京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2002年8月号 掲載)
奈緒子も中学生になりました。

辻 素子

 親が筆不精のため、0歳からトライアングルにお世話になりながら会報で奈緒子の報告をするなんて初めてのことです。家族は、父、母、本人、弟(小4)の4人です。奈緒子は、今年の4月宇治市のN中学校に入学しました。平成2年に妊娠9ケ月少し手前で生まれ、私が仕事を持っていたこともあり、(入所に関してもいろいろありましたが)1歳から公立の保育所で過ごしました。心房中隔欠損もあり心配していたのですが1歳半で穴もふさがり比較的元気に保育所生活を送ることができました。小学校の就学に関してもいろいろ悩みながら地域の中で過ごし、まるっぽの奈緒子をみんなにわかってもらうことを第一に考え宇治のS小学校の普通学級を希望しました。今から思うといろいろありましたが、「6年間これでよかったんだ」という思いを持ち卒業することができました。しかし、中学校の進学については、またまた悩みました。小学校の先生から「養護学校で奈緒ちゃんを伸ばしてあげては・・・」「小学校から2つの中学校に分かれ、N中学校には1クラスに数人しかいっしょにならないでしょう」「中学では教科特別授業やクラブもあり、小学校のようにクラスでまとまるというよりグループでの世界がもっとできてくるので、奈緒子ちゃんがその中でやっていけるだろうか」等々と指摘をいただきました。親としては、学校でのことや放課後等の不安を持ちながらもやっぱり『地域で普通の中学校生活を経験させてやりたい』『本人の様子を見ながらこれから先はまた考えていけばいい』とN中学校の普通学級に入学させました。

 入学式から友達にさそってもらい、4、5人で登校し始めました。今、奈緒子はとっても楽しそうに通学しています。授業中はノートにそれらしい文字を書いてきていますがどうしているのか「?」ですが・・。バスケットボール部に入部し、朝は7時頃から早朝練習のために登校していきます。とても重いカバンとペットボトル2本のお茶とバスケットシューズを持って、「奈緒子バスケ楽しいねん!」「先輩優しいねん」と・・・。帰りは部活があれば6:30すぎ汗をいっぱいかきながら「頭くらくらするけどがんばってんねん」と帰ってきてすぐに荷物をかたずけシャワーを浴びています。また、土曜日の練習にも参加しています。体も少ししまってきたようで、「奈緒子少しスマートになったな」と言うと、とても喜んでいます。テストなどで部活がないときは、下校し一人で鍵を開け、家の中で用意しておいたお弁当やおやつを食べテレビを見たり工作をしたり、時にはおばあちゃんに電話したりして、弟か私が帰ってくるまで待っています。(時にはお風呂掃除や洗濯たたみもしておいてくれます)友達も少しはできたようで、小学校からの友達が「おばちゃん、奈緒いっぱい友達できたえ。朝、ゲタ箱のところでクラスの人何人も待ったはるし、休み時間はクラスの人といつもいっしょえ」と教えてくれたりします。

 私が仕事を持っていることもあり家であまりかまってやれず、食べることと、寝て休養させることぐらいしかできない親ですが、その分、保育園、学童保育、学校でいろいろな先生にかかわってもらい、まわりの友達に助けてもらい、奈緒子を成長させてもらってきました。これから先についても不安はいっぱい。卒業後の進路についても不安はあります。奈緒子のバスケット部もいつまで続くかわかりませんが(夏休みに音を上げてしまうかも・・・)今は奈緒子なりの方法で中学校生活を楽しく過ごしてくれることを願っています。


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