京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(1998年4月号 掲載)
姉と妹

島崎明子   

 この春から保育園の年長組になる我が家の次女みゆき。
ポテポテと歩く後ろ姿に「これで、あと1年で学校かぁ〜〜」と思うと、何ともたよりなく、痛々しい想いにかられはするけれど、本人はゴクゴク上機嫌で、保育園ライフをEnjoyしている。2月末の5才のお誕生会では「シマザキミユキデス。5サイニナリマシタ」(これは1月位前から待ち遠しくて、一人で何度も練習してました)と言って、みんなの前で鉄棒の足抜き回りを2回やってみせました。きのうは、お正月のお年玉に保育園からもらった大きなコマを、ひもを巻いて持たせてやると、1回だけでしたが上手に回せて大喜び。友達の暖かい輪の中で元気に育っています。

 ・・・と、ここまではいいのですが、今の私の一番の頭痛の種は、今度2年生になる姉娘のあゆみ。引っこしのことや、みゆきの就学のことを考え、車で10分ほどのおばちゃんちの学区の小学校に去年の春から通い始めたのですが、2学期の中ごろから「学校嫌い!」「いきたくない」をくり返すようになりました。3学期になってますます学校をいやがるようになり、思いあまって担任の先生に相談に出かけた席で、私は先生から「いつでも、みゆきちゃんが一番になっていませんか」と言われました。いや、あゆみだって充分大事にしている! そう思って思わず私は言い返しました。
「でも、みゆきが膝の上にいない時はあゆみがだっこやkissしてくれってくるので、私、ちゃんとしてますよ!」。
でも先生は負けません。「みゆきちゃんが膝の上にいる時でも、あゆみちゃん、だっこしてほしい時、あるのとちがいますか」・・・!!! ムムム・・・
 私のノックアウト負けでした。

 先生に言われて、改めてあゆみの事を注意して見るようになると、「ほしい」とせがんでいたものを状況を見て「いいよ」と自己規制したり、がまんしたりしている姿が見えるようになってきました。と同時に「大事にしている」はずのあゆみの発言を、大人の価値観で切り捨てている自分の姿も。

 「ゆっくり待ってやる。その子のペースにあわせてすすむ」。障害を持つ子に対しては出来ることが、障害を持たない子には、ついついせかせかとせっついていた私でした。(・・・と気付いても、まだ、学校嫌いは続いていますが・・・。)

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