京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2012年4月号 掲載)


〜 3学期ももう終わり、原稿書きも終わり 〜

茉莉香7歳 & へなちょこママ

 原稿も6回目最終回になりました。はちゃめちゃな親子の生活を読んで頂きありがとうございました。もう無事(?)2年生も終わろうとしています。小学校に上がってからは早かった〜という感想です。

 この2年間で生活習慣も確立し、自分からやらないといけないことはできるようになりました。やらないと気が済まないという方が強いですけど。
帰宅すると、手洗いうがいをします。右目の視力が低いので訓練用のアイパッチをしています。それを貼ってくださいと言います。
食卓のテーブルにランドセルの中身を全部出して、学童の連絡帳・自分で書く連絡帳・支援学級の連絡帳を渡してくれます。連絡帳で宿題を確認し、宿題をやり始めます。終われば時間割をします。ランドセルに入れる順番は決まっています。逆さまに入れたりすると、「ちがうやろ!」と怒られます。そして、全ての連絡帳に親の判子が押されたか確認して入れます。月日や曜日もずいぶんと理解できるようになり、「今日は月曜日、明日は火曜日、漢字チャレンジの日や」と自分で言いながら準備をして、ランドセルの定位置に片付けて終了です。

 宿題は出された問題の度合いにもよりますが、本人の気分で左右されることが大きく、時間がかなりかかる日があります。そんな時は明らかに疲れが見えるので、「もう、ここまでにして終わろう。出来なかったと先生に言えばいいよ」と言うと
「いやや、やる」
「もうずいぶん時間かかってるし、よそ見もしてなかなか進まへんやんか、もうやめよう。ママ、先生にお手紙書いてあげるから」と言っても
「いやや、やるねん」と泣きはじめます。こんなやりとりをしながらも、泣き止み宿題をやり遂げます。達成感も大事ですが、1時間以上を超えてくると明らかに疲れて集中できなくなっています。宿題後、それから夕飯、お風呂となると遅くなり、朝がまた起きられなくなるので、焦ってしまいつい怒ってしまう自分がいます。でも、算数も3桁と2桁の足し算、引き算をやれるようになり、漢字チャレンジもクラスのお友達に1,2級遅れぐらいで頑張っています。

 なかなか進まないのは、運動系です。なわとびは全く跳べず、自転車はまだコマが外せず、歌はお経のように一本調子でちょ〜音痴(これは遺伝かも)です。歌のテストがあるといえば、指1本の私の伴奏に合わせ歌い、風呂の中でも歌い続けます。
毎日、毎日同じ問題や同じ事を繰り返し行うことで、他の子供の何倍も何倍もの努力があってこその達成と思うと、すこし不憫さがこみ上げてきます。
「どうして自分は皆のようにすぐできないのだろうか?」と思う日が来るかもしれませんが、その時は一緒に頑張ろうと言って、一緒に努力するしかないのかもしれませんね。そして、出来たときは褒めるタイミングを外さず、いっぱい褒めて一緒に達成感をかみしめていこうと思います。

 女の子らしく、洋服や髪型等のおしゃれにも興味があるようで、私が新しい服を着たりすると「ママ、かわいい。ボタンがかわいい、スカートがかわいい」と言って褒めてくれます。なんて良い子に育ったんだろうと親ばかに浸ります。しかし、自分が新しい服を着たときは「まりか、かわいい?」とかわいいを要求してきます。あるとき会話の中で、「まりかはぶっさいくやなぁ」と言うと、まじめな顔で「まりかはかわいいで」と自信満々で反論されます。(ちょっと育て方間違ったかも?)
でも感じた事を素直に表現できるようになったことはいいことですよね。
 言葉での表現では、まだまだはっきりした発音や正しいことばで言えなかったりもします。ちょっと面白いものを紹介します。

・くすなめ → 「少なめ」 給食のおかずを少なく入れて欲しいとき、「くすなめにして下さい」と言っているようです。
・マクス → 「マスク」 スとクが入れ替わっていて、治りません。
・ポテトナルド → 「マクドナルド」ポテトが大好きなので合体したようです。

逆に悪い言葉は上手に覚えてきています。
「最悪、最低〜、やっば〜、ちくしょう」等々。
こんな言葉はきれいな発音だったりします。とほほほ・・・
これからいろんな表現をする言葉を覚えていくのだと思いますが、先日、なかなかトイレに行かないので、祖母が「ほんまにおしっこ固いなぁ」と言うと「まりかのおしっこ、やわらかいで」と答えていました。強度の問題じゃないんだけど、と思いつつ大爆笑でした。まぁ素直な気持ちや言いたいことを、言葉で表現できることの方をまず大切にしょうと思います。

 最後に、、、
 最近の茉莉香のマイブームは、お手紙を書くことです。色んなノートやメモ帳に書いています。先日、机に向かって一人で何枚も手紙を書いていました。そのうちの一枚は私宛で、以下の写真で少し見にくいですが、ハートマークが一杯のお手紙をくれました。

ままへ
いつもやさしくしてくれて
ありがとう。アルファベット
かって ありがとうござい
ました。
まりかより

注)アルファベットは、
ABCのドリルのことです。

 茉莉香からのお手紙に感激したのと、ひとに感謝の気持ちを伝えられるように なったんだと、ちょっと涙がこぼれました。
 人に手伝ってもらうことが多く、いつも「ありがとう」を言って欲しくて、小さい時から、茉莉香に向かって努めて「ありがとう」を言い続けてきました。それがこんな形で自分に返ってきた事がうれしくてたまりませんでした。

 この一年は、原稿を書くということで、私自身が茉莉香の成長を振り返り、自分でできることを再確認する機会にもなり、さらに喜びをかみしめる機会にもなり得たことを感謝しています。そして、茉莉香のことを知っていただく機会を与えて頂きありがとうございました。
 これからもトライアングルの行事に参加し、出来ることのお手伝いをさせて頂こうと思っていますので、茉莉香共々どうぞよろしくお願いします。 


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