まず、歌の冒頭16小節が格段によくなっています。ここで出てくる4度の和音(A♭)の上で歌われるG音のメロですが、このほんの半音のズレが微妙な浮遊感みたいなのを作り出していて、非常に心地よいわけです。これは「アイドル」のせわしなさと対照的で、音の数が少ないだけにゆったりと浮遊できます。特に、1番のコーラスの後に2番の冒頭に入るあたりの流れが絶品!
次に、最後のコーラス部分、ストリングスが主旋律を奏でて、それを弱々しいヴォーカルが補うという形の部分ですが、これは「あいどる」ではマイナーで始まってメジャーで終わっています。結果的に、それ以前の部分に依存すると言いますか、要するにそれだけでは成立できず、不安定な雰囲気になるわけです。ところが、この高岡バージョンではその部分が主キーの主和音(つまりE♭)で始まる形になっているので、なんと言いますか、非常に難しいのですが、他に依存することもなく、潔く、それだけで存立する形になっています。結果的に、過去を断つ、きっぱり別れる、という決意表明のようにも聞こえます。
最後に、譜面の中の「歌」の4行めで示した4小節は「あいどる」にはありません。この部分のメロがまた加藤節なのです。必聴です。
縦棒「|」は小節の切れ目を表します。
ドイツ式ではなく、英米方式の記法を用います。つまり[B]と記してある部分はドイツ式の[H]と同等のものです。
スラッシュ(/)は、ひとつの小節の中でコードが分割されていることを表します。 ======
前奏 E♭ | E♭ | E♭ | E♭ | 歌 E♭ | Cm | A♭ | B♭ | E♭ | Cm | A♭ / B♭ | E♭ / B♭ | E♭ | Cm | A♭ | B♭ | E♭ | Cm | A♭ / B♭ | E♭ | A♭ | Gm | A♭ / B♭ | E♭ | A♭ | G | F | B♭ | E♭ | Cm | A♭ / B♭ | E♭ | ストリングス E♭ | Cm | A♭ | B♭ | E♭ | Cm | A♭ / B♭ | E♭ |〜
アコギで伴奏なりする場合は1フレットにカポを嵌めてDとして弾くのがいいかと思います。
前奏 D | D | D | D | 歌 D | Bm | G | A | D | Bm | G / A | D / A | D | Bm | G | A | D | Bm | G / A | D | G | F#m | G / A | D | G | F# | E | A | D | Bm | G / A | D | ストリングス D | Bm | G | A | D | Bm | G / A | D |〜(11/03/2007)