京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2002年8月号 掲載)
ひさびさの近況報告

木村純子

 長女真理子は16歳。現在京都府立S高校通信制の2年生です。夢は歌手になってミュージックステーションに出ること・・らしいです。

 真理子は小・中学校の9年間を普通学級で過ごしてきました。なので、家⇔学校の往復だけで毎日が終わってしまいましたが、高校へ通うようになって一気に行動範囲が広がりました。まずは、ほとんど乗ってことのないJRで太秦駅から二条駅まで行くこと!です。今は一人で電車に乗って通っていますが、ほじめは花園大学のまさちゃんに太秦駅まで来てもらい、そこから真理子と一緒に電車に乗って学校へ行くということを何度か繰り返しました。自宅から太秦駅までは真理子が歩くと30分ほどかかる距離なので、私が車で送っています。

 電車を待っていると、中学校の元同級生に会うことがたびたびあるのですが、「まりちゃん、頑張ってな〜」とか「今から学校行くんかー」、「二条でおりるか見ときます」とか声を掛けてきてくれるので、私としては非常に心強いです。

 学校へ行かない日は、仕事へ行くようになりました。私の実家が、ゆかた帯と七・五・三の帯を作っているのですが、そこで10時から夕方5時まで働いています。大好きな自転車に乗って通っています。

 真理子の仕事は、台紙にシールを貼ったり、ネームを同じ長さに切ったり、ラベルに品番をスタンプで押したりしています。スタンプを押すのは力の入れかげんなど少し難しく、数字がかすれたり、端の方が欠けることが多く、その部分は後からボールペンで修正してもらっているようです。

 週1〜2回の学校生活や、ピアノの新藤先生と一緒に電車に乗る練習、そして週末にはいろいろと行事が入ってくるので、仕事に行けるのは今のところ1ケ月のうち7日間くらいしかありません。仕事に行ける日を前もって伝えておき、真理子が出来る仕事を置いてもらっています。

 3時になると、いつも真理子が言うそうです。
「奥さ〜ん、そろそろ休憩にしましょうか〜」と・・。私の母は、「どっちが雇っているのか雇われているのかわからへんわ」といつも言ってます。でも真理子がいると仕事場が明るくて楽しいようです。お給料は月初めにもらって帰ってくるのですが、その中から「携帯代、渡しとくわ」と言って小銭をくれます(決して千円札はくれません・・)。この小銭はちょっと使えないので、毎回、貯金しています。

 今はとてもいい環境で仕事をさせてもらっていますが、真理子はこの先、ウェイトレスや、お弁当屋さん、コンビニのバイトをやってみたいと言っています。あと、1〜2年したら職場探しをしてみようかなぁと思ったりもしています。


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