京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2008年8月号 掲載)
小学生になりました!!


 こんにちは。堀瑞季(2001/10/13生まれ)の母です。我が家の小さかった娘も今年小学校に入学しました。地域の乾隆小学校に毎日楽しく通っています。
 就学前、親としては心配なことは数知れずで「このまま保育園にいたいな〜」という心境でした。保育園では先生や仲間に恵まれ、瑞季はこちらが思う以上の力を発揮し、特に最後の1年は本当に楽しい充実した保育園生活を送っていました。その瑞季を通して強く感じたのはやはり友達の力です。仲間がいるから色んな事ができるようになったし、できないこともやってみようと思うし、楽しさも何倍にもなるんだと思いました。そんな思いから小学校でも普通学級を希望し、校長先生も「親の意向通りに」というお考えの方でいたってスムーズに決まりました。理解のない校長の校区に住んでおられる方には本当に申し訳ないくらい簡単に決まり、就学判定も受けませんでした。

 新1年生は全部で35名、担任の先生の他に学びのパートナーという先生がもう一人ついて下さっています。もちろん瑞季のための先生ではありませんがやはり先生が2人というのは大変心強いです。友達もお世話をいっぱい焼いてくれる子や何度も何度も注意してくれる子、瑞季をかわいがってくれるたくさんの上級生、瑞季は不思議といつも周りの人に恵まれています。この小規模でちょっとのんびりした暖かい乾隆小学校が瑞季に合っていて、本当にここに来て良かったなと思っています。

 普通学級=障害が軽いと考える方もおられるかもしれませんが瑞季はひらがなも読めないし数もわかりません。話す方もまだまだですし体力もありません。それでもみんなと勉強するのが楽しく、学校が大好きです。給食当番もはりきってやっているし、家では先生のマネをしたり、日直のセリフを何回も言っています。国語の音読も読めないけれど思い出しては大きい声で言っています。授業中もたぶんわからないことばっかりなんでしょうがみんなのマネをして発表もします。瑞季が発表するときはみんなが聞き漏らさないよう集中して聞いてくれるみたいです。拍手をもらうこともあるようです。

 学校で寝てしまうこともあるし、今までしなかったお漏らしをするようになったり、歯が抜けるほどこけたりとかいろんなことがありますが、瑞季が元気で学校に通っていることが何よりだと思っています(今のところまだ休んでいません)。「がっこうある?」とよく聞く瑞季。「あるよ。」と言うと答えは決まって「イエ〜イ!」でガッツポーズです。毎日、叱られているのに全くめげません。先生から「瑞季ちゃんは気が強いですね。」と言われ、外ではおとなしく気が弱かったはずやのに・・・と戸惑う母です。学校生活はまだ始まったばかりでこれから色々な問題が起きてくるでしょうし、いつまでこの学校好きが続くかもわかりませんが、とりあえず好スタートを切れたことを大変嬉しく思っています。

 勉強はどんどん進み、まねごとだけでもできていた今までのようにはいかなくなってくるでしょうが、幸い瑞季は学校への憧れが強くあったので勉強する雰囲気が好きなようです。できるだけ長くみんなと同じ場所で学ぶことを続けていって欲しいと思います。そして何より社会のルールや人とのかかわりを学んでいってもらいたいです。

 トライアングルの20周年の講演で聴いた浜田先生の「力を身につけるのは使うため。身につけるために生きているのではない。」といったお話がすごく心に残っています。もちろん瑞季も将来のためにがんばらないといけないこともあるでしょうが、今という時を今持っている力でありのままに生きていって欲しいと考えています。

 楽しく学校に通う瑞季を毎日目の当たりにして、改めてこれまで瑞季をそして私たち家族を支えて下さった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。そして現在もたくさんの方に助けて頂いて本当にありがたいと日々感じながら毎日を過ごしています。これからどんなことが待ち受けているのかわかりませんが、瑞季を見ていると何でも乗り越えて行けそうな気がしてきます!

堀 雅子

 



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