京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2005年4月号 掲載)

2005年スペシャルオリンピックス冬季大会・長野に参加して

三宅享子   

 息子大介は18歳です。この春京都市立白河総合養護学校を卒業し4月から修光学園に入所します。小学校6年生の時からスペシャルオリンピックス日本・京都の活動に参加しています。今回思いがけず2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会スノーシューイングの選手に京都地区より選ばれ、2月26日から3月5日まで長野で開催された世界大会に日本代表選手として出場しました。それは彼にとってもまた親の私にとっても大変すばらしい貴重な体験となりました。

 大介は2月22日から長野に入り、約2週間親と離れコーチやボランティアとともに過ごしました。スペシャルオリンピックスはスポーツで可能性を引き出してくれるとともに自立への手助けもしてくれます。大介も今すぐ結果が出るわけではないでしょうが、出発する前の不安な顔を思うと元気に帰ってきた表情から何か自信につながったものを感じました。

 親の私は2月26日からスノーシューイング競技会場野沢温泉村へ行き応援しました。我が子はもちろん頑張っているすべてのアスリートの姿、コーチ・ボランティアの一生懸命な姿、表彰台のアスリートたちの素晴らしい表情・笑顔に感動、感動の連続でした。年配のアスリートの頑張っている姿には希望をもらいましたし、またメダル(成績)には関係なく最後まで一生懸命頑張る姿など、この大会には希望を感じることがいっぱいありました。大介が生まれた時、ダウン症という治らないそれも知的障害のある病気ということでしばらく毎日悲しみ涙を流しました。でも希望は絶対失いませんでした。あの悲しみの中の希望が今この世界大会の中の希望とつながったように思いました。本当にスペシャルオリンピックスは素晴らしいということを改め感じました。

 大介は学校生活を終えいよいよ働き出します。この人生のひとつの区切りのときに、世界大会に参加できたことはよかったと思います。「みんなが優しかった」と言っていますし、多くの方達から応援してもらったことはとっても嬉しかったみたいです。そして表彰台での素敵な笑顔。でも競技前のプレッシャーなどいろいろな思いはあったでしょう。それら貴重な体験をプラスにして前に進んでいってもらいたいです。


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