京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2008年8月号 掲載)
高校生活
島崎実幸
 私は高校生活を楽しんでいます。
 高校に入って友達が増えましたこれからいろんなことが楽しくなります。
 京都市内から遠い中がんばってかよっています。
 電車とバスで学校かよっています。
 私の学校では虫がいっぱいないています。
 鳥もいっぱいないています。カエルもないています。
 私にとっては旅行になります。
 ねむい中かよっています。
 とにかくねむいなか行っています。
 5時15分ぐらいに起きて学校に行っています。
 旅行で行って帰ることだけで大変です。

・−−−−・−−−−・−−−−・−−−−・−−−−・−−−−・−−−−・島崎明子

 「お友だちできてん。Aさん。Aさんが「みーちゃんいこ」て言うてくれはったらちこくせえへんねん。でもAさん休まはるねん」とのこと。今まで3年生のお姉さんたちにかわいがってもらって、メールのやりとりしたりしてはいましたが、クラスで仲の良い子ができるといいなあ〜と願っていて、やっとクラスメートの名前がでてきたのはとてもうれしいのですが、どうも不登校気味の女の子のようです。保育園時代からずっと今まで、みゆきに寄ってきて仲良くなってくれる子の多くは、お勉強が苦手だったり、家庭が複雑だったり、そんな、どこかに弱さをかかえた子が多かった気がします。
そして今回も。

 昨夜、2時間かけて個人懇談に行ってきました。中間、期末テストを終って「このままでは進級が…」と先生。点数より以前にちこくが多いこと、提出物が出てないことが問題とのこと。高校ではチャイムが鳴った時に教室にいないとちこく、15分以上ちこくすると欠席扱いだという。ちやほやされて我ままが通った中学校とは大違い。「ダウン症の子は動作もおそく・・」と言い出した私の言葉をさえ切って「でも好きなものは早いんですよ。卓球や国語の時は・・」とのこと。気の進まない授業や移動教室の時、誰も声をかけてくれなかったりするとグズグズとお茶を飲んでいたり動かなかったりするらしい。本人いわく、「どこの教室か分からへん」そんなこともあったんだろう。そして提出物。これも中学ではだいたい大目に見てもらっていたけれど高校ではそうはいかないようだ。「出来ることはさせますので、2年生に進級させて下さい。」と単刀直入に私。「2年生になったら沖縄に修学旅行に行くんだと、今から楽しみにしています。七夕の短冊にも、みゆきは「2年生になれますように」と書いていました」と情に訴えかけてもみる。「私たちも悩んでいます」と先生。「そうそう、いっぱい悩んでェ」と心の中でつぶやく私。

 入学したら次は進級の問題が待っていると覚悟はしていたけれど、とりつく島のないかんじではなく、「どうしたもんかいなあ」と点数のとれない子をどうやって進級させるのか、この子だけ特別扱いする訳にもいかず、他にもしんどい子がいっぱいいる中で、悩んでいる先生を見て第一ラウンドはこんなもんかなァと思いました。さりとて、私も、みゆきにどこまでがんばらすのか、悩ましい問題ではあります。そしてもひとつ、私自身の体力に不安も・・。

 忌引き以外、一日も休まず酷暑の中を通い続けたみゆきに、楽しいことが沢山ある夏休みになりますように・・。

 P.S. 前号の卓球の試合報告。舞鶴までヘルパーさんと一緒に行ってきて、本日いわく「1セットとった!」とのこと。審判もやったらしい。
 定時制、通信制の両丹地区の試合。女子の参加はぜ〜んぶで6人でした。先日もらってきた「三和分校だより」には色んな体育系クラブの戦勝報告にまじって「卓球女子の部 島崎実幸6位」の記事にとっても気をよくしているみゆきでした・・。


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