チリのビクトル・ハラの人生は 流れ星のようだった 歌とギターで チリの民衆のために戦った 彼の手は優しく 彼の手は強かった ビクトル・ハラは 6才のころから畑を耕していた 父親の農具に腰をかけては この世の動きを見つめていた 隣人に結婚があると 隣人の子供が死ぬと 母親のそばでビクトルも 夜通し歌を歌った 大人になるにつれ 悪に立ち向かうようになった 人々の悲しみや喜びを感じ それを歌にするようになった 鉱山や農場で働く人たちのために歌った 工場労働者も 彼に一目を置いていた 昼夜の区別なく アジェンデのために走り回った 彼と手をたずさえて新たな将来を始めようと歌いながら ピノチェトは チリを奪うと同時にビクトルも逮捕した そして 恐怖におののく五千人の人々とともにスタジアムに収容した ビクトルはギターを手にとった 彼の声はろうろうと響き渡った そして同志のための歌を歌っているとき 軍人が彼の歌を封じ込めた 軍人は彼の両手を骨まで打ち砕き 頭部に一撃を加えた 電気で拷問したあげく 銃で射殺した チリのビクトル・ハラの人生は 流れ星のようだった 歌とギターで チリの民衆のために戦った 彼の手は優しく 彼の手は強かった