京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(1999年4月号 掲載)
父親の見た有香の 

中学生時代(卒業後の進路は?)

高平福治   

 まだまだ卒業までは時間があると 高を括っていたら もうすぐ3年生。いよいよ 本格的に進路を考えなくてはならない時期になってしまいました。進学については、前回も書きましたが養護学校高等部へ道はありえません。「じゃあ どうするの」と周りからの心配をよそに ずるずると 結論を延ばし延ばししそうな感じです。

 以前、パソ通のフォーラムに「なんでみんな高校へ行くの?」と言う題タイトルで発言をした事があります。内容は うちの娘は地域の事情もあり養護学校高等部へは行けないし卒業後の選択肢は家事従事となる可能性が高い、家事従事だっていい事では・・と言うようなものでした。

 その時 いろいろな方からご意見をいただきました。多かったのは 娘の為には進学さすべきで 家事従事では かわいそうと言う論調のものでした。

 主な意見は「一般的に家庭では学校や一般社会のように規則正しい生活や緊張感のある生活は難しい 、以前より行動が鈍くなる など予想ができる」「家事従事では対人関係が希薄になる」「障害者で社会へ出るのを喜ぶ人はまれ 出来るだけ先延ばしの方がよい」「高等部で基礎学力と言うよりか基礎生活力をつけさせる位置づけで通わす方がいい」「人生の設計がもてない年齢だと思われるので もっと自分を磨く時間があった方がよい」「中卒後 作業所に通わしたが、けっこう満足している」「進学するにせよ しないにせよ 親がどういう心構えでいくかが大切」それから「家庭に入ってしまうと恋をするチャンスがなくなる」なんてのもありました。

 でも 現実問題として どういう道を選ぶかは難しいと言うしかない状況です。高校へみんなと一緒に行けたら最高ですが 京都では それは無理な相談のようですし、仮に作業所に入れるとしても これもあまり気が進みなせん。ですから やっぱり家にと言う事になるかも知れません。

 みなさんは家にと言うと消極的な進路のように受け取られるようですが、それだっていいのではないかと私は思います。家庭での娘の役割をきちんと決めてやれば それは彼女の仕事になりますし、外の社会へのつながりは 必ずしも学校でなくとも、親の会を通じた交友関係やお稽古ごと塾みたいなものでもよいのでは ないかとも考えます。

 まぁ、3年生になったら学校側とも本格的に進路の話し合いをする事になるでしょうが、どうも 土壇場にならないと 決断できない親としては、迷い迷いの日々が続きそうです。


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