京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(1998年4月号 掲載)
1枚のビラから

花園大学4回生 N(なっちゃん)

 私がトライアングルを知ったのは2回生の時でした。
 1回生の時は別のサークルに入っていて、入学式でそのサークルの新人生勧誘のビラ配りをしていた時、新入生用に作られたトライアングルのビラを目にしました。子どもが好きだったこともあったし、活動内容も楽しそうなことばかりだったので、「今からでも入れるのかなぁ」という気持ちで説明会に参加してみました。私たちの代があまり入ってなかったせいもあって、先パイ方からは熱く歓迎してもらい、やる気に満ちて最初の活動にいどみました。

 ダウン症の子どもたちの笑顔を「エンジェル・スマイル」と言うのだと何かの本で読んだことがありますが、全くその通りだと思いました。楽しさを全身で表現する子もいれば、ものまねが上手でいつも周りの人を笑わしている子もいる。みんな、それぞれ様々な表情をもっていて、一緒にいると楽しくてしょうがないというのが初めの印象でした。たまに髪の毛をひっぱられたり、平手打ちをくらって痛い思いもするけど・・・(^^;;)。でもこの3年間、私はボランティアというよりは、年の離れた友達と遊んでいるというような感じで子どもたちと接してきました。初めの頃は、親御さんとお話しするのも緊張して、うまくしゃべれませんでしたが、今では「よく食べ、よくしゃべるなっちゃん」というイメージを与えてしまうまでに自分を出せるようになりました。

 本当に楽しい思い出をたくさん作ることができましたが、トライアングルとの出会いは、それだけではありませんでした。

 会報からはじめて知った出生前診断の事実。これまで私は社会のあり方について深く考えてみたこともなく、なんの不安も疑問を感じず、それに従って過ごしてきました。もしあったとしても私には何もできない、何をしてもムダだと思ってました。でもトライアングルの子どもたち、そしてお父さん、お母さんと出会い、私は変わりました。

 こうなればいいのになぁの思いを、こうしようと声を上げて立ち上がり、様々な活動を行っている親御さんたちの一途な思いに、私ももっと出生前診断のことを知りたい、その上で私にも何かできるんじゃないかと考えるようになりました。

 卒業論文ではこのテーマを取り上げてみましたが、少しでも多くの人がこの論文を目にし、出生前診断について考えてくれたら、徹夜の日々は続いたけれど、がんばって書いて良かったと思います。

 もう大学は卒業してしまいますが、たまには活動におじゃまして、子どもたちや親御さんに会いに行きます。それまでには、3年間言い続けてきたダイエットを成功させて、もう子どもたちから「ぷょぷょ」と言われないようにしておきたいです。

 最後になりましたが、トライアングルの子どもたち、そしてお父さん、お母さんに出会えたことに、とても感謝しています。

 みなさんと過ごした時間は私の宝物です。

ご卒業、おめでとうございます!

 たっくん、あっこちゃん、なっちゃん、本当にいろいろありがとうございました。卒業式の日には、三人の晴れ姿も見せていただきました。たっくんはカックイイ!スーツ姿で(さすがに似合ってきた・・・!?)、女子のお二人は清楚でりりしい袴姿!(にもかかわらず、立ち居振る舞いは相変わらず・・・)まぁ、そんな三人ですが、たくさんの行事に参加してくれた事を今さらながら思い出し感謝しています。子ども達もすっかり慣れて、毎回会えるのを楽しみにしていました。

 今後、進む道は違うし、社会人の厳しさをイヤという程味わっていただくわけですが、そんなちょっとブルーな時には、星空を仰ぎながら、ぜひこの子らの笑顔を思い出してほしいと願うばかりです。(ついでに父や母の笑顔も・・・ダメ!?)

高平(母)   

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