広い回り舞台に立つと、客席上部の鮮やかな提灯がとても印象的でした。リハーサルを終えて外に出ると、
長蛇の列ができていて、たくさんの見知らぬ人から『楽しみにしているから、頑張ってね!』と応援の言
葉をいただきました。その時、私は『和太鼓』という音楽を通してこんなにもたくさんの人と繋がること
が出来るという事を実感し、この大舞台で演奏できる喜びを改めて感じました。
当日の朝、部員の表情はとても輝いていました。これまでの苦労や喜び、彷徨や葛藤の末に身につけた精
一杯の自信を胸に、みんなの、そして自分の可能性を信じて舞台に臨みました。その結果、全国大会の時
とはまた違い、落ち着いて、かつ自信に満ち溢れた演奏ができたのではないかと思います。今でもその時
の大きな拍手が胸の奥に残っています。
和太鼓部の十一年間の歴史の集大成と言って良いこの大舞台で、三年生は輝かしい最後を、そして二年生
は輝かしいスタートをきれた事を誇りに思います。そして、何よりこの25人で国立劇場という大舞台に立
てたということが、私にとって深く胸に刻み込まれる思い出となりました。