佐々木和子 3月10日に京都市障害者スポーツセンターにて新型出生前診断実施拡大阻止集会「生まれようとしている命を選別しないで!」を開催しました。参加者は100人を超え、パネラーからは、出生前診断の問題点について活発な発言がありました。最近、マスコミで取り上げられ、各地で提訴が起こっている「旧優生保護法に基づく、遺伝病や障害を理由とした強制不妊手術」の問題と地続きである出生前診断に関する集会であった為、マスコミ各社も取り上げ、告知をしてくれました。また、ネットでの拡散もあり、多くの人に関心を持ってもらえたことは大きな成果であったと嬉しく思っております。 京都ダウン症児を育てる親の会では、1996年の母体血清マーカー検査が報道されて以来、一貫して出生前診断を反対し、産科婦人科学会に意見書を提出してきましたが、新たな検査技術や、様々な社会的な背景の中、ダウン症だけでなく障害を理由とした中絶は増え続けています。検査の結果、ダウン症との確定診断後の中絶で多くの妊婦が苦しんでいる事実も情報として届いています。 そして、その責任を全て自己決定という言い方で、個人やカップルに押し付ける現状は許せないものがあります。 差別や貧困等、中絶せざるをえない社会の有り様にもっと目を向け、問題を提議していかなければなりません。 国連の障害者権利条約では、「ある社会がその構成員のいくらかの人々を締め出すような場合、それは弱く、もろい社会である」とし、障害の有無にかかわらず「共に学ぶインクルーシブ教育、共に生きるインクルーシブ社会」の構築を唱っています。 京都ダウン症児を育てる親の会も発足して33年がたち、親の高齢化が進んでいます。私たちは、妊娠、出産という新しい命の誕生の全てを包み込める社会、誰もが安心して、産み、育て、また、障害があっても、病気になっても、高齢になっても安心して暮らせる社会に向けて、活動を続けていきたいと思っています。 |