。
割と評判のいい作品。作者としても愛着のある作品なのだが、それだけに色々とアラが気になる。もうちょっと力があればねー。

『人形は遠足で推理する』(講談社文庫)
91年4月カドカワノベルスにて出版。95年7月講談社にて文庫化。
安楽椅子探偵のキャラクターなのに、それで長編を書くという無謀な行為に挑戦。結果は……まあこんなものでしょ。文庫のゲラが来て久々に読み返したら、まったく先の展開が読めない。いやあ、びっくりしたなあ(自分の記憶力のなさに)。

『人形は眠れない』(講談社文庫)
91年9月カドカワノベルスにて出版。一応書き下ろしだが、「野性時代」91年7月号に書いた短編を挿入するという姑息な技を使っている。キャラが勝手に動いてくれるので短期間で書けたが、やっぱり失敗作かも。そのうち講談社文庫に入るはずだが、ゲラを読むのが怖い。……などと昔書いたのだが、96年4月文庫化の折りには「結構悪くないんじゃないの」と思いました。自作の評価ってころころ変わるんだけどね。

『殺戮にいたる病』(講談社文庫)
92年9月講談社四六ハードで出版。94年8月ノベルス化。96年11月文庫化。
一応代表作ということになっているようだ。今のところ唯一のシリアス作品。表紙はハードカバーの方が好き。

『ぼくの推理研究』(集英社ジャンプJブックス)
雑誌「ジャンプノベル」3号4号に書いた二つの中編をカップリングして93年8月に出版。
“ジュブナイル”という言葉にはどこか甘酸っぱい響きがある。子供に媚びず、馬鹿にせず、“大人も読める”ジュブナイルを目指して書いた。子供がどう思うのかは分からないが、とりあえず気に入っている。

『腐蝕の街』(双葉社)
「小説推理」95年2月号〜6月号に連載後、95年11月に双葉社より四六ハードで出版。99年2月双葉文庫。
 近未来アクション。ネタはないよ。

『死神になった少年』(集英社ジャンプJブックス)
『ぼくの推理研究』の続編。「死神になった少年」「少女たちの戦争」の二編を収録。

『ディプロトドンティア・マクロプス』(講談社ノベルス)
97年7月出版。表紙・挿画はなんとあのいしかわじゅん先生! ありがたやありがたや。版形が変わるとイラストは収録されない可能性があるので、文庫を待たずにノベルスでどうぞ。

『小説たけまる増刊号』(集英社)
97年11月、小説誌サイズのソフトカバー(!)で出版。雑多な短編と一緒に、書きおろしコラム、豪華グラビアなどを収録した完全雑誌形式個人短編集。広告もある。ついに都築道夫を越えた(見た目は)!
 所収の短編は以下の通り。
「裏庭の死体」小説NON 91年3月号
 今のところ唯一?の速水シリーズの短編。トリックは結構気に入っている。
「バベルの塔の犯罪」『奇想の復活』(立風書房)収録
 近未来SF本格。トリックは結構気に入っている(そんなんばっかし)。
「青い鳥を探せ」小説NON 93年2月号
 ……ノーコメント。
「猫恐怖症」小説すばる93年8月号掲載後、『白昼夢』(集英社文庫)に収録。
「春爛漫」小説すばる 94年1月号
「芋羊羹」小説すばる 94年4月号
「再会」小説すばる 94年7月号
「青い花嫁」小説すばる 94年11月号
「嫉妬」小説すばる 95年7月号
「二重生活」小説すばる 95年12月号
 この7作は実は通しテーマがあってシリーズになっています。もう何本か書いてそのうち一冊にまとめる……つもりだったがそうはならなかった。
「小さな悪魔」野性時代94年10月号。
 書いた当時は気に入らなかったが、今ではなぜか自己ベスト3に入る短編。
「患者」ミステリマガジン増刊号「現代日本ミステリ作家25人作品集」収録
 憧れのHMMなので、気合いは入れたつもり。「死刑前夜」(ハリデイ)みたいなのが書きたくて書いてみた。結果は……?
「猟奇小説家」小説すばる 96年6月号
 すばるの一連のホラーシリーズとは別。ネタを思いつかなくて苦し紛れに書いた。
「Everybody Kills Somebody」小説non 97年2月号
「車中の出来事」HMM 97年2月号
 HMMにはやっぱりこういうのが……という勝手な思い込みで「患者」系の話。
「花嫁は涙を流さない」小説新潮 97年6月号
 「六月の花嫁」テーマで佐野洋さん、桐野夏生さんと競作。このシバリには結構苦労した。

『屍蝋の街』(双葉社)
99年9月、四六ハードカバーで出版。『腐蝕の街』の続編。

その他の短編


「レタッチ」書き下ろしアンソロジー『異形コレクション4 悪魔の発明』(廣済堂文庫)所収
「人形はライブハウスで推理する」「小説現代98年十月臨時増刊 メフィスト」
「ママは空に消える」「小説現代98年12月臨時増刊 メフィスト」
「ゲーム好きの死体」「小説現代99年5月臨時増刊 メフィスト」
 数年ぶりの人形シリーズ再開。2000年にはまとまるかと。

ゲーム関連


「かまいたちの夜」(チュンソフト)
「弟切草」に続くサウンドノベル第2弾として、94年11月、スーパーファミコン用ソフトとして発売。苦しくも楽しい作業でした。これにかかっている間全然本が出なくて貧乏していたが、一応ヒットしたので今はこがねもち。
 98年12月、プレイステーション用ソフト「かまいたちの夜 特別編」として移植。
「かまいたちの夜」関連商品(チュンソフト他)
まずは「かまいたちの夜 公式ファンブック」(チュンソフト)。半分は小説、半分は攻略本風。いしかわじゅん、喜国雅彦、青木光恵、しりあがり寿のマンガも読めるぞ!
次にサウンドトラック(キティ)。オウムの番組では引っ張りだこのBGMがいつでも聞ける。
CDドラマ(キティ)。プロットは私が書きました。これって「ホット・ゾーン」より早かったんだよ。チュンソフトの人には予言者我孫子と呼ばれてます。(かまいたちのサブリミナルとかあるし)
そして「あなただけのかまいたちの夜」(チュンソフト)。読者応募作品を集めたものだが、結構よく書けてる。700円は安いかも。
PS移植に伴って、「かまいたちの夜特別編 公式ファンブック改訂版」を発行。柴田亜美、唐沢なをき、水玉蛍之丞各氏のマンガが追加された。

(99・9・1作成)
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